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双極症、仕事とお金どうしよう問題
前回、双極症に振り回されないための自己管理について、記事を書いた。
双極症はコントロールも可能だと前回の記事では書いたけれど、外的な刺激は当たり前だけど、自分でコントロールすることはできない。
そこで、躁転と鬱転からどうやって身を守るのか。どんな環境に身を置くように意識するのか。今まで意識して気をつけてきたことと、これからもさらに意識していきたいことをまとめてみた。
会社で安定したお金を得るのか、フリーランスで安定した職場環境を得るのか問題
仕事の話をするために、学歴と経歴を。
大学は美大に進学
絵を描くことが大好きな子どもだった。
小学生の頃くらいから漠然と「絵を描いてお金を稼げたら幸せだろうな」と考えていたので、大学は美術系大学に進学。大学では映像の基礎と、アニメーションを学んだ。
双極症を発症し、就活を諦めつつも絵は続けた
その後はCM制作会社かゲーム会社のどちらかに就職できたらいいなぁ、と考えていたけれど、本格的に就活が始まる前に双極症を発症。それからは小売の接客バイトを転々とし、調子がいい時に漫画とイラストを描いて、細々とポートフォリオを作る。絵を描く仕事を諦めきれなかった。
25歳の年で結婚して、夫の収入に助けてもらいつつ生活。本当にありがたい。でも早く自分で自分を食わせたい、という焦りもあった。
徐々に絵のお仕事をいただけるようになる
20代も後半に差し掛かってきてから寛解に近づいてきたので、コミティア(オリジナル同人誌即売会)に頒布する立場として参加したりする。ありがたいことに漫画を気に入ってくださった方から仕事の受注が始まり、徐々に漫画やイラストのお仕事をいただけるようになる。
現在は貯金のために兼業でバイトを始めようとしているけど、絵の仕事は続けたい。
現在はいわゆる漫画家兼イラストレーター(フリーランス)です。
貯金のために、兼業バイトをどこでやるかお悩み中。
社員かフリーどっちにする?
寛解に近づいた今、会社に属するか、フリーランス兼フリーターを続けるのかどうか非常に悩んだ。
お金があることで安定したメンタルを得られることも、身をもって感じている。なので、最低限の生活費で生活しつつ、貯金をすることはとても大切。
だけど、どうやって働く?
私にとって、なにがメンタルを左右する原因になっていて、そうすればそれを回避できるのかを、仕事の面でも考える必要があった。
まず、仕事やプライベートを含めて、なにを優先したいのかリストアップ。
絵を描いたり、ものを作る仕事を続けたい。
8時間労働・週5通勤は外的刺激が多すぎる。特に電車。できれば在宅でも認められる所。通勤を毎日強制されるとストレス。
正社員になればクリエイティブ業界は特に、残業が多い可能性大。残業するにしても、自ら頂いた仕事で残業する方がストレスが少ない。
なので、出来るだけ外的刺激を自分でコントロールできる方が安心。
とはいえ鬱転のリスクを防ぎたいのである程度は外的刺激があると良い。
貯金したい。ある程度は毎月定期的に収入があるとメンタル的に安心。
いつまでもバイトを兼業するのではなく、この先条件のいい業務委託先を見つけられたらなお良い。そのために今は実績をひたすら積む。
いろいろリストアップしたけど。フリーランスを続ける方が、おおむね希望に沿った働き方ができる気がした。
そもそも、関西在住だとクリエイティブ職の選択肢は少ない。
もし正社員でクリエイティブ業界に就職したいのであれば、第二新卒の枠を使えばギリギリ間に合う年齢が今。そう考えると時間がない。
けれども、双極症が少しでも悪化すると、ついつい焦ってしまって不要な行動をしてしまいそうになる。落ち着かねば。衝動に駆られたことで、何度も後悔しているのだから。
そして、2年くらい前から積み上げてきた制作や実績を今振り出しに戻して、社員としてクリエイティブ職に就職することは、それまで掛けてきた時間とお金が勿体無いと感じた。
数週間悩んだ結果、私はフリーランスを続ける覚悟を決めた。
正社員を長年続けてきた家族に言われた。
「このままだと年金、全然もらえないぞ。厚生年金に加入した方がいい」
「一度は正社員を経験しておいたら?」
「フリーランスから正社員に戻った人も多いよ」
と。本当にそうだと思う。いずれも大正解だと思う。
だが、私は大きな病気にかからない限り、一般的には定年と言われる年齢になった後でも働き続けようと思っている。
どれだけ年を取っても、
「おかざきさんだから頼みたい」
「おかざきさんに描いてもらいたくて、作ってもらいたくて依頼した」
「おかざきさんの作品が見たい」
