私は何者か、番外編 a dozen 短歌 26
片足で眠るピンクの鳥の夢その湖の癒えぬ病よ
テーブルで咲き出すサフラン金色のおもいつきなの今日旅に出る
一月の岸まで魚が来たのです欠伸したならマイナス1ね
眠るまでその腕のなか楽園の私はただの青いてふてふ
その塀のちいさな隙間覗いては知ってるつもり知らないはずの
細やかなそれは雨といふ若き日の誰にも告げず螺子の錆育て
あと少しそんな感じでいたものよ追い越されては寧ろ幸福
鯵フライグリーンサラダ小松菜の炊いたものやら胃袋安堵
冬かもめ沖の静かに暮れゆきて乾かぬ睫毛スイッチを切る
月隠れ我は影のみはじめから気づかずにいた生命の光
その細い流れは何ぞ哀しみか野花留めることもせず行く
山行きて北風小僧ふり向かずこっそり着いて行くことにする