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No.1508 “Early in the morning.”
散歩していると、不意に頭の中に思い浮かぶ曲があります。その曲のテンポに合わせながら歩を進めることもあります。のらりくらりだったり、早歩きだったり…。しかし、リズムは思い出すのに、所々の歌詞も思い出すのに、肝心の曲のタイトルをどうしても思い出せないことがままあります。
数年前のその夜も、懐中電灯を点け、蛍光バンドを腕に巻いて、高校時代に流行った懐かしい曲をハミングしながら相棒と散歩していました。坂道を下っていた時、大きめのワゴン車が結構なスピードでこちらに向かって来て、目映いライトが目に飛び込んできた瞬間、「おっ!」と曲の題名を思い出しました。これも「アーハ体験」の一つでしょうか?その曲名は“Early in the morning. ”でした。夜のことでしたが…。
帰宅して、すぐに調べました。1969年(昭和44年)に英国歌手のクリフ・リチャードにより歌われた曲でした。ワンクリック動画で曲を紹介できれば良いのですが、アナロギアン(アナログ至極?)な私に、そんな技があるはずもありません。漫才芸人・いつもここからさんの「悲しい時~!」のフレーズを思いおこしながら、冒頭部のみの英文に、意訳までつけてしまう気前の良さです。
“Evening is the time of day
I find nothing much to say”
「夜ってのは、すべきことも
多くを語ることも何も無いよ」
から始まって、
「でも、気づくことがあるのさ。
早朝、次第に明るくなると、
生きてるって素敵だなあと…。
わかるでしょ?」
なんか、そんな風に理解しています。
世界中の誰にも平等に朝は訪れます。数学が大の苦手で、宿題が解けないまま重苦しい朝を迎えた高校時代のことは忘れられません。そんな時、背中を押してくれた歌が軽快なテンポの“Early in the morning. ”でした。
70歳を過ぎて2年目の今の私の夜は、クリフが歌うように何もないどころか、尊くて有り難い時間を過ごしています。そして、清々しい朝の目覚めや、時には、二度寝を庭木に泊まる鳥たちのさえずりで起こされたりしながら、感謝の朝を迎えています。56年も前の、悩み多かった高校時代の沈鬱な朝の軛から、すっかり解放された気分で。
さて、円周率π(パイ)が3,14である事から、3月14日は「数学の日」だそうです。「第1回数学川柳&数学俳句コンクール」(日本数学検定協会)とは、「数」「算数」「数学」のイメージを詠み込んだ句のことで、数や算数・数学の楽しさを広めるという主旨のもと、2012年(平成24年)に第1回目が開催されました。
全国からの応募数は、「川柳」が18,924句、「俳句」が3,487句だったといいますから、その関心の高さがうかがえます。その中から選ばれた各大賞をご紹介します。
【大賞】川柳 「御破算で 願いましては 次の恋」(兵庫県・女性)
【大賞】俳句 「初雪や 三角定規 ほどの坂」(千葉県・男性)
「数が苦」を「数楽」と思えた句に感謝です!
※画像は、クリエイター・オカリナの虜 えんじろうさんの、タイトル「人生の分母と感度」の1葉「数字がたくさん並ぶ黒板」をかたじけなくしました。お礼申し上げます。私の頭の中は、炎上しそうです。