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私は何者か、番外編 a dozen 短歌 70


つま先の浮いたところの石ころかそれとも見えぬ誰かの慈悲か

音のないほうに歩けば花の庭来た道はもう消えてしまった

綿雲を指で摘んで食べている至極のふわり君も食べるか

ビールだけずっと飲んでる金色の泡のはじける私の汀

見ないふり気づかぬふりを続けても動物園の檻の内外

ゆふやけを見たよ昼間が迫り出して夜よ黒衣を洗っておけよ

何もかもなにもかも枯れてその庭へ羽に紋付きそんな鳥来る

忘れては旅思い出すひとならば純粋真面目にそのためのため

忘れもの届けてくれる人がいる私が好きで私を好きな

長いとか短いとかじゃない君といるこんな回転木馬のしあわせ

其処に居てそこにはいない人とひとknowledge恥ずいビデオの会議

冬銀河独り占め誰も見上げない真冬真夜中爪先寒し


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