令和3年、絵が上手くなるためにやってみてよかった40のこと
はじめに
絵が上手くなりたくて2021年の1月1日からいろいろ練習していて、その中で効果があったことをまとめました。気づいたら3万字近くなっちゃって、読むのに20分くらいかかるかもしれませんがよろしければ。教本の紹介が多めです(例によって書籍類はAmazon アフェリエイトリンクです)。これまでのツイートやnoteの記事とかなり重複するところがありますのであらかじめ。
私の経歴とかはみんな興味ないと思うので、スペックだけ最低限。自分は30代後半で普段は絵とは関係ない仕事をしてきました。でも長年自己流で描いていたので、初心者ではありません。独身なので仕事以外の時間はかなり自由に使えます。コミック系やキャラ絵的なイラストではなく、絵本や装画系のイラストを描いていますが(キャラ絵もこっそり練習してる)、このノートはどんなジャンルの人にもある程度参考になることを目指して書きました。
使用してるツールは主に白亜紀のiPad(2018年とかの)、クリスタ、Procreate です。
長くなってすみません。以下より本題です。
技術編
1.クロッキー
30年以上にわたる私のお絵描き人生において、産業革命なみの変化をもたらしてくれたのがクロッキー。思えば今までの自分は家内制手工業でした。
お絵描き界隈で流行っているいわゆるジェスドロ(Gesture Drawing)ではなく、2分くらいで見たまま形をとる練習をしています。ジェスドロもやってみたいけど。
得られた効果:いっぱい
他の練習(とくにモルフォが有効)もしたのでクロッキー単体の効果とは言えないかもしれませんが、
・手癖で描いていたのが矯正され、クォリティと説得力が増した。
・様々なポーズやアングルに対応できるようになり、表現の幅が広がった。
・全身絵を描くのに抵抗がなくなり、顔やバストアップに逃げなくなった。
・描くスピードが早くなった&修正が減った。
・脳内のイメージと描いた絵のギャップが減り、描くのが楽しくなった。
・ポーズのイメージにぴったり合った資料がなくてもある程度アレンジして描けるようになり、資料を探す手間と時間が減った。
・何と無くちょちょって描いてもそれっぽくなるようになった。
などなど、ざっと思いつくだけでもこれだけ。少しずつだけど思い通りに描けるようになって、どんどん楽しくなっていきました。この感じ、何かに似てるなって思ったら、あれだ、ダイエットして細い服も入るようになったら、コーデを選ぶのが楽しくなっちゃうやつだ。
ちょっとBefore After晒します。これは昔のスケッチ。元から絵が描けないわけじゃなかったけど、クロッキーやる前はラフの線が分厚い層みたいになってたり、これなんてそもそも描けなくて諦めてる!そうだよね、この足の角度むずかしかったよね…。
同じモチーフを今描いてみたところ、もう全然違う!
苦手な右向きの顔もかなりマトモに。同じ写真見て描いたはずなんだけど…。
ポーズサイトや動画を利用すると「こんなん描けへんがな!!!」みたいなのも描かざるを得ず、それもすごく効いてた気がします。
今思えば、これまでは無意識のうちに描けるものや描きやすいものばかり選んでしまいがちで、たくさん描いてた時期もあるのに大して上達しなかったのはそのせいだったんじゃないかなと。
今はいろいろなポーズも描けるようになりました。これは2分30秒くらいで描いたやつ。
そして、一番の収穫は技術よりも、「今の段階で上手く描けなくても心折れる必要はなく、最低1ヶ月は腰を据えて練習する&数をこなせば確実にレベルが上がる」ということを、身をもって実感できた点です。
これは最初の週に描いたクロッキー。
初めのうちはこんなふうに、時間内に描き切ることも出来ずひどいクォリティでした。
それが、そのうちごくたまーに「あ、これはいいかも」っていう改心の出来の絵が出てきて、しばらくするとその「あ、これはいいかも」って思ってたレベルが標準になって、その中でも時々さらに「あ、これはいいかも」が出てきて、その繰り返し。
この成功体験がなかったら、この後に続く他の練習も「全然上手く描けないじゃん、やっぱ美大とか出てないとダメなんだ!」ってすぐに投げ出してたと思います。それが「クロッキーであれだけ効果が出たんだし、この練習も効果が出るまでもうちょっと続けてみよう…」と思えるようになって、実際そのおかげでいろいろ上達しました。下手な段階から入って上手くなっていく過程を楽しめる余裕ができた感じです。
