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おとなの旅 2


囚われの私に許されたものは短詩型の吐息


海を思えば船虫の這う音すらも新鮮で

夜のまんなか猫の会議に遅れぬように爪を研ぐ

秋の空から落ちてくる星をそっと毛布にくるみ

流れの途中に足を浸す

眠れね夜の黒い羊はあとわずか

月はまだかと窓のガラスにおでこをぶつける


わたしの掴む彼の足首

永遠のアキレス

彼の抱く私の背中

永遠のトルソ


愛はゆるされる

夢のごとく




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