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岡山カレー日記4(KNOT Tea&Farm Kitchen)
見た目がソフトで、どこか印象に残らないタイプの人って気をつけたほうがいい。中身はそんなことないから。
ピーチポークのしゃぶしゃぶカレー(1,100円)
ピーチポークってなんだ?
岡山県産豚の商標で、特に桃を食べて育っているわけではない。
ほのかに桃の香りがしますね〜とか、
どんぐり食べる豚よりも、桃食べてる豚の方がエレガント!!
なんて発言する前に調べてよかった。
カレールーは、タマネギ、ニンジン、ジャガイモなどの具が見当たらない。
あ〜なんてシンプル。ルーの量も少なめで、ご飯が多く感じちゃうかもね〜
なんて思いながら食べ始める。「いただきます〜!」
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ピーチポークはせいろ蒸しなのか?
脂身はそんなに多くない。が、繊維がギチギチすることは全くない。
とろけてしまう〜ではなく、ほぐれていく感覚。
そして、桃の味ではなく、純粋に甘い。
甘いのインパクトが強い!
え?見た目、優しい感じなのに、バチ!!っと甘さ出してくる!
ルーとご飯、スプーンの上で3:7を作るのが好き。
少しご飯が多いくらいがカレーの味を冷静にキャッチできる。
2口、3口と食べ進めると状況は変化していく。
あんなに冷静沈着な顔をしていたカレーのルーが、
私の喉の奥に火種を作る。モワモワした燃えるものがある。
あれ、辛い。と思いながら食べ進めると、カレーの辛さは
少しずつ前へ前へと侵略を始める。
え?そんな過激な人だったの??
そうかそのためにあったのか!
ピクルスをいただく。
この辛さを中和して、一度リセットしてくれるに違いない。
口へ運んだ瞬間に、「ブルータス、お前もか!」がやってくる。
酸っぱい!!口中の両脇に走り抜ける酸味。
え〜!かわいい感じで添えられてたのに。
辛さは気付けば、口先までやってきて、定員の見ていないところで
火を吹いてやろうかと思えるところまでやってきた。
ご飯が少し多めに見えたのは、カレーとご飯のバランスを少しご飯多めにすることで、「焦って食べてはダメだぞ!」と伝えてくれてたのだ。
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食後の紅茶をいただく
この店は、とんでもない種類のフレーバーティーを提供してくれる。
ピーチポークのカレーにあう紅茶。
白桃のアールグレイをついつい選んだ。
紅茶はヒリヒリする口中を優雅に流れ込む。
優しさに包まれた瞬間、口中のヒリヒリは呪文が解けたように消えた。
あれ?辛さ・甘さ・酸っぱさの刺激的な体験は、
紅茶という母性によって沈められた。
かのように見えた。
2口目からは世界が変わる。
紅茶が支配する香りの管弦楽が始まる。
口に含んだ時間が長ければ長いほど、
香りは口から鼻へ脳内へ世界を広げていく。
一旦、喉を通り過ぎたのち、開けた口から入ってくる
新鮮な空気に追って到着するフレーバー。
2重奏にも4重奏にもなって口へ広がる。
カレーのことはもう忘れた。
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デザートにプリンがついてくる。
プリンはミルクとバニラビーンズが少しだけきているのか、それと紅茶の味がついているのかわからない。濃厚すぎないがインパクトはある。
紅茶に引けを取らないダンスを踊る。
紅茶のフレーバーを一瞬、ミュートするほどの主張をする。
店員さんの一言を思い出す
紅茶は「カレーとご一緒にしますか?」「食後にしますか?」
そうか、カレーと一緒に紅茶で踊ったなら、どんなだったろうか。
見た目はおとなしいパンク野郎と、管弦楽4重奏。
カレーは、いつでも踊れる準備が必要だ。
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