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【第4回/全5回】Win-Win以上の三方よしの新潟展示会
入社14年目(2024年時点)の佐野さんは、糸と編地(あみじ)を心から愛するその在り方と丁寧な仕事ぶりから、ニット工場や取引先から厚い信頼を得ています。また、幅広い趣味や特技を持ち、それらを活かして自ら異業種とのコラボレーションも企画しています。そんな佐野さんも、はじめから色々できたわけではありません。新卒での入社から現在まで、どのように道を切り拓いてきたのか、その足跡を岡崎社長が詳しくインタビューしました。
▶前回の記事はこちら
社長:
では、新潟の展示会は、どんな感じでおこなわれているのかを話してもらえる?
佐野:
ひとことで言えば、『商談かつ作戦会議』です。
ニット工場が、顧客であるアパレルブランドに、次のシーズンに企画するものを提案する、というのが展示会の目的なんですけれども。
去年、こちらのお客様はこういう業績だったとか、
こういうアイテムがヒットしたとか、
いいと思ったものがあまり売れなかったとか、
過去の情報を元に、今のトレンドも合わせて次の企画を提案します。
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社長:
表参道の展示会だと、アパレルだけが対象だけれども、
新潟では、工場とアパレルとが情報交換をしながら作戦会議をして、
顧客に刺さるものを一緒に作って売っていきましょう、という感じだよね。
佐野:
そうですね。
これだったらこんな編地(あみじ)がいいんじゃないでしょうか、じゃあ作ってみます!みたいな。
それでサンプル作って、これで買わせていただきます、のような会話が生まれるのが、ベーシックな流れです。
社長:
作戦会議ができて、それで商談が成立すれば、
うちも糸が売れて嬉しいし、
工場もたくさん生産できて嬉しい、
アパレルもいいものが作れて嬉しい、
というWin-Win…どころか、三方よしが実現するのがこの新潟展示会の良さだね。
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社長:
いま、新潟には年に何回くらい行っているの?
佐野:
展示会2回の他にも、工場の方とコミュニケーションを取るために、あと2回は行くので、少なくても年4回は行ってます。
営業スタッフも含めて3~4人で行きます。
僕も、新潟に行くとプレゼンばかりしているわけではなく、先輩の営業スタッフと一緒に、
「この編地はこのような状態になっているので、糸の使い方としてすごくいいと思います」
のような、アシスタント的な立場でアドバイスもお伝えしますし、いろいろ立ち回っています。
社長:
ただ、買ってください、で終わりではなく、コミュニケーションを取りながらいいお付き合いができている、という感じだね。
佐野:
はい。
それが目指すところではありますし、そのレベルを上げていきたいと思っています。
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社長:
うちで開催しているニットセミナーにも、新潟工場の方々が参加してくださるよね。
佐野:
他のエリアの工場で作られた編地なども見られますからね。
社長:
イタリア展示会で展示する編地を、新潟のニッターさんにお願いするんだけど、
すぐに利益につながるような案件ではないにも関わらず、
「いい勉強になるし、新しいアイディアにつながります」と快く取り組んでくださるよね。
佐野:
はい。
すごく協力していただいています。
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工場の全てが学びです♪
社長:
ふと思ったんだけど、アパレルさんとニッターさんは、同じプレゼンをしても、選ぶものは違うのかな?
何か、見方の違いとか感じる?
佐野:
視点は違いますし、出てくる質問も違いますね。
アパレルの方の多くは、編み方よりも、
見え方や肌触り、雰囲気がちゃんとイメージにマッチしているかどうかなど、ファッション性が一番重要なんです。
一方、ニッターさんは、それをニット工場でいかにロスなくミスなく、生産効率よく作れるか、という目線でご覧になります。
ですから、アパレルがやりたいと思うデザインがあっても、「これ、うちの工場だと厳しいです…」みたいなことも結構あります。
社長:
最初の方の話にも出てきたけど、やっぱりクオリティと生産効率をバランスよく進めるというのが一番重要になってくると。
佐野:
それをスムーズに進める役割が、僕たち丸安毛糸だと思っています。
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編地は作られていきます。
社長:
佐野くんが、新潟工場と一緒に仕事をしていくなかで、一番大切にしているのはどんなこと?
佐野:
アイディアがもっと広がっていくように、ニット全般の知識を増やしていくことは当たり前なのですが、
最近すごく思うのが、「この編地をやりたい!」と思いついた時に喜んで協力してくれる関係性を、ニッターさんと日頃から築いておくことが大切だと思っています。
実際に編んでくださる方々が、僕たちにやってもらって嬉しいことはなんだろう…と考えるとか、
そういう人間関係作りも大切にしています。
社長:
もの作りの基本は、まずは人間関係の構築から、ということだね。
これからも、新潟といい仕事ができるよう、期待しています!
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話は変わるけど……
僕は、佐野くんの結婚式に招待していただいたんだけど、
そこで佐野くんのさらなる才能について、ちょっとスピーチしたんだよね。
佐野:
あ…はい(苦笑)
(次回は、岡崎社長のスピーチの真意と、佐野さんのこれからの目標などをお伝えします)