私は何者か、339
真面目なことを言っても、いや、真面目なことしか言えないのだが、相変わらず1,5メートル先で雀が何か啄む。味やかたちの如何を問わず、啄み続ける。
そして、私が手を差し出せば一歩下がり、足を踏み出せば、ぱっと飛び立つのである。
そこにあるのに、辿り着けない春の公園。
砂山の砂はもう崩れたか。
私を待たずに帰って欲しい。
ブランコの揺れもそのうち止まる。
錆び続ける鉄棒。
ナスカから続く蟻の行列。
私は何もしてはいないし、なにもされてはいない。
結えたつもりもないし、後ろ手に縛られているわけでもない。
踏み出せないまま。
20億光年。えっ。
私は何者か。