『日本のいちばん長い日』
今から79年前の夏
東京,大阪などの大都市は空襲で焼け野原となり、広島,長崎は原爆で消えた。
日中戦争,太平洋戦争,大東亜共栄圏を掲げた東南アジアへの侵攻が正しかったのか間違っていたのか、そんな議論をたびたび見かける。ゼロヒャクで一概に正しかったわけではないだろうし、完全に間違っていたわけでもないと思う。正しかった部分は評価し、誤りに向き合うことが必要であると思う。
少なくともこの戦争以降、直接的に日本が戦争に関与することはなく平和国家であり続けている。先の大戦で日本のために命をかけて戦った方々には敬意を表したい。
「日本のいちばん長い日」についてだが、
1945年8月14日,15日、ポツダム宣言を受諾するかしないか、終戦の方向で進めるか戦争を継続するか、日本の方向を決定する鈴木内閣と昭和天皇を阿南陸相と陸軍を中心に描いている。
断固として戦争継続,本土決戦を求める畑中少佐と終戦を求める昭和天皇との板挟みになる阿南の苦悩たるや想像を絶する。軍人として前者の主張も理解できるだろうし、元侍従武官として天皇への忠誠心も持っていたことだろう。
阿南が遺した
「大君の 深き恵に あみし身は 言ひ遺こすへき 片言もなし」
には考えさせられる。
ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナ,アラブ諸国など戦争,紛争が絶えない。大前提として、早く集結して欲しく願う。
人類の歴史と戦争は切っても切れない。戦争によって飛行機やロケットといった技術が生み出された一方で、失うものが大きすぎる。人命が奪われ、土地を破壊し、深い傷を残す。あまりに生産性に欠く。
ただ綺麗事ばかり言っていても戦争はなくならない。考え方を異にする者同士が平和であり続けることの方が難しいと思う。
嫌いな人とは仲良くできないのである。個人間であれば距離を取り、関係を薄くすることで、大きな衝突を避けることができる。
国家間ではそうはいかない。好きな国だけで周囲を固めることはできない。国家間の席替えはない。隣のやつが嫌いであっても、一生隣り合わせなわけだ。当然フラストレーションは溜まるだろうし、一発かましてやろうと思うかもしれない。お互いが妥協できる落とし所を見つけるのが外交であって、傷つけることなく平和的に解決する唯一の手段となる。
いきなり戦争となるわけではなく、外交努力をした上で戦争となるケースが多い。だからこそ戦争はすぐには終わらないのだろう。
ピンポイントで名指しはしないが、日本の周囲にも仲良くできない国がある。各国外交官は日々尽力していると察するが、今後も戦争のない平和な東アジアであって欲しい、延いては一切の戦争がなくなって欲しいと思う。
最後に...塾講師のバイトとして、生徒に社会を教えている。その中で当然戦争について触れざるを得ない。塾講師である以上、自分の考えを伝えることよりも中立的に事実を伝えることを優先している。
日本人として先の大戦について、できることなら広島,長崎,沖縄など実際に自分の目で見て考えて欲しいと思う。戦争を経験していない世代だからこそ、今の平和な日本を甘受せず、過去に学び未来に繋げられるようになって欲しい。
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