というわけで、興味が湧いた方はこちらの記事を参考にいろいろ試してみてください。随時更新してます。
2022年はジェスドロもっと頑張りたいな。
2.モルフォ本の模写
得られた効果:人物のアタリが取れるように&手癖からの脱却。筋肉とお友達に。
人体のつくりを手に覚えさせるために、モルフォ人体デッサンシリーズの模写をしました。
↓モルフォの中で手を出しやすいのはたぶんこれ。通称箱モル。ページも比較的少なく、価格も安めなので気軽にチャレンジできると思います。
この10年くらい何度か美術解剖学みたいな本に手を出してすぐ挫折してたんだけど、この本は箱と図形のネオ某人間みたいなところから入るため、初めて軌道に乗ることができました。入門者にやさしめです。
モルフォは厳密にはなんちゃって人体解剖学らしいんだけど、本格的な美術解剖学の本の前に、あるいはそれらに挫折した時に、まずは箱モル一冊やってみるのをおすすめします。
実は去年1周仕上げていて、今年2周めをやってみたら前回よりも格段に上手く模写できるようになってて嬉しかったです。今年はクロッキーとモルフォ、両方一緒にやったことで、かなりの相乗効果を感じました。モルフォで理解したことを、クロッキーで反復して手に覚えさせる感じ。
ぺたんと座った時の太ももとふくらはぎの重なりとか、斜め上向きの時の口の形とか、胴体にバストが載っている感じとか、いままで描けなかったものが描けるようになりました。
↓こちらは本モルこと本家(?)モルフォ。実は難しくて去年一度挫折してしまったのですが、箱モルとクロッキーを続けたおかげで、今ではちょうどいい手応えです。
モルフォは他にも骨とか筋肉とかシリーズいろいろあるので、お好きなものを。でも手を描くやつはイマイチだったかも。
シリーズのどの本も解説はあまり詳しくないので、”考えるな感じろ精神”でとりあえず手を動かしてみてください。
3.ソッカの美術解剖学ノート
得られた効果:人体詳しくなった。大腿骨とかめっちゃたくさん描いた。
一時期Amazonで売り切れるほど流行ったソッカ本。こちらは座学的要素多めで、頭で理解することに重きが置かれている気がします。描き方だけでなく、構造や機能、果ては進化の過程なんかにページが多く割かれていて、医学生とかにも読まれてるほど。
絵の教本って考えると描き方以外の話が多いけど、美術解剖学の本と比較すると「実際に描いてみよう!」みたいな工程までしっかりレクチャーしてくれてるのは珍しいかも。特に筋肉と筋肉の重なりを描いて理解するのにとても役立ちました。
この本、正直最初は使いどころがわからなかったのですが、ソッカでパーツごとの仕組みや働きを学習しつつ、気になるところは模写→モルフォでその部位をさらに練習→クロッキーの時などもインプットしたことを意識→作品を描く時に、分からなくなったら辞書を引くような感覚で参照する。というやり方に落ち着きました。あとは、このパーツ苦手だな〜〜って思ったらソッカ読んで重点的に練習したり。
それから、頭部なら頭部、上肢なら上肢、みたいに、ソッカとモルフォ(もしくは別の練習方法でも)で描くパーツを合わせるのも効果的でした。電子版がないことだけが惜しいです。一時期は売ってたみたいなんだけど。
noteで「○○日間絵の練習をしました〜」系の記事書いている人はたくさんいるけど、劇的に上手くなったなーと思う人は高確率でこの本を仕上げてます。ただ、単純にこの本だけの効果というより、そもそもこれだけ高い本を買って練習する覚悟がある&こんな分厚い本一冊終わらせるガッツがあるなら上手くなるのも当然という気もするので、卵が先か鶏が先かみたいなマターかもしれません。
とはいえ、本当に初心者の人にはおすすめしないかな…。相当なドMでもない限り。クロッキーとかいろいろやって、上達が頭打ちになってきたなーって思った時とかに投入するのはアリかも。
4.毎日のアイデアスケッチ
得られた効果:アウトプット力UP、アイデアソース
これはアウトプットのための練習&積み上げ。オリジナルの作品を描く上で大きな助けになりました。
