バリウム・1 摂取時の話
「まず~い! もう一杯!」
健康診断の胃部レントゲンでバリウムを毎年飲み干している。
わたしの健康診断は全国巡回している婦人科検診で、市内の公共施設で行われ、レントゲンなどの大型機器が必要な検査は検診車に乗り込むことになる。
さて、バリウム検査であるが、げっぷを抑えるという絶対的ミッションに加えて、半円筒形の装置の上で、何度も回ったり、逆さになったりのアトラクション状態。
さらに、技師さんの右(回り)と左(回り)の指示をつい間違ちゃったりするので、いつになく自分の左右も意識する…。
過去一度、装置に乗ってすぐに、「あ、げっぷしてますね。もう一回飲んで下さい」と、まさかの「お代わり!」があった。
げっぷをした自覚はみじんもなく、バリウムを飲んだ後は、きつく口を閉じ、少しの隙も作るまいと口の中の真空に勤めていたわたしにとって、うっそ、抜け道全部ふさいでたのに?! と、不本意な出来事であった。
そして翌年より、さらにさらに念を入れるようになり、もう一杯!は免れていた。
そんな中、今年、新しいパターンを経験した。
たまたま、今回バリウムを飲む際に、目の前の棚にあった、おちょこサイズの透明プラコップ?に気が付いた。
一体この小さいのは何に使うものなのだろうと、ふと思っていたのだが、その数分後、それを手にした自分。
撮影台に乗って上下左右の回転に翻弄され、撮影も終盤に差し掛かったころ、「あ、ちょっと空気少ないので、追加してもらえますか?」との検査技師の声。
(…追加?…って…どういう…まさか…)と不穏な言葉に無言で戸惑っていると、さっと検査室扉が開いて水の入ったくだんのコップと発泡剤を渡され「飲んで下さい」と。
これか…と思いながら飲んでまたまた回って撮影再開となったのである。
ふう。
そして終了後、いつも二錠渡されるバリウム排出のための下剤を、多めに貰えるかはじめて聞いてみた。
結果、あっさり倍の四錠がもらえた。
さて、毎年検診時は、そこここに立っている係の人が、検査ごとの「待ち」が均等になるよう人流れを調整している。
今回、わたしは胃部検診が一番最後の検査になったため、バリウム摂取後、時間を置かずに下剤を飲む流れとなった。
AM10:30 検診終了。
下剤二錠を400ccの水で飲むところから、ミッションNO.2:バリウム排出が始まった。
続く
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