アキヤマ 安心・安全・高品質で 市場にアプローチ
昨年度は、記録的な暑さが続いたこともあり、同社のポリドリンク、ポーションゼリーは、どの製品も軒並み前年以上の売上を見せた。
今年度も猛暑が予想されているので、流通からの引き合いは、現状強めに来ている。ただし、さまざまな原材料や包装資材の値上り、人件費の上昇、エネルギーコストの高騰などにより、3月に製品の値上げを行った。その影響が今後どのように出てくるか、不安な部分はあるものの、5月までは、前年に比べて、売上数字は好調に推移している。
同社製品の原材料の中心は果汁で、その多くは輸入に依存している。そのため、円安の進行は、同社にとって重大な関心事である。果汁の原材料価格は、例年10月から12月に価格交渉を行っており、本年度は昨年決定した価格で取引しているので、問題ないが、今秋以降の価格交渉に為替相場がどのように影響するか、不安要素が残る。
今夏の製品展開は、主力製品群である『メン子ちゃん』ブランドを中心に販売を行う。同ブランドは、1975年に発売されたロングセラー商品『ミルちゃんフルーツ』をはじめ、『メン子ちゃんミニゼリー』『メン子ちゃんドリンクゼリー』『コアラ学園シリーズ』で構成される。いずれの製品も、品質の高さで、流通、消費者から高い評価を受けている。
製品のプロモーションとしては、例年、東北6県および新潟県のローカル局で、主力製品のTVCMを放映しており、このエリアでの製品知名度は特に高い。またTVCMと同様の内容を、YouTubeにアップしており、全国に向けても製品の魅力をアピールしている。
同社は、2021年に同業他社に先駆けて、FSSC22000を認証取得している。これは、ISO22000を追加要求事項で補強した、より確実な食品安全管理を実践するための、マネジメントに関する国際規格である。この規格を取得するには、2段階の厳しい登録審査に合格する必要があり、次の更新審査までの間、2回の定期審査をクリアしなければならない。規格の認証条件を維持するためには、かなりの管理コストがかかってくるが、同社では、安心・安全で、高品質な製品を消費者へ提供していく上で、必要なコストと捉えており、今後も規格の認証条件の維持・管理に努めていくとしている。
また、この規格の更新審査の時期が、来年の4月となっている。この規格は認証条件が毎回バージョンアップされており、今回はSDGsに関する取り組みが条件に含まれているという。そこで同社では、来年4月に向けて、サステナブルや環境に配慮した取り組み等について、現在鋭意検討中とのことだ。