頭に浮かんだことや好きなモチーフ、描きたい絵のラフ、気になった題材を1日1ページずつスケッチするだけです。ちなみにこれ、昔超大御所イラストレーターに教わった方法。お金もかからないので、是非試してみてください。(下のツイートはSUNNY手帳の間違いです…)
アイデアスケッチのおかげで、描きたい時にはあらかじめ準備してたアイデアや資料を使って描くだけで済み、余計な頭を使わずに作業に取り掛かれるようになりました。
言うなれば料理をしようと思い立ったとき、献立を考えて買い物に行って食材揃えて…っていう面倒なプロセスから始めなくても、もうレシピや道具材料が全部揃っててなんなら下ごしらえもできてる!みたいな状態。むしろ今まで、描き始めるまでにいかにストレスが多かったことか。
絵を描くのって、右脳をフル活用する作業(アイデア出しなどクリエイティブなもの)と、黙々手を動かす作業(描き込んだり塗ったり)があって、前者はどうしてもその時のコンディションに左右されがちな気がします。なので、気分が乗ってアイデアがどんどん湧く時に貯金しておくの、なかなかいい作戦なんじゃないかなって思っています。
ついついサボって数日分まとめてやることも多かったけど、ずっと続けていきたいなー。
というわけで2022年の手帳も買いました!
普通のノートでもいいんだけど、ちょっと特別感出すと楽しいです。モレスキンとか。日付入ってるやつだとマイブックとか、ほぼ日とかでやってもいいかも。
5.構図やデザイン系TIPSの本の「実践」
得られた効果:野暮ったさの原因がわかった。なんかちょっとそれっぽくなった。構図のワンパターン化に効いた。
作品を描く上で、構図やデザイン周りを向上させたくていろいろ読みました。中でも、この本はnoteで何回も紹介したほど気に入っています。素人臭かった自分の絵がちょっと垢抜けました。たまに電子版がセールで安くなってます。
キャラ絵系の人ならこの本以外の書籍や動画でもいいのがたくさんあるけど、デザイン系・装画系の人には数少ない貴重な本です。ある程度本や動画の講座で勉強してる人には目新しい情報はないかも。
活用のポイントは、読んで「なるほどーっ」って思って終わりじゃなくて、紹介されているTIPSを使って実際に作品を描いてみること。自分では思いつかなかったアイデアがどんどん出てきて、絵のネタ探しに困った時にお題箱的な使い方もできます。
イラストの本じゃないけど、ネタ探し用途としてはこの本も。Zineや同人誌の表紙デザインとか、noteのヘッダー画像とか、イラスト単体というよりも文字を使いたい時におすすめ。
この辺は構図の本。ネタがないとか最近構図がワンパターンだなって感じたら、片っ端からこれらの本で紹介されてる構図をお題にして作品を描けばいいと思う。これも電子版よくセールで安くなってます。
これは電子のみだけど、ワンコインなので、高いイラスト構図本に手が出せない時にもおすすめ。Kindle unlimited にも入ってます。題材として紹介されているのはキャラ絵ではなく昔の名画だったりするけれど、三角構図とか日の丸構図とか、言ってることはデジ絵とかのイラストテクニックで出てくるような話とあまり変わりません。
ちなみに、クリスタやProcreateには三分割法とか黄金比のテンプレなんかもあります。
最後のは有料だけど。
6.手足と靴の練習
得られた効果:こんなん描けへんがなって思ってた状態の手足も描けるようになった
手と足がまだまだ下手だったので、line of actionで手足だけのクロッキーをしたり、教本を模写したり、重点的に特訓しました。
すごく参考になったのがこの本。買って良かった。
「この指を曲げると、この部分が押されてちょっと太くなる」とか、知らなかったことやなんとなく経験的にこんな感じかな〜って描いてたことが理論的に説明されていて、目から鱗の連続でした。ソッカ本も手の構造についてかなり詳しかったけど、この本はさらに実用的。うまく描けなくて半泣きになることもあったけど、その分頑張ればちゃーんと効きます。kindleでたまに安くなっているので、電子派の人はタイミングを見計らって購入してみてください。
それから足。おそらく多くの場合、実際の作品では靴を履いていることがほとんどなので、素足ではなく靴の絵を重点的に。以下は靴を描く上で必読の記事!
