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一球入魂で何事もうまくいく説

マルチタスク(英:Multitasking)
いくつかの作業を並行して遂行することで生産性をあげようというもの。この言葉が最初に登場するのはIBM(International Business Machines Corporation=アメリカに本拠地を置く、コンピューター関連のビジネスを展開する企業)が1965年に発表した論文だ。その論文ではIBM System/360というシステムの機能について論じており、いくつかの作業を同時並行に遂行するコンピューターの能力について表現したものだった。その論文以来、人間にもその意味が使われるようになり、今に至るというわけで。

まあMulti(多くの)にTask(仕事)をこなすということで、英語を見たままの意味なのだが、にそのマルチタスクが僕はどうも苦手なのだ。

一度に複数の作業なぞ、まるでできたことがない。作業を同時に進めるうちの片方はおろか、その他諸々がダメになることだってある。大事な連絡のやり取りをしながら勉強をすれば、意識はそのSNSなりメールなりに持っていかれる。音楽を聴きながら勉強をすれば、音楽に意識が持っていかれる。先生の話を聴きながら、授業のスライドの内容に集中できない。どうしたら方マルチタスクがなぜできるのか、僕には理解できない。だから世の人がどのようにマルチタスクをこなしているのか気になったので、僕は(インターネットではあるけど)調べてみることにした。

調べてみると驚きの結果だった。

どうやらマルチタスクは非効率な作業方法らしい。それ以前に、僕が思っていたマルチタスクはマルチタスクとは言えないこともあるようだ。

まあだいたいWikipediaに載っていることではあるのだが、スタンフォード大学の実験によると2つの作業を同時並行で進めた時、その処理能力は50%の割合を維持するわけではなく、両者ともに80〜95%も効率がダウンしていたそうだ。マルチタスクを行なっているときはそれぞれ脳の異なる領域を使っており、その領域を行ったり来たりすることでマルチタスクを行なっていた。つまり、実質的にいえば作業を同時並行で進めているわけではなく、短時間の間に脳の領域を切り替えて、それぞれの作業に集中しているということになる。中にはマルチタスクを平気でこなしてしまうツワモノもいるみたいだが、その例外に僕は当てはまらないようだ。

正直、意外な結果だった。僕は今まで自分がマルチタスクをできないことに、どこかダサさというか”できない自分”を感じている部分があった。だがインターネットで調べてみると、以外にもいろんな記事で「マルチタスクは非効率」といった旨の記述をしているものがたくさんあった。本来であればしっかりその非効率さが証明された論文を読むべきなのだろうが、まあそれはまたの機会にしておくとする。

だって、実際に僕はマルチタスクができないのです。もう実験済みで分かりきったこと。もしその論文でマルチタスクが生産性をめちゃくちゃあげる的な内容が書いてあったとしても、僕はその例ではないとしてきっとマルチタスクを行おうとは思わなかったと思う。何れにせよ「一球入魂」的な姿勢の方が(少なくとも僕には)成果は出そうだ。


自分の中で決めつけてしまっていることは多々あると思う。マルチタスクもそのうちの一つだ。それができなければできない人間だと、僕は信じ込んでいた。でも、ちょっと調べると、そんなことは全然なかった。むしろできないのが当たり前。

だからもしかしたら他にも自分で決めつけてしまっていること、信じ込んでいることはたくさんあるかもしれない。Aと思っていたことが本当はBなのかもしれないのだ。だから自分の思考を一度疑ってみることは大事だし、やってみる価値はあるのかなと思う。もしかしたら見えていなかった事実が見えてくるのかも。

***

ちなみに、音楽はマルチタスクに含まれないとか。まあ確かに、音楽を聴くことによってそれ自体が何かを生産しているわけではないですからね。でも音楽は生産性をあげる可能性があるみたいです。外からの無駄な音を遮断して、目の前のことに集中できるようにしてくれる。僕の場合は、聞き込んだ曲ならそれが当てはまると思います。知らない曲だと、どうしてもそのメロディーや歌詞に気がいってしまって、むしろ音楽それ自体に集中してしまう。


まあ人それぞれ、自分に合った方法ってありますよね。


マルチタスクについて、いいことを知れたと思う。今日から無駄なタブをパソコンでは開かないように、SNSも通知がこないように、机の上には一つの科目やタスクだけをおくようにして、自分に合った効率的な作業の進め方を見つけようと思う。

人間、どこか得しようというか、一気にポーンっとなんでも飛んで行きたくなってしまうところがあります。一気に複数のタスクを終わらせようとすることとか、その例だと思います。でももしかしたらそういう姿勢が裏目にでるように人間はプログラムされているのかも知れません。やっぱり、一段ずつ登るのがベストなのかも。

というか、マルチタスクがGood的な概念は、僕はどこからもらってきたのだろうか。誰かがマルチタスクをできることを公言していて、羨ましかったのだろうか。

まあええわ。


今日も今日とて、目の前にあることをこなしていく。

2019.10.29
おけいこさん

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