2024年の「母の日」「父の日」をクレオが時系列分析で予測
クレオは、「時系列分析で予測する2024年の母の日と父の日」と題したレポートを発行した。生活者の変化とクレオのオリジナル調査の時系列データ分析の結果から、「母の日」「父の日」の意義や役割の変化を明らかにしつつ、2024年の「母の日」と「父の日」の提案ポイントを考察している。
【時代の変遷と母・父の役割変化】
「夫は外で働き、妻は家庭で家を守るべきである」という考え方に対して「賛成」「どちらかといえば賛成」の割合の変化をみると、1979年から2019年までの間に半減している(図1)。
価値観の変化に伴い、働き方も変わってきている。
専業主婦世帯数と共働き世帯数の推移をみると、1980年時点では専業主婦世帯が共働き世帯の約1.8倍だったが、2022年には共働き世帯が専業主婦世帯の約2.3倍となり、逆転した(図2)。
男性による育児休暇取得率は1996年にはわずか0.12%だったが、2022年には17.13%となっている。今後も取得率は増えていくことが推測される(図3)。
【アンケート調査結果から見る母の日と父の日の変化】
「母の日」の実施率は減少傾向となる一方で、「父の日」の減少幅は限定的(図4)。それに伴い、「母の日」と「父の日」の実施率の差も少なくなってきている。
「母の日」「父の日」ともに、ギフトの贈答が減少し、家での食事が増加。共働きなどで男女ともに日頃忙しい昨今、「母の日」「父の日」が家族とゆっくりコミュニケーションをとるための機会となっているようだ。
独身者は当たり前ではあるが、ほとんどの人が自身の親へギフトを贈っている。一方、既婚者は親、特に義親へのギフト贈答が減少する一方で、妻や夫へのギフト贈答が増加している。家で食事をした人がお祝いをした相手は、ギフトの贈答と概ね同様の傾向が見られた。
同社が実施した2023年の「母の日」と「父の日」の食卓写真調査でも、「妻・夫」あるいは「自分自身」を労う食卓が登場。例えば、「母の日」に家呑みを楽しむ食卓、「父の日」に妻が企画して一緒に外食をするなど。
【時系列分析から予測する2024年の「母の日」「父の日」】
「夫・妻」「母・父」というジェンダーの意識の垣根が薄れ、家族の中における役割・位置づけが変わってきている。特に既婚世帯においては「母の日」「父の日」が、従来の「家事をする母・仕事をする父に感謝する」日から、「仕事・家事を協働するパートナー(と自分)を労う」日としての色合いを強めている。また、仕事・家事の日々で忙しいからこそ「家族団らんのきっかけ」として重宝されるようになっている。
2024年の「母の日」「父の日」はどうなるか。2023年は新型コロナウイルスが5類に移行した直後だったため、社会の動きはまだ本格化していなかったが、1年経った現在、出社や人との交流など社会活動がコロナ前のように活性化してきており、忙しさも増している。結果、2024年はより一層「協働パートナーと自分を労いたい」という意向が高まりそうだ。