【読書感想】大奥
大奥 よしながふみ 白泉社
長期休み=TSUTAYA DISCASで漫画を借りて読むチャンスだと思っているのでGWによしながふみの『大奥』を借りました!
こちらは最近、NHKでドラマ化もしていた男女逆転版の大奥の話です。もっと前にTBSでもやっていたみたいです。
男女逆転という設定も面白いけれど、江戸の町で噂されていることと城の中で起きていることとの違いみたいな、実はこんな事情があった、とか実は噂されているような人じゃないという描かれ方なのが面白かったな。
例えば生類憐みの令はなんてわけのわからないとんでもない政策だ、こんなものを出すなんて綱吉ってのはどうしようもないなって自分が江戸に住んでても愚痴ると思う。でもマンガの中での綱吉の一生を読んでると、そりゃ将軍としてはあんなもん出すなんてどうかと思うけど、それでも1人の人間としてはそういうしがらみがあるよねえと思ったり。田沼意次の評判についてもそう、そういう裏ではこういうことがあったんじゃないか、とか志を持って幕政に取り組んでいただけとかそういう風にいろんな人の人生が描かれていて面白かったな。
色んな思惑が渦巻く中で忠義を尽くす登場人物たちの話がとてもよかったなあ。中心的に描かれる人たちは将軍であれば国の民たちのためになることを考えていたし、その他の人たちも自分の主人の心意気に惚れてその人のために尽くしていくというさまの美しさは生きててその辺でお目にかかれるものじゃないのでジンときたな。