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[職場の基礎代謝®] 持続可能な働き方、できていますか?

今日は約1年ぶりに「職場の基礎代謝®ブラッシュアップ講座」にオンラインで参加しました。

沖縄人材クラスタ研究会発のこのメソッド。
失業率も離職率も高く、あらゆる社会課題が日本でもトップクラスに多いといわれる沖縄県。
いかにして働きやすい社会をつくっていくかという課題に取り組む中で生まれたのが「職場の基礎代謝®」です。


発案者で講師の白井旬さんは、「職場の基礎代謝®」と「経営戦略としてのSDGs・ESG」に関して書籍を発行されております。

キャリアコンサルタントとの親和性も高い、組織開発に関わる学びのため、コロナ前にファシリテーター資格を取得し、年に数回ブラッシュアップや情報交換会に参加してアップデートを重ねています。

ファシリテーターはキャリコン以外にも社労士や経営コンサルタント、組織開発に携わる方々と非常幅広く、それぞれの仕事や立場からこのブラッシュアップ講座に参加しているため、学びをわかちあうことで深い気づきが得られる素敵な機会となっています。


前回の参加は本当に1年前。

このときも気づきが大きく、なんだかうれしそうに感想を書いていますね。このときのわたしの気持ちが、1年経ってどう変わったのか。それを改めて知ることができたのもよい学びでした。

今日は気づきのポイントを3つに絞って挙げてみます。


1.沖縄県人材育成企業認証制度に基づくメソッドである


沖縄県では県の施策で、「沖縄県人材育成企業認証制度」を導入しています。この認証が得られるのはなんと17%程度! 多くの企業がチャレンジしても得られないほど、難易度の高い制度なのだそうです。

従業員(社員)が働きがいを感じ、スキルアップとキャリア形成を行うことができる人材育成に優れた企業を県が認証することにより、企業に積極的な人材育成の取組みを促し、県内の「雇用の質の向上」を図ることを目的としています。

認証の審査基準は、
(1)前提条件(従業員10名以上の規模等)
(2)必須条件(離職率が業界平均と比べ低いこと等)
(3)基本項目(働きがいに関する5分野15項目の過半数クリア
等からなっていて、書類審査の他、従業員アンケートや経営者インタビュー等による実態審査を行っています。

書類審査だけでなく実態審査も含むため、全従業員が「働きやすい」かつ「働きがいがある」と感じる職場でない限り、認めてもらえないということです。

これを分かりやすく分類すると、
①働きやすさ(高)×働きがい(高)=人材育成企業
②働きやすさ(高)×働きがい(低)=人材滞留企業
③働きやすさ(低)×働きがい(高)=人材輩出企業
④働きやすさ(低)×働きがい(低)=人材流出企業
となります。

①が認証企業、②は辞めないけど成長がない、③は成長して独立していく、④は離職が止まらない、ということ。
さてあなたの会社はどれに当てはまるでしょうか?


このような調査や認証制度に基づき、「働きやすさ」×「働きがい」が高いほど、企業の持続可能性や安定性が増し、働く個人のキャリア自律や成長予感を促すことになるという考えに至ったそうです。

それが「職場の基礎代謝®」です。



2.企業は人なり、企業も人なり


基礎代謝というのは、人間の身体の代謝(=メタボリック)のことです。

例えば、この季節は花粉症に悩まされる方も多いでしょうが、そのせいでどれくらい仕事のパフォーマンスに影響が出ているでしょうか?
パナソニック株式会社の調査によると、花粉症による労働力低下の経済損失は、1日当たり2,000億円!?を超えるとされています。
身体の代謝・免疫に不調を抱えていると、どんなに能力が高くてもその実力を発揮することはできません。(能力と実力の違いは前回のnote参照

同様に企業も人に見立てて、情報の流れが悪い=血流悪化、社員の輝きが失われる=肌のハリツヤがない、新たな挑戦をしない=太りやすい・疲れやすい、といった具合に基礎代謝が落ちると組織としてのパフォーマンスも落ちると考えられます。

これが「職場の基礎代謝®」の名前の由来です。
企業は人によって支えられているように、企業も人と同じで基礎代謝が大切であると考えます。

すると、代謝を落とす原因が職場にはたくさんあることに気づきます。
例えば、指示が不明瞭であるために仕事がうまくいかない、取り組むべき課題に対してリソースが不十分、コミュニケーションが不足していて上から下への情報が行き届かず不理解を生む、などです。
すべて“不”とつく状況があるように感じませんか?

