記憶の扉が開く時
クリスマスツリーが観音扉を開けるのだ
先日、家族でウオーキングイベントに参加した。
原宿駅から赤坂まで、2時間強かけて(ちょい寄り道したせい)都心を歩いた。
東京都の端っこ生まれ育ちだが、もともと、人混みは好きではないので、必要に迫られない限り、都心は行かない。
ということで、今回も何年振りか、15年以上か?という感じで、表参道や青山通りを歩いた。
もともと行かない上、前回も遠い昔なので、その辺りの土地勘・建物勘は皆無。
名前は知っている高級ブランドの趣向を凝らしたショーウィンドーに見とれつつ歩いた。
と、素敵なクリスマスツリーに目が止まり、そこにつけられたブランドロゴに気が付いた。
あのクリスマス?ホワイトデー?といえば、のハートのネックレスのブランド(水色の箱の)。
ここにもお店があるんだ、と背後を眺めたら、そこにはカフェがあった。
あれ、このツリーにはブランドロゴがあるのに、カフェ?
カフェとは別に、このブランドの店舗があるのかな?と、立ち止まって建物をよく見たところ、その建物の構造に見覚えが。
そして、一気によみがえったことがあった。
(余談だが、ずっと思い出すこともなかった出来事が、ちょっとしたきっかけで、観音開きが開いたみたいに、一気に脳裏に現れるのって驚きだ)
遡ることウン十年前くらい。
友達が某化粧品メーカーのクリスマスツリー点灯イベントに当選したので一緒にどう?とお誘いをくれた。
点灯ゲストに人気のモデル(タレント)が来るという。
夕方からのイベントで、ちょっとした食べ物がでて、化粧品のサンプルなんかのお土産も貰え、美容部員さんのメイクも体験できるらしい。
(あと、抽選会とかあったんかな? その辺りはあいまいだ)
ともかく、そのような華やかな場所には当時から縁がなかったが、食べ物も出るし(笑)、興味はあったので、ありがたくご一緒することにした。
一応、いつもよりは化粧と服装に気を付けてみたりしてね。でも、たかが知れてるが。
で、そのときが、初めて、これがそこだと意識しての表参道、だったと思う。
(で、その後また縁がなく生きていたのだけど)
で、で、その時の会場が、このカフェだったのだ。
ガラス張りで、ウナギの寝床のように奥に細長く伸びた構造。
その細長の中央部分に吹き抜けのホールみたいのがあり、その昔、そこに大きなツリーが飾られていた。
当然ながら、狭い店内に若い女性ばかり満ちており、テーブルも椅子も小さ目で、脱いだコートや荷物の置き所にも困ったように思う。
オシャレだけど量も少ない冷めた料理?スイーツ?を、落ち着かなく食べた。
案内された場所もイマイチで、ツリーがある吹き抜けから座っている席まで、冷たい風が入ってきて、寒かった。
そんな夜であった。
でも、決してつまらなかったわけではない。
ツリーは大きく、きれいだったし、友達はメイクを施された。
普段縁のない場所で、縁のなさそうなイベントに参加するのは、面白かった。
と、まあそんなことを思い出したわけだった。
ちなみに、当日の点灯ゲストは、片瀬那奈さん。
まだ20そこそこのキラキラな時期でしょうか。
お忙しかったのか、さっと現れて、明るくハキハキお話して、また、さっと帰られた記憶があります。
そしてもう一つ、調べて分かったのですが、先日私が見たのは、ツリーのロゴのブランドがやっている、期間限定のカフェだったようです。
クリスマスを控えて、どこもかしこも行列で驚いた日。