私は何者か、504
疲れていることは否めない。しかし、である、しかし、皆、疲れている。のである。疲弊し、虚ろになり、闇雲に従うことで、己を保つ。己など、とうの昔に、その、己から遠ざかっているというのに。自分宛に届く、つまらぬDM。そもそも、玄関ドアからゴミ箱までの運命。放っておいてはくれまいか。
月がカーテンの隙間から、呼ぶのである。呼んでくれるのか。嬉しいよ。
明るい夜道をわたしは歩く。
嫌なことも、そうでないことも、たいしたことはない。わたしさえ、二本の足で、しっかり立つことができれば。どこへだって、ゆけるし、なにも、怖くなど、ないのである。
ここへきて。
と、言っても来ないくせに。
来なくてもいい。
と、言った途端に、人から気遣われる。
幸せである。
生きていることの、頼りなげなる、意見書。
わたしは何者か。