ただ、やっぱり手だけ足だけ練習する他に、全身を描く時に手足までしっかり描く練習も必要だと感じました。バランスとか、胴体からの流れとか。最近はクロッキーや模写の時、時間がかかってもきちんと描くようにしています。
おしゃれ系イラストを描いてる人ってもう飽和状態をとっくに通り越してたくさんいるんだけど、手とか靴とか、こういうみんなが苦手なところで差をつけられるといいんじゃないかな。
7.複数人いる絵の練習
得られた効果:推しカプの絵がいい感じに描けるようになった
苦手分野をどんどん潰していくべく、たまにですが複数人が写ってる写真でクロッキーをするようにしました。だいたい1組3分くらい。
腕の絡まり具合とか体のパーツの重なり具合、人体比率やサイズ感など、モデル単体の絵とは勝手が違って難しいです。クロッキーの練習の強度というか、負荷も上がって、効いているのを感じました。構図の勉強にもなります。
練習で単体ポーズしか描いてないのに、いきなり複数人物がいる作品絵とか漫画とか描こうとするとびっくりするほどうまく行かないので、こうやって助走をつけておくといいのかも。
ちなみに、Adorkastockのポーズ集ではフィルターからpairやgroupのタグが選べるので、複数人いる写真だけを使ってクロッキーもできます(やたら戦ってるっぽいポーズが多いけど…)
写真を探すのが面倒な人には2人ポーズ集もあります。こういうのも良さそう。
コミック系ですが、この本もkindle unlimitedサブスクしてるならおすすめ(ちょっと絵が拙かったりするので、定価で買うのは自信もってお勧めできないかも…)!写真模写だけじゃなかなか身に付かない、二次元ならではの物理表現や感情表現の参考になりました。
ちなみに男性編と女性編もあって、全部Kindle unlimitedの対象になってます。
8.線を引く練習
得られた効果:早く綺麗に線を引けるようになった
始めたのは11月からだったんですが、これもっと早く知りたかった!やり方は一連のツイートをご覧ください。
リプにある通り、これは美しい文字を書く練習にも通じるところがあるみたい。私がカリグラフィー始めた頃に買ったこの本にも○とかいろいろな図形を描く練習が紹介されています。
この本の練習方法も参考にして、さらにグリッドとグリッドの間に線を引く練習もメニューに追加しました。
クルクル描くの最初は何十分もかかってたんだけど、だんだん早く描けるようになったので、何かしら効いていると思います。思い込み激しいせいかもしれないけど。一週間〜10日くらいでクリスタで線を描くのが本当にスムーズになったと感じはじめました。
9.背景のクロッキー
得られた効果:建物描くのちょっと上手くなった&立体や空間を捉える力を養えた&直線を引く練習になった。
人物の絵がクロッキーで上達したことに味をしめて、同じことを建物でもやれば効果があるのでは…?と思い、背景の練習もやってみました。
quickposes posesのurbanカテゴリやpinterest、Twitter、インスタ、CC0系画像素材とか、あとは自分でその辺の写真撮ってきたりしました。最初は椅子だけとか窓だけとか一軒家とか、シンプルなモチーフから始めるのもいいと思います。きっちりパースは引かず、フリーハンドで描いています。本当に初心者ですっていう人は、初心者向けのパースの本やネットの講座、動画なども並行してやるのがおすすめ。たぶん心が折れるので。
クロッキーの時間は1枚2分と5分を数セットずつ組み合わせるやり方に落ち着きました。これは2分×4セット。
最初の2週間くらいは「これホントに効いてるのかな〜〜〜」って思っていたのですが、5月の連休中に毎日まとまった数をこなしたら、上達しているのを実感できました。特に目が育った感じ!街の俯瞰など、以前はどうなってるのかよくわからなかった複雑な街並みも見て把握できるようになったし、街を歩いていてもついつい建物を目でなぞるようになりました。
また、建物や背景を描き慣れたことで、一枚絵のイラストや漫画を描いているときにもナチュラルに背景を入れるように。いちいち「背景もちゃんと描かなきゃ…」って努力や意識をするわけでもなく。
