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【第1回/全2回】初めてタイでの展示会!・・・ところでタイでニットは需要あるの?

今年(2023年)6月29日〜7月2日にかけて、タイのバンコクで開催された「東東京(ひがしとうきょう)モノヅクリ商店街」合同展示会に初参加しました。丸安毛糸では東南アジアでの展示会、初の出展です!今回の出展のためにタイへ行ってきた製品部の井野さんに、展示会の感想や現地での出来事をインタビューしました。

⚫️井野 芙月(いの ふずき)
製品部 企画部門/2021年入社
1年間の高校交換留学をきっかけにアメリカへ大学進学。演劇で衣装デザインに携わる中、ファッションの勉強をしてみたいとの思いから、大学に編入してファッションデザインを学ぶ。大学卒業後は、ニューヨークにある日系の会社で物流やマーケティングの仕事をする傍ら、ファッションデザインのインターンを経験。帰国後に製品の企画を行ってみたいという想いから丸安毛糸へ入社。自社ブランドの企画、プロモーション、ECサイト運営、海外顧客とのやり取りなど幅広い業務に取り組む。


社長:
今回は7月にタイ出張へ行ってきた、井野さんにインタビューしたいと思います。井野さんは前回のニューヨーク出張のブログにも登場してくれました。

井野:
よろしくお願いします。

社長:
井野さんはうちに入社する前はニューヨークに住んで、現地の企業で働いていました。何年くらいアメリカにいたの?

井野:
通算すると、約6年はアメリカに住んでいました。大学はアイオワ州(アメリカ中西部)でしたが、大学の編入や就職でテキサス州(アメリカ南部)やニューヨーク州、カナダの国境のバッファローに住んでいたことがあります。

社長:
アメリカではどういうことを勉強していたか、あらためて紹介してくれる?

井野:
大学ではファッションデザインを学び、卒業後はニューヨークにある日系の会社で物流やマーケティングの仕事をする傍ら、ファッションデザインのインターンを経験しました。

私がニューヨークに住んでいた時期、ちょうどコロナの流行が始まり、世界的なニュースになった黒人差別反対デモを目の当たりにしました。

日本へ帰国後、製品の企画を行ってみたいという想いから、丸安毛糸へ入社させていただきました。自社ブランドの企画、プロモーション、ECサイト運営、海外のお客様とのやり取りなど幅広い業務を担当しています。

社長:
入社して3年目だよね。
今回は入社して初めての海外出張?

井野:
はい、そうなんです。

社長:
井野さんは何度かタイに行ったことあるの?

井野:
今回、初めての東南アジアです!
アメリカにいる時、国内は各地を周りましたが、東南アジアなど行ったことがなくて。出発前は「タイって東京に似た感じなのかな〜」と想像していたら、全然違いました!きらびやかで綺麗なところは綺麗ですが、雑多なところがたくさんある。これまで私が行った国と文化や食事などが違って、とても面白かったです。

空港からホテルへ向かう途中

社長:
うちの会社でタイに出展するのも初めてのことです。
今回はどんな経緯で行くことになったの?

井野:
今回は国際ファッションセンター株式会社様から「タイで開催する合同展示会に出てみないか?」とお誘いいただいたことがきっかけでした。

国際ファッションセンター株式会社様
1991年9月に墨田区、東京都、国(独立行政法人中小企業基盤整備機構)と民間企業(繊維製造業を中核とする中小企業、及びアパレル・商社・金融機関など)を株主とする第三セクターとして設立。「モノづくりの町すみだ」に集積するファッション産業の製造業を中心に、東京周辺の中小企業を広く支援されている。
https://www.kfc-fashion.jp/

井野:
出展のお話をいただいたものの、社内では東南アジアの市場に展開した前例がなかった上に、私自身もタイでニットを着るイメージがわかず...。いろいろ調べてから出展のご返事をすることにしたんです。

社長:
うんうん。一年中高温多湿の気候だから、現地の人たちがニットを着ているイメージはないもんな〜!

井野:
そうですよね。調べていくうちに、タイでのニットの需要が少しずつ分かってきました。暑い気候だからこそ、室内施設はエアコンがとても効いて寒いため、カーディガンなど羽織るものの需要があるということや、タイには王族や財閥といった富裕層がいるため季節感のある衣類を求める方もいらっしゃるそうなんです。東南アジアの経済と市場は伸びていますし、未来を見据えて挑戦してみたいと。直属の上司に相談した上で「タイに行きましょう!」っていう話になりました。

展示会場のようす

想像を大きく裏切られました!
タイでのニットの反応について

社長:
今回の展示会、何社くらいの企業が集まって、一体どんな会場でやったの? 商談は英語が通じるものなの?次々と気になることがわいてくるなぁ〜

井野:
今回の合同展示は、主催の国際ファッションセンター株式会社様のお声がけで、海外販路開拓を目指す日本企業10社が出展し、BtoB向けの商談を行いました。参加企業はアパレルとは限らず、金具、風呂敷、革靴のクリームなどの靴ケア商品を扱う企業など多彩な顔ぶれでした。

出展した皆様との集合写真

社長:
この会場はどんなところ?

