私が高校生の時に、某先生から聞いた笑い話です。
「ある人の息子が東京から汽車で帰省しよったち。三重県の津市まで来たんじゃが、所持金がのうなった。そこで、お金の無心をするため親元に電報を打った。
『ツマデキタカネオクレ!』
すると、親からお金じゃなくて電報が届いたんじゃ。
『マダハヤイ!』
どうも、親御さんは『津まで来た』を『妻出来た』と誤解したらしいのう。日本語は、厄介じゃ!」
次に紹介するのは、薄田泣菫『茶話』(青空文庫)にあったお話です。『茶話』は随筆集。明治期の詩人で、コラムニストとしても活動した薄田が1915年~1930年にかけて『大阪毎日新聞』などの新聞や雑誌に連載した、811篇からなる短文集です。
以下の前半は、コンマを打ったばっかりにアメリカ政府が大損したおはなしです。後半は「ああ勘違い!」のお話ですが、これがなかなか良くできています。是非読んでやってください。ちょっぴり笑えます。なるほど、文章に読点は必要ですね!
こんな例のネタは、私たちの身近にも尽きません。
「警官は血まみれになって逃げる犯人を追った。」
血まみれなのは、警官?犯人? はて?
「私は彼のように速く走れない。」
彼は、速いの?速くないの? はて?
「この部屋ではきものをぬいでください。」
脱ぐのは、着物?履物? はて?
※画像は、クリエイター・rinさんの、タイトル「数珠玉。」の1葉をかたじけなくしました。お礼申し上げます。