私は何者か、番外編 a dozen 短歌 24
なにもかもつぎつぎに棄ててみたのです小さな白い翅だけ残し
あのひともたぶん観たはずこの景色瓶の手紙の波間漂う
手を合わせそれは祈るというかたち白い白い真白いきもち
隙間からあの犬の声聞こえたのそら耳ですか音叉咥えて
考える頭を持ちて考えぬそんな時間の胡麻のふりかけ
窓いっぱい光とらえてここからは黄泉と読み解き哀し界ひく
湯豆腐の老舗南禅寺奥丹行列なんぞ好むわけもない
彼が通勤時間遅らせ我に会うためイエローストーン間欠泉か
麦酒飲み歌を作って料理してあんた誰なのわたしはをんな
おとこおんなわけるのもよしわけぬのもあるがまんまをあればあるだけ
世の仕組みロジックごときAIその他私のままで死ぬまでわたし
我のため彼作吸い物寿司揚げもの会議は果ててカオスよ永遠に
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