No.774 初めて自分をほめてやれたこと
おはようございます。
日本全土に大寒波が襲った今朝の大分市の気温は「-1℃」であることをチョコちゃんとの散歩で知りました。水たまりには、薄氷が張っていました。
わが部屋内の温度は2,7℃です。暖房器具が無いので、毛布を両脚に巻き付けてコラムを書いていますが、むしろ、冬らしくて「つきづきしく」思います。
さて、今から34年前の1989年(平成元年)4月8日より、私は毎日学級通信を書き始めました。「ゆずり葉」は春になって若葉がのびると、古い葉が若葉に譲り落ちることから、成長した子を見守り、あとを譲る親心を思って通信名としました。
その第10号は、4月12日の発行でした。コラムにこんな事が書いてありました。
「日常生活の中には、忘れられているけれども有益なものがいくつもある。ベルマークもその一つである。
控えめに、はにかむように商品に印刷されているのだが、その存在は気づかれないままゴミ箱行きという運命を背負ったものもある。
私は、TVのブラウン管からこれ見よがしに登場する会社名より、はかなく哀感を漂わせながらもそっと商品に寄り添っている風情のベルマークが好きだ。何とか日の目を見せてやりたい。
かくして、ベルマーク集め運動がA1-2で行われる。ご協力下さい。」
その翌日の第11号のコラム欄には、こんなことが書いてありました。
「昨日のことである。『ゆずり葉』10号を生徒に手渡し、『四季抄』でベルマークのお話を訴えたところ、『待っていました!』とばかりに教卓にビニール袋にいっぱい入ったベルマークが差し出された。
奇跡に近い偶然である。神のみぞ知るたわむれであろうか?そのタイミングの良さ、信じられない巡り合わせに、本当に不思議な感動を覚えました。
その主は、E君であった。見れば見るほど美男に見える。こういう人には、国語の点数に消費税と同じく3%の上乗せが与えられる。」
「昭和」から「平成」へと元号が変わったのを機に、自らも変化の年にしたいと考えて「毎日学級通信」などという暴挙に出たのですが、「何でも三日坊主」を自認する私が、肩の力を抜きながら書き綴っているのを見て懐かしく思った次第です。書き残しておいたものを見ると、こんな風に気持ちが砂塵のように急に立ち上がるものなんですね。
定年退職した2013年(平成25年)3月まで書きましたが、7,658号が最終号となりました。「塵りも積もれば何とやら」ですが、こんな私にも「五分の魂」はあったという事でしょうか?
1996年(平成8年)のアトランタオリンピック女子マラソンで銅メダルを受賞した時の有森裕子さんの名言、
「初めて自分で自分をほめたいと思います。」
の言葉を胸に熱いものを感じながら思い浮かべたことを覚えています。
※画像は、クリエイター・榛名しおりさんの、タイトル「目を閉じて息をひきとる瞬間、自分をほめることができるかどうか ――書き仕事の日々11」をかたじけなくしました。凛とした美しい姿に目が惹かれます。お礼申します。