私は何者か、番外編 a dozen 短歌、18
誰の庭か知らぬが白い花の咲く手を触れたならほろとこぼれて
一年がもう暮れゆくよ透明な硝子の箱の外の出来事
お陽様の手が私の背を撫でる温か不意に不意に涙
予想して予想通りの答くるクリスマスケーキふたりで買いに
のびのびと伸びてどこまで届くだろ好きなように暮らすということ
クリスマスのための電飾あきらかに我ら平和の意味も知らずよ
ゆふぐれのちいさな言葉が雨を呼び眠り落ちてもまだ降り続く
マッチ燃す少女のことを忘れたか好ましいもの愛おしいひと
拗ねごとを腕のまくらのなかで吐くやがて小さな繭となるらむ
頂いたもので手づくりの夕餉炊き込みご飯煮魚真薯
鼻声に風邪をひいたか花粉症体調問われ面映ゆしふふ
ビール飲むそんな平和を十二月雨を見たかと問われ悴む
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?