井野:
会場となったのは「セントラル・エンバシー」といって、バンコクにある高級ショッピングモールです。2014年に英国大使館庭園の跡地に建設され、国内外のハイブランドが軒を連ねています。モールの中にイベントができる広いスペースがあって、そこを貸し切って合同展示が行われました。

セントラル・エンバシー
「東東京(ひがしとうきょう)モノヅクリ商店街」
合同展示会場

社長:
今回はうちのオリジナルブランド「Punto D'oro.(プント ドーロ)」を展示してくれたんだよね?

井野:
はい、そうです。

Punto D'oro.(プント ドーロ)
2013年にブランドを立ち上げたオリジナルブランド。
「大切な糸への想いを1目1目編み込んでいきたい」との思いから金のように価値のある編み目という意味のイタリアの言葉から引用し、Punto D’oro.と名付けました。1枚のニットは素材の活かし方、編地の表現、最終の加工仕上げと、すべての分野で高い技術が求められます。丸安毛糸だからこそ出来る、それらすべての分野での最高のパフォーマンスが表現されたブランドそれがPunto D’oro.です。

社長:
このブランドは丸安毛糸のオリジナルレディースニットブランド。2013年にパリの展示会から始まって、日本国内の百貨店やセレクトショップで販売していただいてます。
タイって暑いでしょ?現地の人たちの反応って正直言ってどうだった?

井野:
今回の出展のルール上、ブースでの商品の店頭販売ができなかったんですが、モールへショッピングに来ていた通りがかりのお客様たちは「買いたい、買いたい」と感想を言ってくれました。「(今回の出展では)商品の販売ができないんです」とお伝えすると、「えぇ〜っ」と残念そうな様子で。富裕層の方達は値段とか気にせず、気に入ったものはすぐに「これ欲しい」と買い物をされるんですね。

社長:
そっか〜!
私は過去に何度もタイ出張へ行ったことがあるので、現地の気候を知ってたの。暑いよね!「Punto D'oro.(プント ドーロ)ってタイでは合わないんじゃない」って思ってたんだけど、良い意味で想像を裏切られた!

井野:
現地で手伝ってくれたコーディネーターの方が言うには、タイの富裕層は車を目的地に横付けする移動しかしないから、気候に関係なく“着たいファッション”を身につけているそうなんです。むしろ一年中高温多湿な気候だと、ニットのような季節感のあるものを着たがるらしいんです。あと、タイから海外へ行く方が、「旅行先で着たい」と買い求める場合もあると聞きました。

今回の展示には、冷房の強い屋内で羽織る薄手のニットやカーディガンだけでなく、厚手のふわふわした製品を持って行ったら反応が良くて。何がウケるのか、意外と分からないなと感じたのが正直な気持ちです。

社長:
なるほど。展示会場がショッピングモールの中だから、一般の買い物客も立ち寄って「ほしい」って言ってくれてたんだ。その時の気温って何度ぐらいだった?

井野:
30度を超えて、35〜36度ぐらいでした。湿度が高いので、サウナのような感じですね(笑)

社長:
建物をガンガン冷やしたくなる気温だな!たしかに、室内で過ごすには羽織るものもいるかもね。
合同展示の4日間で何社くらいの商談ができた?

井野:
現地のコーディネーターさんがアポイントに動いてくださったこともあり、最終的には7社とお話ができました。他のブースに来た方が私たちの製品を見て「こんなクオリティの高いニットができるのね」と目を留めて下さったこともありました。お客様の中には、タイ全土で有名なブランドのデザイナーさんが来て下さったりしましたね。

井野:
印象的だったのは、私たちの糸を使って「オリジナル商品を作りたい」という熱量でした。今回お話したデザイナーさんの多くが、イメージに合うクオリティーでの製品化がこれまで難しかったようで、「Punto D'oro.(プント ドーロ)」の生地や編み、透け感を高く評価されて、『この生地で作りたいスカートのイメージがあるんだ!』って話が盛り上がったりしました。

社長:
へぇーーーーー!!!
俺、タイで着る洋服って、Tシャツや半袖しか思い浮かばなかった(笑)固定概念が崩れるね〜!!

井野:
さらに、お話しした方の中には、「タイからニューヨークに進出したい」「ニューヨーク向けに商品を作りたい」と考えている方もいて。タイ国内での展開だけでなく、タイから他の国に展開するような提案の切り口もあるんだなって感じました。

社長:
井野さんのニューヨークでの留学経験と、現在の仕事が相乗効果になって広がっていくね。ニューヨークの展示会へ行ったスタッフたちも、ニューヨークでうちの製品を広めたいと意気込んでいるし、お互いの仕事もつながってますます面白い展開になりそう!


(​​第2回につづく(全2回))

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