御社のDX拝見! エートゥジェイ、 食品EC売上UPの対処方法ユーザー不満調査を分析
クラウド型ECプラットホームを提供するエートゥジェイ(東京都港区、飯澤満育社長)は、食品関連の通信販売サイト(以下、ECサイト※)で、過去5回以上製品を購入したことのある20代から50代の男女200名を対象に、ユーザビリティやサービスの仕組みに関して「不便・不快に感じたことがあること」について調査。その結果を踏まえ、これまで100社以上のWebサイトをサポートしてきたノウハウを基に、ECサイトの改善につながるポイントを紹介している。
まず、調査結果全体を見ると、送料やサイト情報に関する不満が上位を占めていることから、食品業界特有の冷凍・冷蔵による配送料金の高さや、平均製品単価の低さから送料割合を大きく感じやすい点がデメリットになっていると窺える。食品業界は多数品目を取り扱うことが多く、情報整理の難しさを解消しきれていないことが、顧客満足度の低下につながっている結果となった。
1.送料に対する不満
ワースト1位には「送料の負担」23・0%、ワースト2位には「送料のルールがわかりづらい」16・5%と、上位が送料関連の不満という結果になった。
食品ECの特徴として、「重量が重い」「冷蔵・冷凍配送が必要」「平均製品単価が安い」という3つのポイントがある。こうした特徴から、安価な配送システムが使えなかったり、使えても適用する製品が異なり、配送ルールが複雑になってしまったりと、顧客満足を高めようとするほどルールが複雑になっていく。ルールが複雑化している場合の根本的な解決策はルールをシンプル化することだが、複雑であっても1ページで送料やルールが網羅されているページを作り、ユーザーに理解してもらえるようにしておくことが重要だ。
注文後の在庫切れによるキャンセルは、ロイヤリティの低下に直結し、今後再購入されない可能性が高いので絶対に避けなければならない。サイト構築時にしっかりと在庫とECサイトの連携を図るよう設計することが重要だ。
2.サイト内容情報不足に対する不満
ワースト3位には、「製品情報・説明が少なすぎる」15・5%と、サイト内の情報不足に関する項目が入った。送料の不満は配送会社との交渉が必要で改善できない可能性もあるが、サイト内部の情報は対応が可能だ。
製品写真の点数を多くし、シズル感を出すことを徹底する。利用シーンを意識した製品写真を複数用意することもおすすめ。トレンドとして、UGC(User Generated Content=ユーザーによって作られたコンテンツ)を活用して商品イメージを訴求することも増えてきた。
原材料や基本情報はしっかりと明記することが重要。製品に対するポジティブ、ネガティブ双方のコメントを把握し、製品説明に反映する。事前にネガティブポイントを理解・承認した上で購入してもらうことで、事後の返品やクレームを減らせる。
3.サイトの情報設計に関する不満
ワースト4位に、「カテゴリが多すぎてどこを見るべきか迷う」15・0%と、サイト内の情報設計に関する項目が入った。
ユーザーが目的のページまで、多くても3ページで行ける「3ページルール」を心がけると、使いやすいサイトになる。サイト内のボタン、アイコン等の色味や場所は、レギュレーションにより統一してデザインする。
意外と設定してしまいがちなのが、検索カテゴリを業界的な用語や自社用語にしてしまうこと。ユーザーにはわかりにくく、コンバージョンの低下につながる。例えば、ジャンル・食材・用途などの「何から探すか」をカテゴリ設計時に用意すると良い。また、カテゴリ検索結果で上位に「在庫切れ」の製品が表示されるとユーザーの落胆に直結しやすいため、システムで回避する必要もある。
近年は、チャットやSNSを利用した問い合わせが増えてきている。Q&Aやガイドを拡充し、チャットポットによる解決方法をユーザーに提供することで、ユーザー自身で問題を解決できる環境作りも可能だ。
4.サイトのルールに関する不満
ワースト5位は、「複数購入や購入する製品の組み合わせによる割引ルールがわかりづらい」14・5%と、配送や割引ルールに関する項目が入った。
送料や組み合わせによる割引、近年増えている定期サブスクリプション購入などについてのルールは、なるべくシンプル化することが重要。購入を検討している製品ページ内に、送料や割引ルールが網羅されているかを確認すること。
なお、本調査の内容と分析の詳細については、次のQRコードからダウンロードできる。
またメルカートでは、無料のWeb相談会を実施し、EC事業にかかわる商品企画やマーケティング、物流まで幅広く相談を受け付けている。
※ECモールを除く通信販売サイト