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私は何者か、372


豚バラの薄切りフライ、鶏マツバ、ベビーリーフ、茗荷のサラダ。新ジャガのバター炒め。プレモル。幸福な夕餉。週末の棲家。

テーブルの上に無造作に置いてある。

彼が、本を買ってくれた。

好きな曲でもなく、花でもなく、ほんとうに私の欲しかったもの。

こんな嬉しい贈り物はかつてない。

一日、その本を読んで、過ごす。知らずに涙が溢れてきたりした。

巡り合うことの、この幸せ。

今までの、暮らしてきたことの、裏打ちをしてくれたのか。



窓の外を見なくても、そこに鳥がいることがわかる。


それは、とても
難儀な
ふつうとでも。
呼ぶのであろうか。


わたしは何者か。


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