背景の上達になるだけではなく、画力を底上げしてくれた練習方法でもあります。立体や奥行き、空間を捉える力がついたのが実感として分かったし、まっすぐな線を描く訓練としても役立ちました。建物や背景だけじゃなく、無機物全般に効いてる気がします。
ちなみに、パースの本で好きなのはコレ。アニメーターの人がバイブル的に使われていたそうです。
10.作品描く(あるいは描こうともがく)
得られた効果:様々な課題の発覚
クロッキーなどで基礎力が付いてきた実感がある反面、作品絵は全然描けてないなと思ったので、4月頃からは作品として完成した一枚絵をたくさん、なおかつ今までよりクォリティを上げて描くことを目標に。
…ところが実際やってみると最初は全然描けませんでした。その頃は鉛筆でクロッキーや模写をする練習ばかりやっていたので、そこからいきなりカラーの完成作品を描くというのは隔たりが大きすぎたのだと思います。「本番の作品を描く」あるいは「本番さながらに描く練習」の前に、ワンクッション必要だったみたい。
例えばバク転ができるようになるためには、
倒立やブリッジができるようになる
↓
人の補助つきでバク転の練習
↓
クッションなどの器具を使った練習
↓
ほんとのバク転
こんな感じで段階を踏むとして(※てきとうです)、私のやり方は倒立やブリッジができるようになった段階でいきなり補助なし器具無しでバク転をやろうとしているようなものだったのかもしれません。つまりは作品として完成絵を仕上げるために、だんだんハードルを上げて、少しずつ本番に近づけていくような練習が必要じゃないかなーと。
「練習ばかりせずに作品描いたほうがいい」も真ではあるので、作品を描こうと試みつつも、同時に作品づくりへの心理的なハードルを下げていく練習もやってみました。
11.VizRefで資料をまとめる
得られた効果:作品作りの構想が飛躍的に捗るように。
貴方とはもっと早く出会っていたかった。VizRefさん(iPadアプリ)!!!
きっかけはさいとうなおき先生がよく動画でPurerefというツールをおすすめされていたこと。
これはパソコン用のツールで、iPadには対応していなかったため、代わりにVizRefを導入しました。
画像は左右反転できるのも便利。私のいにしえのiPadだと対応していないけど、いちいち保存せずにwebから直接ぽいぽい取り込めたり、画像を回転させたりする機能も。
それから、iPadなのでカメラで撮ってすぐ取り込めるのもいい!!
上で紹介したアイデアスケッチとVizRefの組み合わせがまたすばらしくて、オリジナル作品のアイデアづくりが簡単で分かりやすく、楽しくなりました。文明開花なみ。断片的なイメージを一箇所に集めて並べるだけで描きたいものがクリアになるのかー!!と感動するほどでした。お陰で、「ラフは描いたもののいざちゃんと描こうとするとなんか手が動かなくなっちゃってしんどくなって没にしちゃう」、みたいなことが減って、完成までこぎつけられる作品も増えました。
12.本番の前に、描きたいモチーフを練習
得られた効果:イメージとアウトプットしたもののギャップの軽減
これもすごく良かった大正解オブ大正解の一つ。描きたいモチーフをスケッチブックなどで練習して、ある程度自分のものにしてから本番に挑むことを心がけました。VizRefの写真とか、ポーズサイトとかを参考にしつつ。
「脳内にアイデアが浮かんだときははいい感じなのに実際に描いてみるとショボい」対策としてはかなり効いたと思います。ぶっちゃけ今まで作品描きながら練習してるとこあった。
実際レオナルド・ダヴィンチだって「おっしゃ描くぞー!」っていきなりキャンバスにモナリザ描き始めたわけじゃなくて、実際はたくさん習作してるんだよね。(あの時代の絵はお弟子さんが描いてる部分もあったりするけど)
アイデアスケッチ→VizRefで資料スクラップ→練習スケッチの流れで、作品作りがかなり捗るようになりました。
作品作りの準備についてはこの本も参考になりました。これもデザインや装画系の人向けかな。うまい人っていきなりサラサラ作品を描いてるイメージだけど、実際は準備にかなり時間をかけているのがわかります。時には自分でポーズをとって資料の写真を作ったりとかもしてる!