そう言ってもらえるような仕事がしたい。心の底からそう思うのだ。
私は絵描きを志した頃からずっと、自分の制作物で誰かの背中を押すような仕事がしたいと思っていた。
だったら今私は、双極症と真正面から向き合って、コントロールして、できるだけ自分の名前がついた仕事をたくさんしたい。
周囲の人や読者・鑑賞者のためでもあるが、一番は自分のために。
まあでも、それを続けるためにもつつましく暮らさないとね。
今の状況と収入で貯金どうするねん問題
私は双極症が悪化して信じられないくらいの散財をしたことがあるので、ここは重要。以前から散財をしないために決めていることがいくつかあるのでご紹介。
基本的に貯金や節約、使いすぎの防止は、自分の意思ではなくシステムで管理することを心がけている。双極症の方は特におすすめ。
①買い物は基本的に現金のみ。
クレジットは、厳選したサブスクの支払いだけ。電車に乗るためのICカードは現金で入金する。モバイルSuicaは使わない。
「現金じゃなくて、クレジットの方が数字が見えやすいんじゃないの?」と思う方もいるかもしれないが…
躁やうつ状態になると、残高を確認することを怠る。そもそも忘れる。
しかも、クレジットの支払い履歴はリアルタイムで表示されないことがほとんどなので、もし表示されていない間の期間にお金を使い過ぎていたら確実に油断する。油断は躁状態の大敵。リスクはとらないこと。
その点、現金は残高が一目瞭然。財布を見れば良いだけ。
あと、クレジットはお金の前借りなので立派な借金。万が一のことがあれば払えなくなって借金を作ってしまうし、ブラックリスト入りする危険がある。
あと、サブスクは定期的に見直すこと。数ヶ月毎に見たら結構使っていないものも多い。
②貯金をするための家計簿は続かない。
アプリも同じ。見なくなるから。
ズボラとかそういうこと以前に、気分に波ができやすい性質があることを自分で知っているのであれば、お金の習慣は新たに作るのではなく、できるだけ自動化する。
私はこれから試そうと思っているが、貯金は毎月自動で積立されるシステム(いわゆる定期預金)を導入して、生活費に充てて良い分だけをすぐに現金で引き出すことにしている。ある程度は手動でやらないといけないけれど、大体は自動化を意識している。
貯蓄の予定もある程度はAIに考えてもらって、金額を決めたら口座に積立の設定をする。
本当に手をつけたくないお金は、メインバンクとは別の銀行口座を作って、そこに貯金していくのも手。
それぞれの口座の用途をご紹介。
・生活費の口座
現金で引き落とす。食費、日用品費、交通費など。クレカやオリコなどの引き落としもここ。人によっては家賃や光熱費もここ。クレカ、オリコの引き落とし後に生活費を現金で引き出す。
・特別費の口座
冠婚葬祭の参加時、家電を買い替える時、年に2回服を買う時、年に3回の美容院、年に4回の精神科通院に行く時に使う。私の場合、即売会や仕事のための交流会に出るための経費もここ。既婚女性だったら妊娠・出産費用とかもここ。風邪とかで病院に行く時もここから。
生活費の1〜3ヶ月分貯めておくことが目標。使ったらその分補填する。もちろん、使う時は現金で引き出す。
・緊急の口座
急な怪我や病気、双極症が急激に悪化をしたときのために貯めておく口座。生活費の三ヶ月分を貯めておくことが目標。使ったらその分補填する。用途の関係上、よっぽどのことがない限り使わないことが理想。
・やりたいことを叶えるための貯金口座
私はいつかまた海外旅行に行きたいので、そのために貯めておく口座。毎月1万円でも良いのでここに回していく。1年経てば12万円。近い国なら行ける。
③なんとなく商業施設に行ったり、SNSを見ることをやめる。
欲しいものができたとしても、3日間寝かせる。
商業施設も、SNSも、欲しくもない物を買わせようとする工夫がめちゃくちゃすごいので無用な刺激からは逃れるべし。健常者でも苦労するのに、双極症であればなおさら。
外的刺激はできるだけ自分でコントロールして過ごすことが、メンタルの安定や望んだキャリアの構築、やりたいことの実現につながる。
いろいろ紹介しましたが、積み重ねってことですね。
こうしてリストアップをしておくことで、これらができなくなってきた時は「気分が揺らいでいる」と気づくサインになります。
多少の気分変動は仕方ないです。社会的信用を失うことなく、大切な人を守ることができれば大丈夫。もしそれらが脅かされてしまった時は焦らず、ゆっくり休んで通院する。
これを読んでいるあなたも、私も、穏やかに過ごせますように。
P.S 2025年2月20日現在
私の記事の中で、一番反響をいただいております。ありがとうございます。
定期預金の説明をしている箇所あたりを、一部加筆修正しました。