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体にやさしく心をいたわるお菓子 ウェルネス特集①

 心身のケアや健康維持に期待ができる成分を、多く含む食品、いわゆるウェルネス系食品が続々と登場しており、適用範囲の拡大と細分化が、加速度的に進んでいる。こうした状況を背景に、今号では、美容を中心に女性の健康作用に期待ができるお菓子や、アレルゲンフリーを前提としたお菓子・食品について取り上げる。前者は、コロナ禍明けから急激に人気が回復しているもの。後者は、食品の安全安心を担保する視点から、ますますその重要度が高まっているものである。

心身のリフレッシュが期待できるお菓子

体の状態に合わせた製品を提供

 女性を意識したウェルネス系食品で、最近その数を増やしているのが、購入希望者の体の状態に合わせて製品を提供する、いわばカスタマイズ型のサービスだ。Web上に設定したアンケートフォームなどを用い、購入希望者の現在の体調を把握した上で、適すると思われる製品を勧める。

 アンケートといっても、簡単な問いに数問答える簡便なものから、詳細かつ多岐にわたる設問に答えるものまでさまざま。中には、分泌物などのサンプルを購入希望者から受け取り、然るべき機関で解析し、その結果をもとに製品を提案するというスタイルまである。

 『カロリーメイト』や『SOYJOY』などといった、栄養補助食品を販売している大塚製薬は、日々の栄養状態を手軽にモニタリングできる『Vivoo(ビブー)』(写真①)を提供している。2020年にアメリカで誕生した『Vivoo』は、現在では100カ国以上のユーザーに使われており、日本では、大塚製薬だけが販売している。

写真①


 使い方は至って簡単。まずスマートフォンに、専用アプリをダウンロード。専用のストリップに尿をかけて、90秒待つ。その後、アプリを起動してストリップをスキャンすると、人工知能と画像処理技術で自動的に分析。測定結果とアドバイスを受け取ることができる。

 測定項目は、水分レベル、食塩摂取量、肉/野菜バランス、ビタミンC、骨の健康にかかわるミネラル、酸化ストレスの6項目。これらの測定結果とともに、管理栄養士が監修したアドバイスが送られてくる。定期的にテストを行うことで、状態の変化を確認でき、選択した2つのテスト結果を比較することによって、過去の状態と現状とを客観的に見比べることができる。

人気のグミやキャンデーにも健康志向

 昨今の健康志向型菓子・食品の傾向として、女性全体のデリケートな身体機能に寄り添う製品、いわゆるフェムケア製品の増加が目立つ。

 女性が毎月感じる「心のゆらぎ」に寄り添うノンシュガーキャンデー『いたわりプラス』(写真②)は、扇雀飴本舗の製品。やさしい桃みるく味の、このキャンデーには、トリプトファン(28㎎/1製品当たり)とビタミンB₆(5・0㎎/1製品当たり)が配合されており、女性が気分の晴れない1週間も自分らしく過ごせるよう、配慮されている。

写真②


 アトリオン製菓の『ハイレモングミ』(写真③)は、すっきりとしたレモン風味が好評。コラーゲン(3500㎎/一袋当たり)とビタミンC(279㎎/一袋当たり)を配合しており、美味しさ、楽しさ、健康観を提供する製品となっている。

写真③


 三幸製菓の『もちきゅあ』(写真④)は、米粉を使用した餅のようなグミで、もちもちとした食感が楽しめる。しかも、女性が不足しがちな鉄分(3・0㎎/一袋当たり)やビタミンB₁を配合。また、食品表示基準により定められた、アレルゲン特定原材料を含んでいない(ただし、本製品は、えび、かに、小麦、卵、乳成分を使用している工場で生産)。

写真④


 『オランダせんべい』が好評を博している酒田米菓(山形県酒田市、佐藤栄司社長)は、女子マーケ部との共同企画で、『美ちっぷす』(写真⑤)を発売した。

写真⑤


 女子マーケ部とは、社外アイデア企画室㈱が運営するコミュニティで、アラフォー女子2000人以上が所属している。入会費・年会費は無料で、オンラインのみで完結するシステム。企業の製品企画に参加したり、製品モニターなどを行う。

 同社は新製品の開発にあたり、女子マーケ部に意見を求めたところ、「美容」と「ローリングストック(備蓄品)」という2つのキーワードが浮かんできたという。

 そこで、前者については、かぼちゃパウダーやイヌリンパウダーを用い、食べ応えがありながら、食物繊維も取れて体にやさしい新感覚のお米の薄焼きチップスにした。後者については、常温保存で賞味期限を6カ月とし、ローリングストックを前提とした備蓄品として用いることを可能にした。


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