タルトの愛媛探検記:エヒメの地
鬼っ子姉妹とタルトのみかん競争
【この物語は、一人前に成長したタルトと、タルトを支える鬼っ子姉妹を始めとする万象森羅に暮らす人々、そしてエヒメの地をつなぐサイドストーリーである】
タルト「お嬢様方、遠くエヒメの地よりいろいろとフルーツを仕入れて参りました!時期の違うものは瓶詰め保存してあります。」
タルトはそう言うと、テーブルの上に様々な果実を並べ始めた。みかん、キウイ、栗、ブルーベリー...万象森羅の世界では、どれも見たことの無いものばかりであった。
タルト「これはみかんの中でも現地において、宮川早生温州みかんと呼ばれていたものです。外皮は剥きやすく、袋が薄いのでそのまま一口でどうぞ。」
シジカ「こ、これは...今まで食べたことの無いみかんじゃ!」
アザミ「タルト、そのエヒメとは聞かぬ名の地ですわね。どこにあるのかしら。」
タルト「はい、実は緑の国にあるにはあるのですが...」
タルトが言うエヒメの地。そこは遥かな異国の地。万象森羅の世界には無い異世界である。タルトが世界各地を渡り歩く過程で、偶然見つけた異世界への扉。タルトだけが仕入れることができる異世界の食べ物の数々。鬼っ子姉妹は目を輝かせながら、タルトの説明はそこそこに他の果実を眺めていた。
アザミ「タルト、我らもエヒメを見てみたい。案内を頼めますか?」
タルト「はい、もちろんですが、この事は内密にお願いします。あちらの世界はこことは違うことも多く、無用なトラブルは避けたいのです。」
シジカ「なんじゃ、そのような心配は無用じゃ。そうと決まれば早速、エヒメに向けて出発じゃ!」
タルト「かしこまりました。では荷車など、あまり目立たない程度に道具を揃えてまいります。少しだけお待ちください。」
タルトはそう言うと、倉庫に準備しておいた道具一式を運び出し、鬼っ子姉妹と共に緑の国を目指した。