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不安は人を強くする

不安は人を強くする。
不安があるから、人は努力をする。しんどいことに向き合う。

最近思うこと。
人から相談を受けたとき、安易に安心させる言葉をかけてよいものなのか。
いろいろ考えてしまった挙句、有り体なことしか返すことができなくなる。
人が人に相談をするとき、それは大きな変容を起こそうともがいている途中であることが多いように思います。
その過程は、とてもかけがえのない時間で、今後の人生を大きく左右するかもしれない力を持っている。
その苦しみを和らげたり、その時間を短縮することができたら、きっとその相談者は楽になるだろうし、相談を聞いた人の評価は上がるでしょう。
でも、、、それでいいのでしょうか。

一緒に苦しい時間を分かち合う、苦しい気持ちに寄り添う。
相談を受けるうえで大事なことの教科書的な答えです。
答えはとてもシンプルなのです。
では、「分かち合う」「寄り添う」って具体的にどうしましょうか。
ケースバイケースだし、人それぞれのやり方も違うと思います。
Aさんがやっているやり方をBさんがそのまま模倣しても、おそらくうまくいかないことも多いでしょう。
そもそも他者の体験したことを100%「分かち合う」ことはできるのでしょうか。「寄り添う」ことはできるのでしょうか。
それができていたかどうか、どうやって確認をするのでしょうか。
すべて自己評価の中で反省をしていくしかないのです。

最近私は相談を受けたときに、意識的に“葛藤状態”をそのままにしておくことが多いです。
そうすると、相談を受けた私自身もなんとなくの気持ち悪さ、モヤッとしたものが残ることが多くなります。
もちろん早急に対応が必要な部分はしっかり検討をして、モヤモヤを残す部分とのさび分けはしています。
でもそれで本当にいいのか、私は今大きな不安と葛藤を抱えている。

「不安な時ほど、大きな失敗はしないものだよ」
学生の時に先生が言っていた言葉です。
「自信満々の時の方が、案外あぶないことも多い」
とも言っていました。
不安があるから、人は自分と向き合うことができる、見つめなおすことができる。
不安は人を強くする。

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