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No.549 あまりにも陳腐なお話
つい先日、同僚のK先生から、その格言を言った人が誰か質問されました。
「一部の人たちを常に、そしてすべての人たちを一時だますことはできるが、すべての人たちを常にだますことはできない。」
(You can fool some of the people all of the time, and all of the people some of the time, but you can not fool all of the people all of the time.)
政治家だろうと想像して、
「チャーチルか、ガンジー?」
と答えたら、
「リンカーンです!」
と教えられました。ネットですぐに調べましたが、不案内至極の私は、出典にたどり着くことが出来ませんでした。1858年にイリノイ州クリントンで行ったリンカーンのスピーチの中にある言葉らしいのですが、某月某日?1858年と言えば、日本では、井伊直弼が大老に就任し、日米修好通商条約を結び、安政の大獄に着手した年です。
K先生がこのリンカーンの言葉に感激したのは、今や世界を紛争に巻き込み、貧困と混乱に拍車をかけている某国の大統領が、まさにこの至言に当てはまるからというのが理由のようでした。「身内をだます」のは、兵法では中国に限らず定石なのでしょうか?
調べていたら、次の言葉もリンカーンの格言として紹介されていました。
「大抵の人が逆境は乗り越えられる。本当に人を試したかったら、権力を与えてみることだ。」
(Nearly all men can stand adversity, but if you want to test a man’s character, give him power.)
確かに、国民が権力を与えてみたら、その人格を暴露して(暴露されて?)しまいました。国が国だけに露呈してしまったようです。リンカーンの炯眼の鋭さに霞んでしまいそうな、陳腐と言うに相応しい大統領のお話でした。