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【第1回/全5回】チャレンジと、あとは「気合い」と「根性」です。

入社14年目(2024年時点)の佐野さんは、糸と編地(あみじ)を心から愛するその在り方と丁寧な仕事ぶりから、ニット工場や取引先から厚い信頼を得ています。また、幅広い趣味や特技を持ち、それらを活かして自ら異業種とのコラボレーションも企画しています。そんな佐野さんも、はじめから色々できたわけではありません。新卒での入社から現在まで、どのように道を切り拓いてきたのか、その足跡を岡崎社長が詳しくインタビューしました。


佐野 貢士(さの こうし)
製品部 営業部門/2011年入社
ニットデザイン科を卒業し丸安毛糸に入社。糸の可能性に魅入られ、以降、糸一筋。デザイナーと打ち合わせをしながら、最適な糸の選択やニットテキスタイルの提案を行う。工場からの信頼も厚く、現地で展示会も開催。異業種とのコラボも積極的に展開する。素材を扱う専門家として、さまざま可能性にチャレンジし続ける。ロックンロールが大好き。


社長:
今回は佐野くんに、丸安毛糸ならではの取り組みや、
佐野くんが自分で開拓した異業種コラボのことなど、たくさんの話を聞こうと思います。

ところで、入社して何年になるんだっけ?

佐野:
14年になります!

服飾専門学校のニットデザイン科に通っていまして、漠然とデザイナーになりたいな、と思いながら学生生活を過ごしていました。
でも、いざ就職となったときに、たくさんのブランドと関われる仕事ってなんだろう……と考えるようになったんです。

そこから、学校の紹介で丸安毛糸の存在を知り、
糸屋さんっていう仕事は、ファッションに関するいろんなジャンルの人と触れ合う機会が多いことがわかり、「糸の仕事がしてみたい!」と思うようになり、入社させていただきました。

入社から編地ひとすじ佐野貢士!!

社長:
新卒で入ってから、ここまで長く働き続けられた理由って何だろう?

佐野:
丸安毛糸が新しいチャレンジができる場である、からだと思っています。
それと、誤解を恐れずに言うと、「乗っかりたいな」という意識もあります。

社長:
乗っかる?

佐野:
このチャレンジできる環境に乗っかって、自分に何ができるかのかをいつも探せる、という感じです。
毎年何かしら新しいチャレンジをしてるかな、とは思います。

あとは気合いと根性です。


社長:
気合いと根性(笑)。

佐野:
会社から「あなたはこれやりなさい」みたいなことはそんなにないので、自分で「これやってみたいです」と言えないと難しいかな、と思います。
そういう部分での気合いと、やり続ける根性は必要なんじゃないかなと思っています。

社長:
環境は会社に与えてもらう部分もあるけれど、それを実際にやり切るとか、成果を出すという時には、気合いと根性が必要とされるもんね。

佐野:
良い環境を与えていただいている分、厳しい会社だとも思います。

社長:
入社してすぐの頃から、今みたいな考え方をできたわけではないでしょ?

佐野:
はい。
あの、とっても恥ずかしいのですが、ニットデザイン科にいたのに、編み物と糸に対しての見識というのが全然足りていなかったのです。
入社直後は、編地(あみじ)のことも何も理解していなくて。

先輩方からも「何事もちゃんと理解してから仕事をしなさい」というのをずっと口酸っぱく言われていました。
そこで、仕事をしながら勉強を始めました。

社長:
入社してから、糸や編地について改めて勉強を始めたんだね。
当時、うちで一番、編地について詳しかったのは誰だった?

佐野:
圧倒的に大久保さん松井さんですね。
お二人に何かを提出する時は、いつも緊張してました(笑)

当時の先輩方がいろいろな開発をされていく中で、自分も編地への理解が深まっていって、ステップアップできたと思います。


社長:
社外の人ともいろいろコミュニケーションをとっていたよね?

佐野:
はい。
仕事をさせてもらっていたニット工場の営業さんとか社長さんに直接、
「この編地について教えてください!」みたいな感じで、コミュニケーションを取り始めたんです。

そうすると、いろいろなアパレルブランドさんからも、
編地を一緒に開発してほしいとか、こういうことをやりたいんだけど、というニュアンスを投げてもらって、
それを形にしてお戻しする、という過程を経験できるようになりました。

そうしているうちにニットへの理解が段々と深まっていって、いつしか自分でもテキスタイル開発というのが少しずつできるようになりました。
今でも「お客様と一緒に考える」というのは僕の基本のスタンスです。

社長:
最近は、アパレルブランドさんからも、頼りにされているよね。

佐野:
ありがたいことに「こんなイメージがあるんだけど」といったご相談をいただくのですが、ややこしいものも多く…(笑)

でも、だからこそ僕に依頼をいただいたのだと思いますので、一緒に開発していく過程が難しくもあり、やりがいもたくさんあります。

社長:
そういえば、佐野くんは以前、読売中高生新聞に取材されたんだよね。
自分の仕事を紹介するページで。

佐野さんが掲載された「読売中高生新聞」

佐野:
そうなんです。
「毛糸専門商社社員になるには」とありますが、中高生でなりたい人いるんだろうか?と思いながら(笑)

社長からは、
「こんな内容じゃ、うちの仕事の良さが全然伝わらないよ」
と言われちゃいましたが。

社長:
そうだっけ?
全然記憶にないなぁ(笑)

27歳の佐野さん、若い!
思わず見比べちゃう。髪形はこの頃もクルクルヘアー。


社長:

佐野くんは、人前で喋る仕事も結構やっているんだよね。

佐野:
はい。
母校でも講師のようなことをしていますし、社内でもお客様を呼んで、セミナーのようなものを何度も開催させていただいています。
セミナーでは、実際に編む機械を何台も用意して、どういう仕組みで編地が作られるか……のようなことを話しています。

アパレル専門の転職サイト主催のイベントでも、セミナーを開催したことがあります。

社長:
あとは、うちの「教えてターさん」でも、佐野くんがインタビュアーやっているんだよね。

佐野:
はい。1回目からやらせていただいています。
田崎さんは勤続44年の大ベテランなので、すごく勉強になります!


(次回は、編地の魅力の奥深さと、佐野さんが自らアタックした異業種コラボについて、詳しくお伝えします)



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