私は何者か、番外編、a dozen 短歌
空き瓶の六角や丸や長四角どれも磨いてありがとさよなら
抱き合うも背中合わせも底のそこ底が抜けたらひっくり返す
恥ずかしいそんな今さら赤くなるプティトマトの備忘録など
八月の天と土とが鉢合わせ忘れてしまえそんな約束
鰻喰うた阪急三ノ宮駅裏竹葉亭の河井の扁壺
涙が目へ耳へ伝うよその訳は我より出でて我に問うのみ
はっきりと聞いたこともない見たことも市井の記憶と言われ慄く
君はだれ問われ己が影踏みぬくひとりで勝ってひとりで負けて
西空を見たくない日もあるのですその美しく怖き極楽
早炊きが終わりましたと電子音彼待つだけのそんなゆふぐれ
ひぐらしは己のために生まれいづ定義のもとに死んではならぬ
冷やし中華安定している時に食む幸せゆえのおいしさとかね