No.1014 どうかしてる!
今から115年前の1908年、エリザベス・モンゴメリは普及の名著と言われる『赤毛のアン』を世に送り出しました。カナダCBCとNetflixによって共同製作された『アンと言う名の少女』シーズン3の第9話・10話(最終回)の再放送(NHKプレミアム)が近づいています。
9月25日には、第8話「突然おとずれる変化」が放映され、カナダの原住民の子どもたちが寄宿学校で不条理な扱いや迫害を受けている実態に迫った映像がありました。寄宿学校から脱出して、遥かに海を越え野山を越え線路を伝い、命からがら部族の家に帰り着いた先住民の少女カクウェットでした。
次週の第9話「深遠なる闇」で、寄宿学校から脱出したカクウェットは、この先どうなるのか?また、ギルバートとアンの互いに惹かれながらもすれ違う想いはどうなるのか?さらに、最終回となる第10話「心の導き」で、ギルバートとアンの恋の行方は?そして、アンの親友カクウェットの運命は?何度見ても、ハラハラドキドキの展開です。
西加奈子さんの小説『くもをさがす』は、カナダでがんになった作者自身の体験談をもとにした作品ですが、当時のカナダ政府がとった先住民の子どもたちへの「同化政策」ついても触れています。
ここには、カナダと言う国の犯した闇が子供たちの遺体と共に埋められていました。その全貌が明らかになるには、まだ時間が必要かもしれません。正しさを説き導くはずの教師や、牧師や、シスターや、ナースが行った非道は、多くの犠牲を産んでもまだ飽き足りない人間のエゴがもたらしたものでした。
日本も戦争統治下に皇民政策や同化政策を行った植民地支配があったのではないか、計り知れない愛憎と恩讐が歴史の中から生まれたことを忘れてはならないと思います。
※画像は、クリエイター・みど〜ゐんさんの「アンという名の少女」の1葉をかたじけなくしました。みど~ゐんさんが、想像の翼を広げて描いた何枚ものアンの画像の内の1枚です。心よりお礼申し上げます。