私は何者か、320
さよならしようか。
そしたら、誰かの運命が変わるのだろうか。
誰かが、急に元気になったり、不機嫌になったりするのだろうか。
運命を操作するためなら、ターミネーターにならねばならぬか。
誰かの運命を、いいように操る者がいるらしい。
知らないはずが知っていたり、不可侵領域がどうも柔らかで滑らかで自由自在になるものだから、不特定多数排他経済数式に余りが出るからと、だから、サヨナラはグッドバイなのかレットイットビーなのか。
私は鴨のコンフィが好きなだけ。カモンベイビー。
さよならなんて。それは言葉だけ。伴う行為の何がさよならか。
それらにまつわる端くれたちが、眠ろうとするわたしを強く揺り、起こす。
さよならは必須アイテム。
そのための出会いと蜜月。
冷たい水を浴びる前に、身体を芯まで冷やしておかねば。ならぬと。
わたしはひとりなのである。
互いにそのことを傷として埋め込んでおこう。
夜の桜を見た。
見上げれば、二度と戻れないかも知れぬほどの怪しさで我を包む。
もっと遠くの少し膨らんできた月を観る。くっきりと空に刻まれて。
ほらね、刻まれるからこそ自覚するのである。
ホチキスの針を外すふりをして指刺したれば我の赤き血
目覚めたか。
私は何者か。
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