春に一歩を踏み出すあなたにエール! 好きな曲:「にじ」
歌にまつわる話・7 好きな曲「にじ」
もうすぐ4月。
新しいことが始まる人も多いだろう。
入学、就職、異動、クラス替え。
それに伴い、慌ただしい中で、その親御さん、家族も密かに、もしくはあからさまに心配したり、気をもんだりしていることと想像できる。
さて娘が幼稚園の頃の話。
進級の際に、進級式というものがあった。
覚えているのは、娘たちの合唱で初めて「にじ」という曲を知ったこと(だけ)。
歌詞も曲も、初々しくも鮮やかな描写が素敵で、新しいことを前にした不安のなかでも、根拠はないけど希望もあるよ!、いいことも待っているよ!というメッセージの輝きに涙した。
まさか、泣くような場面が待っているとはと驚愕しつつ、曲を聞き終える。
幼稚園の副園長先生にも「すごくいい曲で感動しました」とか、後日の機会に伝えたほどである。
そしてこの曲を聞いた当時、思い出したものがあった。
「きいろいバケツ」(作:もりやま みやこ)
という小学校低学年向けの本である。
これもわたしの幼少期にはなかったが、子育てを通して出会った本。
教科書にも採用されているようなので知っている人も多いと思うのだが、結末までネタバレありで、紹介する。
以下↓
きつねの子供が森の中で、素敵な黄色いばけつをみつける。
あまりに素敵で、じぶんのものだったらなあと思い、友達のくまやうさぎにも相談する。
2人に、「きつねくんにぴったり」などと、乗せられ、一週間後の月曜日まで持ち主が現れなかったらキツネのものでいいんじゃんと話はまとまる。
その一週間の間、きつねは、バケツと自分の多彩な妄想を楽しみつつ、なにくれとなく世話を?焼き、不安と希望をいったりきたりして過ごす。
一日に何度も、様子を見に行き、釣った魚を入れる真似をしてみたり、雨に濡れる様子に心を痛めたり。
やがて…月曜日がやってくる。
が、バケツは、なくなっていた。
ガーン…
くまやうさぎが、慰める?のを聞きながら、きつねが思っていたのは、バケツと過ごした代え難く充実した一週間の事。
寂しいながらも、やり切った感に似たどこか満足げな様子で青空を見上げるきつねであった。
おしまい。
とまあ、そんなあらすじだ。
「にじ」で、なぜ「きいろいばけつ」連想なのか?
いくつか考えられるが、一つは対象年齢が近いかなということ。
また、両方に「鮮やかな色彩」のイメージ、特に「光」と「バケツ」で、両方まばゆい黄色が見えてくる。
そして、明るくて、希望もあるのに、少しだけ、置き去りにされたような寂し気な部分がある(ように思う)こと。
楽しいことも、嬉しいことも、いずれ終わるという寂しさを内包していると思うが、みんなが前を向いてわ~と盛り上がっていて、自分も楽しいのに、ふと、一人だけ後ろを振り向いて、そこに残されたものに気が付いてしまうのに似ている。
(あ、でも、終われば終われで、新しい出来事がまたやってくるよ)
「希望」と言うのは「未来」の別の名前だと思う。
娘が生まれて育っていく過程で、子供は未来だという言葉ほど、実感に変わった言葉はない。
娘が照らす未来はまだまだ先があり、照らす光は放射状の広がりを持っている。
そこには、希望も不安もあるけれど、照らされたものをわたしも一緒に見ることができる。
明るく照らされていくであろうものを、わたしも心に描くことができる。
それが未来があり、希望があるということに違いない。
この春、様々な思いを持ちながら、自分の足で進み始める人たちに、エール代わりにこの曲を贈りたいです。
と、上記をUPした後で、書きたくなったこと。
わたしはこんなタイプでした↓
この曲も、勇気を出す助けになるかも↓
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