※Amazonだとマケプレで価格が高騰してます。定価は2000円とかなので、他のサイトや実店舗で探してみてください。
13.実際の作品で使うツールで写真模写
得られた効果:Procreateとちょっと仲良しに&創作ペース大幅UP
練習絵と作品のギャップを埋め、少しずつステップを踏んでいくために、「実際の作品作りの時に使ってるツールで写真模写する」というのをやりました。デジタルなら作品作る時に使ってるアプリやソフトウェア、アナログなら画材。要はツールの練習です。
当時、色模写練習とかそういう名前で流行っていた練習でもあります。最初のうちはスポイトツールで元の画像の色を拾って描いてみるのもアリ。やってみると肌色だと思ってたのがずっと青っぽかったりとか、勉強になります。
procreate模写、最初の作品はこんな感じ。
7月はこれを日課にしていて、めっちゃ描きました。(写真模写以外もあるけど)
何描こうかなーとか色どうしようかなー資料探さないとなーみたいなところはいったん切り捨てて、そのツールとのシンクロ率を上げ、思い通りに描けるようになることに全振りするのがポイントです。
最初はいろんなブラシを使って試行錯誤していたのですが、徐々にテッパンのブラシや設定が分かってきました。
だんだん色や光源も意識できるように。
とにかくアプリを立ち上げる、手を動かす、というのは効くみたいで、この練習を毎日してた時期は、オリジナルの作品を描く頻度もかなり増えました。
アザラシばっかり描いてたけど。
ネットの写真見て描いた作品をSNS などにアップすることについては著作権もろもろの問題点や懸念があるけど、最近はCC0の写真素材も素敵なものがたくさんあるので、心配な人はこういうところから借りるといいと思います。いろいろあるので。
【保存版】差別化できる、商用OKな海外フリー写真サイト8選
https://bindup.jp/camp/design/10891
これは https://barnimages.com より。
14.デジタルツールへの理解を深める
得られた効果:効率UP&表現の幅が広がって楽しい。
デジタルで描く場合、キャラ絵というかコミックイラスト系の教本は山ほどあるんだけど、私の描きたい系統の本は少ないのが以前からの悩みでした。
一応あるけど。好きなのはこの辺。
ところがYouTubeで探したらかなり充実してる…!特に海外。Procreate は書籍は国内外ほとんどない割に、動画はすごく多いです。しかも好きな画風のチュートリアルもたくさん。
ピンチアウトとかフリックとかの操作が多いから、文字より動画の方が相性がいいのかも。
まだまだ把握できていない機能も多いけど、Procreateについては基本的なことはかなり調べて、最初の頃と比べるとストレスを感じずに描けるようになってきた気がします。
ちなみにその時の経緯がこれ。私がこれまでに書いたnoteの中で、ダントツで読まれている記事です。ちゃんと役に立ってると嬉しいな。
15.写経(イラスト模写)
得られた効果:構図や色、ブラシやテクスチャ等の理解
これは2021年後半からはじめました(もっと早くやれば良かった)。要するに模写なんだけど、写真じゃなくて二次元の作品をタッチやテクスチャも含めて「写経」するところがポイント。「写真で見たまま描く」っていう段階から一歩進み、どうやってデフォルメするのかや、にじみやカスレの表現など、二次元ならではの技法の勉強。
あと、写真じゃなくて上手い人が描いた絵を模写することで、「上手い人には見えてるけど自分には見えてなかった線」を認識できるようになるし、自分よりはるかにしっかり描きこみしているのもわかるし、ちょっとしたモブもクォリティが全然違ったりして、すごく勉強になりました。
最初はあえてちょっと昔の絵を題材にしました。これは杉浦非水さんという大正〜昭和のイラストレーター&デザイナーさん。
