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電話からの結論

確認のしようはないものの


見知らぬ携帯からのしつこい電話、その先にいるのが中学時代の同級生Aとわかってから思い出した、縁の切れた経緯と10数年前の中身のない電話。
加えて、今回の電話で呼び起こされたこととは。

前回↓



Aの電話から不穏なものを感じ取り、対策を考えた私。
ネットで調べたところ、使っている電話機に番号拒否の設定機能があることが判明したため、早速ブロック。
以降当然ながら、静かな日々となった。


中学時代のAは、よく笑う女の子だった。
わざと真面目な顔で話をしたあと、自らオチをつけるようにケラケラと笑ったり、ツボがちょっと掴めないところもあったが、面白い子だった。
人の悪口を言わない、一緒にいて嫌な思いをすることのない相手だったが、同時に、自分の考えはあまり言わなかったので、なんとはなしの距離もあった気がする。

今回思い出したあることを知ったのがいつ頃だったか、それを知った経緯も忘れたのだが、きっかけは、本人の言動からだったと思う。

それは、Aの親が某宗教の信者であるということだった。

それを知ったのはまだ若い頃だったと思うが、「身近な宗教」に縁なく育ったわたしは、ふうんという程度の関心と、わたしにはよくわかならい、もやもやしたものがAの家庭にはあるのかなという漠然とした感想しかなかった。(仏壇はあるし手を合わせるが、自分がナニ教とかナニ派などと考える余地のない当時の多数派家庭にわたしは育った。その後、当該宗教の問題点も知ることになるが…。)

あいまいな記憶だが、会話の流れで「ウチ親が~だから」的な話をさらっとされて、わたしを含む他の友達は不意をつかれ、固まった。

A自身がその当時、今でいう二世信者だったかわからない。
自分から積極的にそれについて語ることも、当然、勧誘的なこともされたことはなかった。が、この手の宗教は二世になるのが既定路線と思うので、程度は不明もなにがしかはあったであろうと思う。


しかし、人生半分は過ぎ、多くはないが経験と知識を得て今、Aの電話の更に先にあるものがあっさりと見えた。


それは選挙だ。


成人以降アルアルとして、「選挙が近くなると話したこともない元同級生から突然電話がきて特定の候補者への投票を猛プッシュされる」という話。
前回書いたが、これもクラス名簿(卒業名簿)&固定電話時代の為せる業だ。
(しかしながら、わたしはそのような電話を受けた記憶はないのだが…)


ということで、地方統一選挙を控えたこの春、Aはわたしに選挙のお願いに電話をかけてきたのだろうと結論した。

昨夏の元首相の事件以降、宗教団体全体に批判の目が向きやすくなったこともあり、幅広く人海戦術の選挙活動がなされていたのだろう。

一度思いついてみれば、「本人にしか言えない」とか、必死に連絡を取ろうとする動機としてもしっくりくる。

となると前回前々回の電話も、選挙がらみだったのか?

突発的に電話がきて、その後はなしのつぶてというパターンのため、濃厚だが、時期がはっきりしないため確認はできない。

最初の電話の時は、そのつもりで電話したものの、雰囲気的にも言い出せずに終わったのか?…。

この春の電話で、そんな風に過去を遡ることになった。

大人になるといろんなことが変わってくる。
同じ教室で、「今」を楽しく過ごしていた友達とも、違う経験を重ね、価値観を作り上げていくことで、人生経路も離れていく。

が、離れても、過ごした時間が消えるわけではない。

過ごした過去も、新たな出会いも別れもすべて織り込んで、それぞれの人生タペストリーを日々作っているのだ、わたしもAも。


また、会うことはあるのだろうかとぼんやり思う新緑の今だ。


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