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ぼんち 「価値」と「価格」を両立させた改定で消費者に問う!

 ウクライナ紛争ぼっ発以来のコスト暴騰から、多くのメーカーが改定を繰り返した。同社でもコロナ禍に2度の価格改定、昨秋も価格上げを実施したが、他社同様、上昇したコストの補いはできていない。さらに現在、米菓業界は昨夏の高温障害による厳しい原料米不足に見舞われており、これまでの改定の結果を検証し、多くのメーカーは新たな改定にチャレンジする。

 昨秋までに3度の改定を実施したぼんちも、今夏8月に12アイテムの改定をおこなう。コストプッシュ型のインフレ下で、消費者は馴れてきた、という声もある一方、生活防衛意識が高まっていることは否めない。消費者の理解が得られる「価値」と「価格」を模索した改定だ。

 「例えば、一昨年に6枚入りから5枚に減量した大判の『味かるた』、『辛子明太子大型揚せん』のパッケージを変更した上で6枚入りに戻し、販売価格を200円前後に維持できるように値上げする。また海鮮シリーズ3品中の『うに揚げせん』を、うにダレを改良して品質のグレードアップを図って値上げ。改定の内訳は、値上げ分は平均6〜7%、減量対応分では百均物など平均8〜9%減らす。

 一方、販促面では、YouTubeやSNSを活用したプロモーションの新たな取り組みが注目されている。

 「お菓子の本場であるフランスで、日本のお菓子や食品を、現地の若者に食べさせて感想を聞き、日本の食文化を伝えるWeb動画に注目した。その中で『ぼんち揚』を紹介した際の視聴回数が50万回を突破。これを実際、日本で検証したインタビュー動画を作成。フランス人が初めて食べた『ぼんち揚』の反応や感想は新鮮で、日本人にとっても『ぼんち揚』に興味がわく仕上がりになっている。商品パッケージには動画が視聴できるQRコードを掲載。SNSの広告訴求も含めて6月下旬〜7月で露出を広めていく予定」だ。世はSNSの時代である。この新しい取り組みによる海外、また国内の若い視聴者の注目は、新たな需要発掘に繋がると期待する。

 また、昨年、日本シリーズを38年ぶりに制した阪神タイガースの公式グッズに、『ぼんち揚』が今春採用され、『阪神タイガースぼんち揚』を発売した。ファンは「夢のコラボ」と評判は上々だ。さらに、タイガースのホームグラウンドの甲子園が、今年8月に開場100周年を迎える記念で、7月15日から『ぼんち揚 甲子園カレー味』も発売。一般チャネルとは違う露出効果も楽しみである。

 秋の需要に向けた恒例の消費者キャンペーンも、現在詰めを迎えている。
 「今回の改定に関わらない主力の『ぼんち揚』や新製品、『ピーナツあげ』などで、10月以降の需要期に向け、9月始め頃から順次発売やキャンペーンをスタートさせる」

 また、諸コストが暴騰する中で、お高めだが高品質を訴求する『やみつき米香』シリーズ3品を一昨年に発売したが、今秋も地道なサンプリングで定着を図っていく。


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