ちょうど巡回中だった杉浦非水展にも足を運んで、実物を見て研究したりもしました。もちろんアナログで描かれたものだけど、デジタルで再現するためにどんなテクスチャがいいかなーって考えたり。
また、最近の国内外の好きなイラストレーターさんの作品も完コピするつもりで模写したりしました。ブラシやテクスチャなど、ついつい惰性で描いてた部分の見直しになったし、ここまで描き込むのか〜〜〜!って感心したり。
写真模写だけだと、どうやって二次元に落とし込むのかをゼロから試行錯誤することになるのですごく時間がかかるけど、先人がすでに試行錯誤してアウトプットしたものから学ぶとはるかに効率がいい…。もちろん丸パクリするわけではなく、色収差とかパーリンノイズとかガウスぼかしで被写界深度の表現とか線画の色トレスとか涙袋ギラギラとか、もうみんなが当たり前にやってる技法はどんどん吸収していくべきだと思います。
ちょい見せ。一部だけ切り取って掲載。
作品としてどうやって着地させるかがずっと課題なので、非常に有益な方法でした。
上手い人の作品をいっぱい見てきたつもりだったけど、実際に描いてみると、見るだけじゃ全然理解できてなかったなーと思うほど発見が多いです。
16.「良さの源流になっている作品」に当たる
得られた効果:自分の画風の確立のためのヒント
前項で、あえて昔の作品を写経してみたのはこのツイートがきっかけ。
流行とオリジナリティのバランスって難しくて、流行りのテイストを意識するとこれナニナニさんの絵に似てるかも…ってなりがちで、ともすれば「量産型劣化版ナントカさん」みたいになってる可能性も。
どうしても先人の作品に似てしまうのは多少は仕方がないとは思いつつ、上記のツイートを参考に、ちょっと昔の作品も研究してみることにしました。
好きなテイストなこともあり、最初に選んだのが先程の杉浦非水とか、小林かいちとか、大正モダンな感じのイラストでした。絶版も多いけど。今買うならこの本とかおすすめかも。いろんな作者の絵が紹介されています。
海外も。レトロ系好きな人にめちゃくちゃおすすめなのがコレ。電子書籍のみだけど、ミュシャとかライエンデッカーとか、いろいろ880点以上てんこ盛りで300円。Kindle unlimitedも対象。
今は特にロシア、旧ソビエトの古き良きイラストを研究しています。これはイワン・ビリービン。
掘り下げていくとたとえば杉浦非水はミュシャの影響を受けてて、そのミュシャも、というかビリービンもゴッホもクリムトも、かなりの西洋画家が日本の浮世絵に影響を受けていたりするので、浮世絵ももっと勉強したいなと思っています。
ちなみに、イラストレーターの木内達朗さんも浮世絵にとても影響されたそう。こちらの記事は有料(とはいえ150円)ですが、今の話が刺さった方は是非!!こちらも流行の画風だけ研究するよりも、名画にも学ぶほうがいいよという話がより説得力あるエピソードを交えて書かれています。
というわけで昔の絵の研究、ほんとにやって良かったなーって思います。半年くらいいろいろ研究してたら、なんとなくこういうのが描きたい!っていう自分の方向性が見つかりました。まだまだ勉強中だけど。
杉浦非水もミュシャもビリービンも、当時海外の作品を見たり手に入れるのきっと苦労しただろうけど、今はpinterestもAmazonもあるので最高だなって思います。
17.自分のタッチで写真を模写
得られた効果:はかりしれない
これも自分の画風の模索の一環。
Procreate写経のおかげで、とりあえずストレスなくツールを使いこなせるようになってきたので、9月頃からは見たまま描くだけでなく、少しずつ自分のタッチとかテイストを出すことを考えながら写真模写をすることにしました。
これまでの練習のおかげで思いの外上手く描けるようになってて嬉しかったです。模写とはいえ、こういうの去年だったら絶対描けなかったな…。
だんだんブラシや色で遊べるようになってきました。筆の形をそのまま生かすのも面白い。
