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No.977 「シルバー川柳に『ほ』④」(2017年~2022年編)
本日で、私の「シルバー川柳」に関する「要らん世話」は、無事に最終回を迎えました。お付き合いくださった方々には、心からお礼を申し上げます。これもシルバー川柳の魅力のお陰です。その魅力を余すところなく披露する最後の30句を心行くまでご堪能ください。
第17回(2017年)秀作5句
「生きがいは何かと聞かれ『生きること』」
(栃木県 61歳 男性)
「『君の名は?』老人会でも流行語」
(岡山県 62歳 男性)
「遺言書『すべて妻に』と妻の文字」
(愛知県 59歳 女性)
「ペットロス主人の時より号泣し」
(東京都 76歳 女性)
「石段の下から拝む寺参り」
(熊本県 83歳 男性)
第18回(2018年)秀作5句
「『ご主人は?』『お盆に帰る』と詐欺に言い」
(群馬県 73歳 女性)
「納得をするまで計る血圧計」
(東京都 69歳 女性)
「古希を過ぎ鏡の中に母を見る」
(大阪府 76歳 女性)
「無宗教今は全てが神頼み」
(東京都 72歳 男性)
「懐メロが新し過ぎて歌えない」
(千葉県 65歳 男性)
第19回(2019年)秀作5句
「四元号生き抜き迎える白寿かな」
(千葉県 97歳 男性)
「失言は家庭内でも命取り」
(和歌山県 64歳 男性)
「居ないとき妻の枕を尻に敷く」
(埼玉県 69歳 男性)
「問診にオレより妻が答えてる」
(静岡県 68歳 男性)
「若作りしても話題はみな昭和」
(兵庫県 79歳 女性)
第20回(2020年)秀作5句
「ばあさんの手作りマスク息できず」
(埼玉県 82歳 男性)
「円満の秘訣ソーシャルディスタンス」
(北海道 77歳 男性)
「妻の留守たっぷり醤油寿司刺身」
(東京都 70歳 男性)
「耳鳴りもピーシーアールと音がする」
(千葉県 73歳 男性)
「幼な児に戻りて可愛い認知症」
(東京都 106歳 女性)
第21回(2021年)秀作5句
「さりげなく背後に賞状オンライン」
(北海道 54歳 男性)
「午後八時酒提供を止める妻」
(大阪府 58歳 男性)
「お互いに返事はするが動かない」
(福岡県 60歳 男性)
「伸びすれば足が攣る攣る寝起き前」
(兵庫県 66歳 女性)
「ワクチンのネット予約でひ孫借り」
(東京都 81歳 男性)
第22回(2022年)秀作5句
「お年玉持続可能か聞くな孫」
(熊本県 54歳 女性)
「誤送金待てど暮らせど来ぬわが家」
(埼玉県 86歳 男性)
「冬の日の一番風呂は命がけ」
(大阪府 55歳 男性)
「WEB予約予約できたか電話する」
(群馬県 65歳 男性)
「知恵袋年の功よりYouTube」
(大分県 67歳 女性)
得手勝手極まる私的に感じた末の選考のゆえに、忖度なしの都道府県の並びになる事もありました。50代以下の秀作には触れませんでしたが、「シルバー」をじっくり観て17音に恐るべき感動を閉じ込めた作品も少なくありませんでした。伏してお詫び申します。
これから「どう生きるか」の心づもりをするにあたって、バイブルのような金言や警句が見いだせる「シルバー川柳」は、私らしい老後のための「学習ノート」(メッセージ集)です。この作業を通して、斜め読みではなく、まっすぐな気持ちで読めたことを誇りにしたいと思います。
読んで下さった皆さんのお陰で、やり終えました。お礼申し上げます。
※画像は、クリエイター・どんむさんの、タイトル「お題以外はAIが生成した41:映画『君の名は。』」の1葉をかたじけなくしました。お礼を申し上げます。老人会でも「君の名は」は流行したそうです。