つまり職場の基礎代謝を上げるためには、不を解消することが大きなポイントになるわけです。



3.不を解消しないと持続不能に陥る


そこで、何とか不を解消しようという取り組みを、わたしたちファシリテーターは学んでいます。それが「実力発揮マネジメントカード」を使った「不の解消マネジメント®」です。

実力発揮マネジメントカードの体験記録は以前のnoteでまとめてあります。

ライフ&キャリアという大きなくくりから、徐々に職場での気持ち・感情、それが沸き起こる場面やシチュエーションへと細分化し、自分の心の内をカードで表現していくことで、”不”を明確にしていきます。

もちろん”不”があることが悪いわけではありません。”不”を放置することに問題があります。

例えば、こんなケースを考えてみてください。

新入社員が新しい仕事にチャレンジしました。
その結果は、上司であるあなたから見れば及第点だったので、「初めてにしてはよくやったじゃない!上出来だよ!」そう声をかけました。
ところが新入社員は浮かない顔をしています。
そこであなたは「誰でも最初はそんなもんだから。気にしないで次もがんばって」と励ましました。
しかし、数か月後にその新入社員は退職してしまいました。

上司であるあなたは、実は大きな見落としをしています。それは新入社員の感じていた”不”を受け止めていないことです。

及第点は満点ではありません。本人してみれば不十分だったこと、不明瞭だったこと、不理解だったことがあったかもしれません。それが無力感を生み出し、不安感につながっている可能性もあります。そしてこのままでは持続不能(この仕事を続けていくことができない)だと感じていたのかもしれません。
いかに”不”を共有することが大切か・・・こういうケースを考えてみるとよくわかるはずです。

今日の講座では具体的にいくつかの企業の事例を挙げ、どのように解消し、持続可能な職場へと変わっていたのかを聞かせていただきました。

もちろんうまくいった事例の裏には、それ以上のチャレンジや失敗があることでしょう。でもそれを行える環境そのものも、実は働きやすい職場の条件になってきます。

失敗してはいけない、結果を出さなければいけない、無駄を生んではいけないという風土があると、どうしても”不”を抱え込んでしまいます。
”不”をうまく吐き出せる、それを共有し大切な事例として全員で改善に取り組むというサイクルを生み出すためにも、このようなカードワークは効果てきめんです。

熊本県の大手自動車メーカーでは、管理職全員が職場の基礎代謝®ファシリテーター資格を有し、全従業員数百名に対して実力発揮マネジメントカードワークを実施して不の解消に取り組み、働きやすくて働きがいのある持続可能な職場へと変わろうとしている最中だそうです。


わたしもファシリテーターでありながら、”不”を解消するための具体的な取り組みまで落とし込めていなかったことに反省しています。
今日は自分の現状を把握する良い機会となったので、これから不を解消するための具体的目標について考えを整理したいと思います。
そして持続可能な働き方を引き続き模索していくつもりです。わたしにとっての「働きやすさ」×「働きがい」を明示できるよう、じっくりと内省してみます!




今日は全国の仲間とともに学ぶことができ心から感謝しています。
キャリアカウンセラーとしての学びもそうですが、「共にある」ということがどれだけありがたいことか、こういう機会を通じて実感できます。

人とのつながりやかかわりあい、自分事として互いに取り組むことで相乗効果が生まれ、それが他者へと伝播していく―――そんな流れを感じました。

今度、6月にJCDA長野地区会として白井さんをお招きし、職場の基礎代謝®とSDGs・ESGに関する学びをご提供いただく計画で動いています。

近く、会員のみなさまにお知らせできると思いますので、それまでお楽しみに!




明日も佳き日でありますように


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