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不確定日記(髪の毛問題メモ)

当面の問題は髪の毛をどうするかだ。美容院自体は営業するようだが、まだ行く気にはならないだろう。頭髪の色も形もだんだんバランスを失って曖昧模糊としてきた。髪の毛を梳くのが流行っていなかった時代の人たちの写真に似ている。まずは伸びてきた根本を染めようかと染料を買ってきたが、箱を開けたら薬剤にかぶれないか、腕に塗って48時間様子を見ろと書いてある。なかなか根気が必要だ。同じ美容室にもう十数年は通っているので、いつもなら「頭皮しみないですっけ?」「まあまあ大丈夫です」で済む。
バリカンを買うかどうかも迷っている。ハサミで後頭部の形を整えるのは大変そうなので、襟足と耳のまわりを剃ってしまいたいが、失敗して全部剃ることになる気もする。それはそれで爽快かもしれない。髪の毛はどうせまた伸びる。
ただ、髪の毛に関しては自分のものというよりはずっと担当してくれている美容師さんの領分だという感覚があり、私が弄ると後の手間をかけてしまう恐れがある。もっと言えば、ずっと築いてきた、踏み込まれず無言でも平気な距離感の中でいきなりの「いやあ、自分で剃っちゃいました」はフランクすぎるのではないか。そういうハラハラする渡り合いは避けたい。しかし、野放図に伸ばしすぎるのもまた呆れられそうだし、鏡を見る度の私のストレスになる。悩ましい。そしてどちらかというと、遠慮よりは好奇心で剃る方が勝ちそうな気がしている。
今のところ腕に塗った薬剤は痛くも痒くもない。

そんな奇特な