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私は何者か、番外編 a dozen 短歌 32


サヨナラの空を見上げる上弦の月が檸檬になってる春待ち

ポケットの中ののど飴メランコリ黒い小石に旅のチケット

金曜の夜を貪り食べるため髪はさらさらベッドに潜る

バレンタイン長い手脚の子らがいて陽は平等に降れるカカオへ

会えるのはたいてい寂しい時ですね薄目を開けて金の三日月

君のこと思っていたよ一日中喋って野原で眠ってみたい

選択を洗い晒して流されて野花散らして自ら流れる

体内の蒼い憂いに微睡んで麦酒飲む我流れゆく旅

緩やかに下ってゆくと感じてる雨と雪とが混じりあう真夜

わかること分からないこと窓辺では淡い陽炎どうでもいいか

わたくしを信じているとき私のワタクシであるわたくしが居る

空を抱く空に抱かれているはずのどこまで飛ぼうどこまで届く



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