受容(=acceptance)を考える
C.ロジャーズの傾聴の三原則
「共感的理解」(Empathy, Empathic understanding)
「無条件の肯定的関心」(Unconditional positive regard)
「自己一致」 (Congruence)
これを略して「共感,受容,一致」とも呼びます(受容,共感,一致の順に呼ぶことが多い)。
共感的理解(=共感)は、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする姿勢です。相手の目で見て、相手の耳で聞いて、相手の靴を履いてその場に立って、理解しようと努めることです。
自己一致(=一致)は、聴き手である自分自身の気持ちに誠実であろうとする心構え。素直さや真摯さとも言えます。
ところが、無条件の肯定的関心だけは受容と置き換えられています。
無条件の肯定的関心とは、聴き手は良し悪しや好き嫌いといった評価判断をせず(無条件に)、相手の話やその背景に肯定的関心を持って耳を傾けることです。これにより、話し手は安心して気持ちを話すことができるため、その様子がまるで聴き手に受け入れられるかのようだから受容と呼ぶのでしょう。
しかし、
無条件の(=Unconditional)
肯定的(=positive)
関心(=regard)
ですから、
受容(=acceptance)
とは意味合いが異なるんですよね。
そこで、acceptanceについて調べてみました。
なるほど!
自分の話を否定(肯定も)せず、ただありのままに聴いてもらえる---というのは、受容であり承認なのかもしれません。
その点ではacceptanceは言い得ていますね。
では、C.ロジャーズは何と言っていたのでしょう?
原文にあたったところ、以下のような表記を見つけました。
実はロジャーズ自身、「listening acceptantly=受け入れるように聞く」と言っているんですね。
ですからこの部分を訳せば、確かに受容となるわけです。
ただし、受け入れるように聞くためには「無条件の肯定的関心」が前提条件となるわけです。
つまり、「受容は態度」「無条件の肯定的関心は条件」なんですね。
これまで自分でもよく使っていた言葉なのに、その意味をきちんと理解していませんでした(汗)
これからは「無条件の肯定的関心」を意識して、「受容的態度」で臨むよう心がけます。
明日も佳き日でありますように