歌にまつわる話・7 癒しの「far Away」/Libera
からの山岳ノンフィクションの話など
最近、You Tube の自分のお気に入り再生リストのかなり昔に登録された曲を聴いている。
ティーンエイジャーの頃は、好きなアーティストの曲のNEW ALBUMを心待ちにし、お小遣いから予算を確保し、特典目当てにレコード店で予約し発売日を待った。
そして、手に入れた暁には、聞きまくって、全曲ソラで歌えるほど歌ったものだが、今はそんなアーティストも曲もない。時間もないし…。
そもそも、邦楽を聞かなくなった。
今は、ネットやYouTubeから情報に触れて、いいなと思った曲をリストにどんどん入れていき、聞き流しているが、ほぼ100%洋楽だ。
となると、耳で聞いて覚えてソラで歌うことのハードルがかなり高い…。
と、そんなこんなで昔のお気に入りリストから流れてきたのは、
イギリスのボーイズソプラノグループ、Liberaの「Far Away」
である。
もうそんな前になるんか?!と、調べて思うことが増える一方のこの頃だが、この曲を知ったNHKのドラマ「氷壁」も2006年放送というではないか。
井上 靖「氷壁」が原作(原案)だが、時代を現代に置き換え、舞台の山も穂高からK2(8,611mの世界第2峰だが、非情の山といわれるほど遭難が多い困難な山)になっている。
ちなみにだが、ドラマのメインキャストは以下だ。
主人公:奥寺恭平(玉木宏)
親友:北沢 彰(山本太郎→今議員だが、バラエティー番組の個性的な素人から始まった紆余曲折の人)
その他、鶴田真由、武田真治、吹石一恵など。
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ノンフィクションはわたしの好きな本のジャンルの一つだが、「山関係」もその中に含まれる。
始まりは学生時代に読んだ植村直己さんの名著「青春を山に賭けて」。
その後、山と渓谷文庫をはじめ、20冊くらいは読んだ。
山登りの人、文章ウマい!と何度も思ったし、ものすごい臨場感で、夢中になった。
私の知る著名クライマーは、単独行や、命を預けられるほどの信頼を築いたペア行の人が多い。
小さな決断も命を脅かす厳しい条件下の中で、神経を研ぎ澄ませ、兆候を見逃さず、進むべき道を選びながら山に登る描写に、心拍数があがる。
海外(翻訳)の山の本(遭難のノンフィクションなど)も、何冊か読んだが、高度7000メートル以上の状況がリアルすぎて、ほんと怖ろしい。
エベレストクラスになると、過酷な条件すぎて下におろすこともできない遺体が、あちこちにあるという話は有名だ。(運ぶ人自体が命がけになるため)。
いや、ほんと、あんなに苦しくて危険なのに、なんで登る?!と思いながら読んでいる。
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ドラマ「氷壁」は、登山そのものより、それにまつわる人間ドラマの部分が多かった。
共に挑んだK2で親友を亡くした男の物語だが、亡くなった事故の原因が、カラビナの不良にあるのではないかと追及する話がメインストーリーとなっている。(回想などで山の場面はそこそこ多かったと思う)
主題歌になった「Far Away」 は、当時も話題になったが、最近もCMに使われたりで、聞いたこともある人も多いだろう。
ドラマでは、厳しくも雄大な冬山の風景と、神々しいような少年のハーモニー、繊細なメロディーが驚くほどマッチしてその場面だけ見ても感動的だった。
ドラマで最初に聞いた時は、歌詞も分からないままウルウルしたものだ。
とはいえ、ボーイズソプラノといえば、聖歌隊のイメージがあるし、その声やメロディーからも、宗教的な感じは伝わる。
日本にはない類のジャンルなので、新鮮であった。
今回歌詞を改めて調べたところ、やはり、宗教色が濃い。
簡単に言えば、
どんな時でも、神様はわたしたちを見守り、天使を遣わし、高みに引き上げてくださる
という内容。
地上から一番高い峰の頂きは、まさに神の座。
「Far Away ~彼方の光~」を聞くたびそんなイメージが頭に浮かぶのだ。
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