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【第3回/全3回】長きに渡ってニットに真摯に向き合うこと、それが「ニット道」!

2024年5月21日(火)〜24(金)の4日間、表参道で展示会を開催しました。今回は会社の組織変更後(素材部と製品部が合体しました)初の展示会。その様子を、展示会にも参加した入社1年目ニューフェイスの若名詩織さんにインタビューしました。

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社長:
今回の表参道展示会にご来場いただいたお客様と接して感じたことなどを教えてください。

若名:
どのお客様も、とても楽しみに来てくださっていたので、やっぱり丸安毛糸の糸はすごいんだな、と思えました。
皆さん、常に何か新しいものを求めているということが、よくわかったのは大きな収穫でした。

社長:
展示会を主催すると、直接お客様の話を聞けるからいいよね。

若名:
ベーシックな糸、つまり普通に思える糸でも、見せ方次第でお客様の反応が全然違うこともわかりました。
より理解が深まって、展示会をやる意味、製品を作る意味というのを、しっかり感じられたことがとてもよかったです。

社長:
初めてプレゼンをした感想は?

若名:
自分の言葉で話すことで、私達の仕事は製品を「このデザインかっこいいでしょ!」と売るのではなくて、あくまでも、ニットという専門的なアイテムの中の「アイデアをお伝えすること」だと実感しました。

社長:
実際に言葉にすることで、気付きがあったと。

若名:
はい。今後も、どんな形にしたらこの糸の魅力がより伝わるのか、とか、お客様の作りたい気持ちに応えられるか、ということにこだわって企画していきたいな、と強く思いました。

社長:
いまの若名さんから見て、丸安毛糸はどんな会社?

若名:
面白い人たちが面白いことをどんどんやって、好奇心旺盛な会社です。
現状維持とか、与えられたものだけやります、というスタンスの人がいないんじゃないかな、と思います。

社長:
みんな、何か面白いことないかな?っていつも探しているような感じだよね。

若名:
はい。ですから、私もどんどん好奇心が強くなってくるし、知らないことがどんどん学べて吸収できるし、そこがとても魅力的だなと思っています。

社長:
創業から70年経っている会社とは思えないでしょ?

若名:
そうなんですよね。
社歴の長い田崎さんが、まだまだ何か面白いことあるんだ!みたいなことを先日の朝礼でおっしゃっていて、もうめちゃくちゃ知識欲が止まらないんだなぁ、と思いましたね。

社長:
田崎は社歴40年越えなんだけど、「教えてターさん!」というブログをやっていて。本人もすごく知識欲があるんだけど、さらにそれを後輩に教えていきたい、という欲もあって。残していきたい、みたいな。

今日もそのインタビューをすると言ったら、4人だっけ?

若名:
5人です…

社長:
そう5人、ぞろぞろと田崎について行った(笑)

若名:
みんな、「知りたい!」が強い会社ですよね。

↑ 上のブログは、勤続年数44年、丸安毛糸大ベテランのターさんに、糸のアレコレをスタッフが質問し、それに答えてもらう自由気ままな企画です。

社長:
最後に、若名さんが今後やっていきたいことや、目標を聞かせてもらおうかな。

若名:
まずは何よりも、お客様に何を聞かれても答えられるような製品のプロでありたいです。
さらに、ニットって本当に奥が深いので、自分の知識を増やして、デザイナーさんたちのやりたいことを実現できるようになりたいです。

社長:
作り手においても、残念ながらニットの知識がない人たちが増えているんだよね。
僕たちがどんどん新しいものを作りたくても、それを作り手や編み手に理解してもらえないとだめ。

だから、僕たちは常に作り場に対してもちゃんと話をしなきゃいけないし、売り先に対しても、「こんなことができるんですよ」と丁寧に伝えていかないといけない。

若名:
そう思います。
そのために、自分の知識量を増やしていきたいです。

社長:
うん。
知識と言えば、僕がすごく好きな言葉があるんだけど。エルメスさんの。

エルメスではレザーに何よりも重きをおいています。レザーを知り尽くしたとは決して言いませんが、長きに渡ってレザーに真摯に向き合ってきたという自負はあります。

エルメス特別エキシビジョンLEATHER FOREVERより

社長:
かっこいいなあ、と思って。
あのエルメスさんが、自分たちはレザーを知り尽くしたとは思わない、でもどこよりも真摯に向き合っている自負がある、と。

僕たちも知識で一番になるというよりも、どこよりも真摯にニットに向き合っている、というスタンスを忘れないようにしたい。

若名:
知識も大事だけれど、向き合う姿勢がもっと大事、ということですね。

社長:
そうそう。
たとえば何か間違いを指摘されても、それを認めて「はいすみません」と謝ればいい。

そこからさらに勉強しよう、というのが真摯に向き合おうということだと思っているわけ。
ということを、僕はエルメス先生から学びました。

若名:
良い言葉ですね。私も見習います!

社長:
知識なんて終わりがないじゃん。
さっきの40年のベテラン田崎も、ニットはまだまだ難しいよって言ってるんだから。

どこまで学べばいいんだ、と若い人は思うだろうけど、
そんなの終わりがないからさ。

誰かみたいになりたい、ってなるかもしれないけど、その人も成長し続けるのだから追い付けるわけがない。

そうではなくて、常に自分は誰よりも真摯にニットに取り組んでいるんだ、と思ってやっていけばいい。

若名:
知識の一番なんて目指さなくていい、ということですね。

社長:
そう。
長きに渡ってニットに真摯に向き合うこと、
それが「ニット道」だよね(笑)

若名:
ニット道!!(笑)

もう本当に奥が深いので、こんなに面白いんだよっていうのを突き詰めていったら、多分もう止まらないですね。

社長:
我々丸安毛糸のスタッフが、そうやって面白がって追求し続けていれば、きっとそれって、アパレルの人や一般の人にも届くと思うんだ。

表参道展示会を見ていても思ったけど、
うちのスタッフの対応はすごく楽しそうなんだよね。

それがとてもいい空間を演出できている理由なんだと思うんだ。

若名:
そうですね。
お客様に「これ面白いですよね?!」とお見せしている感じでした。

話が弾み、予定時間を大きくオーバーしました

社長:
それで会話が弾むから、とてもいいよね。
いい意味でファッションの敷居が下がって。
わかった人だけ買ってくれればいいんじゃなくて、みんなに買って欲しいから。

若名:
はい。ニット道、勉強になりました!

(終わりです。最後までお読みいただきありがとうございました)




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