私は何者か、番外編 a dozen 短歌 34
満月を見せてはくれぬ春宵の我ら人とは小さきちいさき
離れても一緒にいてもその温さ変わらずふたり恒温動物
知らぬ人そんなカテゴリ怖ろしき知っているとはどんな傲慢
約束をしたことさえも忘れ果て草の芽吹きの鼻をくすぐる
漂流する瓶の行方を知らないか願いは蜻蛉ほども儚き
風光る春のうららのおのころの島は浮かんで渦のぐるぐる
石段を1368段かけ登るわたしを脱いでじぶんになれる
曇天のいつもいつでも断念し私の問いを答えるわたし
それ以上登る道なく突きあたり神籤いただく中吉の猫
眠い猫眠らぬ猫も眠い猫我は眠らず猫眠りに落ち
二月尽昨日の私脱ぎ捨てて今日の私の着物黄緑
眠っては君を確かめ目覚めては我を確かめこころの在処
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