【対談03】本場ニューヨークのデザイナーは、トレーサビリティを意識していた!
丸安毛糸では、コロナ禍以降3年ぶりに海外出張を再開しました。2月のイタリア展示会に続き、3月にはニューヨーク出張へ!今回、ニューヨークへ渡った八嶋さんと片野さんに、「なぜイタリア出張の直後にニューヨークへ行くことになったのか」についてや、実際に行って感じたこと。ニューヨークのデザイナーから見た日本・丸安毛糸の評価などインタビューしました。
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岡崎:
今回のニューヨーク出張は、イタリアの展示会と比べて、お客様の質問とか反応は何か違いがある?
片野:
今回のニューヨーク出張では、お客様とじっくりお話できる時間がとれたことがまず良かったです。
イタリアの展示会だと、ブースへ来るお客様の対応が次々に入って、素材以外のお話をする余裕がなくて…。お客様側も1日に10数社のプレゼンを受けてるので、見るからに疲れ気味というか。用事だけ済んだら、パパッと次のブースへ行っちゃうのですが、今回は訪問して深い話ができたので、行って良かったんです。
岡崎:
どんな話になるの?
片野:
プレゼンに持って行った素材が話題の中心なのはもちろんですが、結構お話ししたのは、うちのホームページのことですね。
ホームページに素材や在庫の情報が載っていると話すと、「見てますよ」と言ってくださるお客様が多いんです。そして、「丸安毛糸はレスポンスが早い」と褒めていただきました。
ニューヨークと日本の時差は約14時間。ビジネスで連絡をとるには、1日1回になってしまうので、この時差が歯痒かったんです。やり取りに時間がかかってると気になってたんですけど、お客様は「レスポンスが早いし、ホームページで情報が載っているので、やり取りしやすい」と言っていただけて。それが嬉しかったですし、メールだけでは受け取れない相手の反応を見ることができて良かったです。
岡崎:
日本の糸や生地に対して、ニューヨークの方達は興味を持ってくれているのかな?
八嶋:
「日本はこの製品が強いよね」「日本だからこういうのあるでしょ」っていうイメージを持たれてるというより、どんなことができるんだろう?って質問を受ける方が多かったですね。
片野:
あとは、糸の産地を気にするお客様もいました。アメリカはトレーサビリティが厳しいので、綿を使った製品を作る場合は、その綿がどの畑で栽培されたのか追跡できないといけない。うちの糸も、日本のどの場所で作られたのか、細かく聞かれる場面が多かったですね。
岡崎:
なるほど。どこで作ってるか分かんないってことじゃなくて、売る側もそういうことを理解してることが大切なんだよな。
片野:
はい。製品の安全性を重視するようになった昨今では、トレーサビリティは欠かせない要素。世界的ブランドほど、この方向性になっていってますね。
(つづきます)