罪の声
どくいり きけん たべたら しぬで かい人21面相
原作は、塩田武士のサスペンス小説。
実際にあった、グリコ・森永事件をモチーフにしています。
※グリコ・森永事件とは…
1984年と1954年に、江崎グリコ・森永製菓・ハウス食品・不二家などの食品会社を標的とした一連の企業への脅迫事件です。
概要は、企業への連続脅迫・拉致事件など。
攻撃手段としては、上記の会社が出している商品に対して毒物混入を行いました。
2000年には、愛知青酸入りお菓子ばら撒き事件の殺人未遂罪が時効を迎え全ての事件の犯罪が終わり、一定期間を過ぎると公訴時効が成立してしまいこの事件は、完全犯罪となり警察庁広域重要指定事件では 初の未解決事件となりました。
小栗旬と星野源が初共演で映画化されました。
平成が終わろうとしている頃、新聞記者である阿久津英士は昭和最大の未解決事件を追う特別企画班に選ばれました。
30年以上前の事件の真相を求めて、遺された証拠を元に取材を重ねる日々を過ごしていました。
その事件では、犯行グループが企業に送った脅迫テープに3人の子供の声を使っていました。
そのことがどうしても気になっていた阿久津。
一方、京都でテーラーを営む曽根俊也は、亡くなった父の遺品の中にカセットテープを見つける。なんとなく気になりテープを再生してみると、そこからは幼い頃の自分の声が聞こえて来たのです・・・。
その声は30年以上前に複数の企業を脅迫して日本中を震撼させた、昭和最大の未解決事件で犯行グループが使用した脅迫テープの声と同じものでした。
主演は、新聞記者役の小栗旬
テーラー(スーツなど紳士服の仕立て屋、洋服屋、裁縫師)曽根俊也役は、音楽家である星野源です。
原作は読んでいないのですが、この作品を観た時に思ったことは企業に送った脅迫テープの肉声を子供の声を使って作ったことです。
なぜ、子供の声を使ったのか。結局事件はどうなったのか・・・。
もし、あなたが何も知らずに当時世間を騒がせた事件のテープの声が自分の声だと知ったら・・・今の生活を続けていけるでしょうか?
答えはきっと、否です。
なぜなら、当時どのようにして声が取られたのか・もしかしたら自分の両親が事件に関わっているのではないか、いつ警察が自分の所に来て任意同行をかけられるか…疑心暗鬼になりとても不安な毎日を送ることになるかもしれません。
きっと元の生活には戻れないと思います。
実際、テーラーを営んでいる曽根俊也は劇中で新聞記者である小栗旬が毎日のように理由をつけて自分のお店に来ることに対してとても嫌な気持ちになっていました。
新聞記者なんかは、事件を面白おかしく記事に出来ればそれでいいわけですからね。
でも、本人は子供の頃とはいえ自分の声が使われていることに対して大人になって初めて聞くことになるとは思っていなかったと思います。
こういう大きな事件の場合、基本犠牲者を出したりする事が多いと思いますが今回は昔の事件のこともありますが、劇中では被害者(殺されたなど)はほとんどいません。
その代わり、星野源演じる役の心理状況などがピックアップされているので印象的に思いました。
映画自体がとてもリアリティーがあり、実際の事件を追体験出来るような感じもしました。
子供という、罪とは何かを知らないのをいいことに使われていることの恐ろしさがあるのもまた怖いなと思いました。
きっと声を使う時も、こういうこと言ってねって軽い感じで言ったのだと想像が出来るので、また少し嫌な気持ちになる映画でした。
ちなみに、この映画でテーマになっているグリコ森永事件は解決していません。完全犯罪です。