No.1389 4枚目?5枚目?6枚目?
パーン!パーン!!パーン!!!
三発屋、いや、散髪屋に行ってきました。
口から先に生まれてきたこの私が、引いてしまうほどの「よーかっちゃべる。」(失礼、お話し好きの)ご婦人散髪師(理容師?)さんです。
70過ぎの爺さんに「ツーブロック」の髪型をすすめ、カッコよく決める辺り、「チャレンジャー」な御仁であると見ました。ふと、大学生時代に笹塚駅近くの散髪屋で髪を整えてもらった時のことを思い出しました。
小学校入学から高校を卒業するまで坊主で通した私です。大学に入って髪を伸ばせるようになったのが嬉しくて、思わず、吉田拓郎の歌の世界を真似てみたくなりました。
「♪僕の髪が肩まで伸びて~」
と言っても、丹波篠山の産ではありませんが、山香育ちの山家の猿に長髪は似合いません。前髪や横髪がうるさくなったので散髪屋の扉を押しました。
学生が多い散髪屋さんには手慣れた男性数人がハサミをふるっていました。
「どんな髪型にしましょうか?」
と言われ、
「後ろを刈り上げて、耳を出してください。」
と注文しました。
あの床屋の椅子って、どうしてああも睡魔が襲ってくるのでしょうね?
「シャンプーしますよ!」
の声で、はっと目が覚めました。
淡々と、粛々と(?)散髪が行われ、洗われ、整えられ、「田舎者」とこちらが言わなければ気づかれないシティーボーイ風(言った者勝ちです!)の仕上がりになりました。
これは、労を励んで下さった散髪師にお追従(ついしょう)の一つも言わねばなるまいと思った私は、とっさに、
「お世話になりました。これで男前が1枚上がりましたかね?」
と言ったら、件の散髪師はニヤッと笑って、
「いえいえ、2・3枚は上がりましたよ!」
とのたまいました。初めの私は、何枚目?
半世紀が経っても忘れられないあの日のオジサンの一言を胸に、今日も生きています。
「ツーブロックの 刈り上げ女子や 夏めける」
「らくらくコミュニティー」クリエイター・えん❤️さんのブログ「連休ですけど~」(2024年5月5日)に見つけた俳句です。
「季節なし いくつなっても ツーブロック」
イケメン好きな母ちゃん作の川柳は、「川柳もどき」のネットのページの「ヘアスタイル」(2023年10月14日)にありました。
ツーブロックは、韻文の世界でも「市民権」を得ていました。
※画像は、クリエイター・中川 貴雄さんの、タイトル「絵しりとり 997」の1葉をかたじけなくしました。「虎の散髪屋さんが間違って刈り上げてしまったようすを描きました。」の説明がついていました。あまりに面白く、また、絵が可愛らしく、口角が上がりました。お礼を申し上げます。