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「わたしさえ耐え忍べば」という美徳に縛られる

わたし自身がこのタイプなんです。

「わたしさえ我慢すれば…」
「わたしが耐え忍べば…」
「いまだけ耐えれば…」
と自分を言い聞かせて、辛くて苦しい状況でも「助けて」と言えない…
そうやってため込んで、ため込んで、ため込んで…
結局は心身を壊してしまいました。

その経験があったからこそ、キャリアカウンセリングに価値を見出し、『傾聴だけでも人を救うことができる』と信じて、物事に真摯に向き合ういまのスタイルにたどり着けたのかもしれません。

でもそれは後から意味づけしただけであって、耐え忍ぶことを美徳としていたわたしの自己概念を否定することなく容認しようとするために、視点をずらしただけの姑息(一時しのぎ)な手段なのかもしれません。そう思うと、やっぱり人は簡単には変わらないのかな…と気が滅入ってきます。

例えば、本当に忙しくて苦しい状況になっても、わたしは弱音を吐くことはしないでしょう。「これもまたチャレンジ」と思って前向きな意味を見出して乗り越えようとするでしょう。
とてもポジティブで責任感のある立派な姿勢に見えなくもありませんが、裏を返せば一人で抱え込んでいるだけで周囲に助けを求められないという欠点でしかありません。

その根底には、
「どんなに苦しくてもわたしが耐えればいいだけだから」
「いまここで投げ出したら他の誰かに負担をかけてしまうから」
「迷惑をかけることはよくないことだから、自分が我慢すればいいんだ」
という不健全な自己概念があるからです。

こういうわたしの自己概念は、幼少期の経験が大きく影響しています。

その両親に迷惑をかけたことから、上位者・年配の方には逆らってはならぬ、従わねばらなぬという借り物の自己概念を生み出してしまったこともあります。素直でいい子であろうと自分を抑えてきた時代もあり、教員らしい人柄や振る舞いであらねばならぬとしてきた時代もあります。

「わたしが耐え忍べばよい」というのはイラショナルビリーフ(誤った信念)です。それを“美徳”と称してよいものと思い込むことで、親に迷惑をかけた事実から目を背け、従順な人を演じ切ってきた・・・そうやって自我を保ってきたのだと分析しています。

この信念はわたしらしさの一部(自己概念)として確立されているため、そう簡単には変えることができませんでした。
それこそ苦しい思いをしてどうしようもないくらい追い詰められたときに、救いの手を差し伸べてくれた方々のおかげで、ようやく人に頼る術を身につけることができました。

そこでたどり着いたのが「信じる」という新たな概念です。
相手を信じること、自分を信じること、そして自分が提供するものの力を信じることを、自分のラショナルビリーフ(正しい信念)として上書きしたことで、やっと「耐え忍ぶ」ことから少し解放されたんですね。

でも、いまだに気がつけば耐えようとしてしまいます(笑)
我慢強さや粘り強さを長所として捉えている限り、これは一生変わらないと思います。
とはいえ、以前のような苦しいものではありません。
自分が耐え忍ぶことで新しい可能性に出会えたり、本当に苦しかったら助けを求めればいいので自分の限界を知るためにチャレンジしてみようという、非常に前向きな意味づけへと変わりました。

特にCDA・キャリアコンサルタント・ファシリテーション・コミュニケーションという活動でつながった仲間は、わたしにとってかけがえのない存在です。みなさんとの出会いと関わりのおかげで、わたしが「信じる」という信念を育むことができたと感じています。

いまのわたしは、教育・キャリアカウンセリング・ファシリテーション・コミュニケーションのプロフェッショナルとしての自分を確立すべく研鑽する毎日を送っています。
どの活動にも、「信じる」という熱いエネルギーが流れ、根底でつながっています。そうやって築き上げたわたしのスタイルは、唯一無二のわたしらしさとして実りつつあります(と信じたい…)。
そういう意味では、耐え忍んでよかった…のかもしれませんが、自分を抑え込むような苦しさはもう味わいたくないかな(笑)

これからは、耐え忍ぶという美徳から解放されて、仲間に頼って頼られて、相互作用でよりよいものをつくり上げるスタイルで行きたいですね。もちろん「信じる」という信念を胸に抱いて……ねっ!



#明日も佳き日でありますように
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