自由の価値観を守るために―香港の自由を守るために―(前編)

・香港の自由を抹殺しようとする中国共産党

 今年になって急速に進んでいる中国共産党政権の自由に対する弾圧は日に日にその範囲を広げ、私たちに自由のありがたさを感じさせる一方、そのやり口は非道でかつてのナチスやソ連を見ているようだ。

共産主義を標榜しながらも資本主義による成長を続け、経済的自由を拡大し貧富の差を生み出しながら、政治的自由を一切認めず自国民を殺害してまで意見を封じる。自らの統治を正当化するために自由主義勢力を弾圧し多民族を攻撃する様は前近代の王のようでその文明国として思想状況の遅れは顕著だ。再び帝国を築こうとする中国共産党の目論見は日本にとっても大変な脅威だ。

 今回逮捕された民主派の人々は開かれた自由の価値観に強く共感し、それを閉鎖的で独善的な不自由で包もうと考える中国本土から香港を守るために活動していた。

しかし、その抵抗もむなしく事態は急変し香港の民主主義は完全に否定され、一国二制度も崩壊、今年の秋に予定されていた立法院選挙も延期となり、自由と民主主義の価値観に共感している人々の勢いは着実に削がれている。このままでは香港やウイグルの独自の価値観は破壊されその波は今度、台湾に向かうのではないだろうかと危惧する。この横暴をどこまで許しておくのかという瀬戸際に国際社会は立っているのではないだろうか。

・行動で示す

 各国は中国に遺憾を表明しさらに制裁行動に動くことでその意志を強く、また形をもって内外に表している。日本も今回の逮捕の報道を受け政府が遺憾を表明しているが、これだけではどうにもならない。だからと言って断交して一切の交流をなくそうということは当然できるわけがない。事態は簡単には動かせないだろう。

だからこそ日本は遺憾の意の表明以外にできることを探すべきだ。アメリカに追随してTikTokを規制するのもいい案だろうし、ファーウェイなどの中国企業への対応を強めるのもいい。

 さらに領海侵犯に関しては国際法に則り威嚇射撃をするなど日本国の主権の及ぶ範囲である領土だからこそ遺憾の意だけではない一層強い行動が求められるのだ。イージス・アショアの撤回を受けて敵基地攻撃能力を持つかどうかで様々な意見があるがこれを機により深く国防論議を進めてもいいのではないかと考える。

 自由の価値観を守るために中国と領土問題を抱える各国に呼びかけ包囲網を組み漸進的に圧力をかけていくのもいい。しかし、これはアメリカ主導でやるのもいいができることであれば日本がアジア各国を主導して包囲網を形成、協力して圧力をかけていくことが望ましい。

歴史上極東に強国が二国共存できた時代はない。だからこそ協調できず他国の主権を自らの軍事力・経済力を背景に攻撃してくる勢力はその攻撃的な性格上周辺地域に緊張を生むため勢力を削がなければならない。これは地域安定のためそして平和のために必要なことなのだ。日本は行動で示しアジアを主導し包囲網を組み圧力をかけていく必要がある。

 私の近所では最近「九条を守る会」の老人たちが安倍政権は独裁だとか敵基地攻撃能力を持つことは平和に背く意思だとか言っていたが、これらの意見こそが平和に背く行為であることはもはや明白で行動しなければ中国によって世界の平和は乱され、日本もより一層危機にさらされることになるのだ。どのような心持ちで活動しているかは知らないが、高齢者を武漢肺炎蔓延する今日の暑い昼間に日向に立たせて埒外な発言をさせる九条の会の道徳感の欠如には、、、。本人たちの意思であれ戦後政治の誤った認識と思想の怠慢が生んだ実情は物悲しいものを感じざるを得ない。

後編に続く


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