【読書感想】ロスト・ケア
ロスト・ケア 葉真中顕 光文社文庫
面白かったよと貸してもらった本。映画版もあるらしいけれどどうやってあの配役であのミステリとしての仕掛けを表現したんだろ……って気になる。
介護・高齢化社会について問題を提起している本でもあった。私は祖母がアルツハイマーで初期の頃親がそのことを受けとめきれていなかったり、夫婦間で介護の負担の分配でぐちゃぐちゃになっていた時期があったので、この本のなかでの犯罪をこの本のなかに出てくる検事のように怒ったりできないなあと思う。あってはならないことだけれども、でもじゃあどうすればいいんだろうね……こうやって思考停止して放置するからわかっていた問題にぶち当たっていくんだろね。家族が壊れそうだったとき私は子供だったけれど、いまはもう大人と言われる年になってしまったからわかっている問題にはいつだってどんなものでも向き合わなければならないのかもなあ、しんどいなあ。