私は何者か、375
勝ち負けではない、なにか。
諦めとか、老化、後退ではない、なにか。
ひらき直りとも。無視、論点ずらしではない、なにか。
ずいぶん、私としてはずいぶん、長いこと暮らしてきた。
そのときどきの光景は、いま、田舎の祖母の家にあったおくどさんに、幼い私が枯れた杉の葉や木切れを焚べては見つめた、燃え上がる火の色のなかで揺らいでいる。
忘れることも、思い出すことも、自在である。
何の、すこしも、成長してはおらぬ。
戻れないとか、戻りたいとかではなく。
それはもう全てが私なのである。
これまでも、これからも、私であろう。
他者を識ることによる、私のわたし。
敵意などない。
さらさら、ない。
わたしは何者か。