18.色と光の勉強(カラー&ライト)
得られた効果:光と色の理解。美術館に行くのが楽しくなる。
AmazonレビューやSNSでの評判が良かったのだけど、買った当初は理論ばっかりで面白くないなーと思って読むのをやめてしまったこの本。
写真模写をするようになってから改めて読み返したら、「ああいう光の当て方ってこういう名前だったのかー!」って発見がいっぱいありました。
間違っても「新しいレイヤーをオーバーレイで重ねて赤みを足します」なんてことは書いていないし、絵の具や顔料のことなどアナログ中心ではあるのですが、さまざまな環境下での光と色の原理が紹介されていて、時代や技法を問わずに応用できそうな内容。これもやっぱり読むだけじゃなくて、作品に取り入れてみると身につきやすいかも。
カラー&ライトで得た知識をもとに、いろんな絵を観察するのもいいと思います。美術館に行くのがちょっと楽しくなりました。
海外の動画だけど、こちらのArtist Eye Trainingのシリーズもおすすめ。例えばこの動画は、トマトとかバナナとか使って実際にどんなふうに光が反射してるか実験しています。カラー&ライトやそれに似た本を読んだことがあれば、英語が分からなくてもなんとなく理解できるはず!同じ内容も出てくるし、視覚的にわかりやすく作られてるので。
ちなみにさいとうなおき先生が動画でおすすめされたため品薄になってるみたいですが、ボーンデジタルさんのことなのでじゃんじゃん刷ってくれると思います。電子書籍がないのは著者の意向なのかなぁ…。
19.Vision読む
それからこの本。vision。色と光&構図の本。
もとは映像系の人向けで、買った書店でも映画コーナーに置かれてました。どちらかというと技術点よりも芸術点のための本で、見た人にどんな心理的効果を与えるか?みたいなことが掘り下げられています。
ペラペラめくって読んでも参考になるけど、一番真価を発揮してくれたのは”作品を作る”ことを重点目標にしていた時かも。
デジタルツールの進化や絵の流行に左右されない根っこの部分を育てるために、どこかでエンカウントしておかねばならない本だと思います。ただ、ある程度描いている人ならともかく、ネットの評判に乗せられてお絵描き初心者とかが買って読んでもちょっと理解するのが難しいかも(理論大好きな人除く)。
20 .色塗りチュートリアル&光と色のチュートリアルで練習
得られた効果:面でとらえる、塊でとらえる感覚
色や光についてなら、易しくて実用的だったのがこの本↓。カラー&ライトで挫折しちゃうくらいなら、最初はこういうの読む方がいいかも。
レイヤー効果とか、具体的にデジタルツールでどうやって表現すればいいかというところまでしっかり道案内してくれます。理論とかいいからとにかくすぐ実践できるテクニックを知りたいという人に。レビュー読んでたら、やっぱりカラー&ライトの前哨戦的な意味合いでおすすめしてる人が多かった!
作例ではphotoshopが使われています。アプリによってはツールや効果の名前が違いますが、クリスタとかでも使えるかと。
このシリーズはどれも評判がいいですが、ほんとに買って良かった。特に厚塗りとか水彩塗りをやりたい人はマストバイかも。作例はやや漫画っぽい絵だけど、装画系イラスト描く人でもリアルめな絵が描きたいなら読んで損はないと思います。
今まで自己流で表面だけ真似してちょちょちょって厚塗り風にしてたんだけど、「面で捉える」「立体として捉えてから細部を描く」、というやり方がやっと理解できてきました。
もっと早く読んでおけばよかった。
私の周りではあんまりこの本やってる人が少なくて、なんでだろうと思ったら2020年の出版時点でかなり話題になっていたみたいで、もうみんなとっくに読みおわってたみたい笑。
そしてこちらは12月に出た新刊。
これもつくづく買ってよかった。光や色についての物理法則みたいな、「お勉強〜〜〜!」なページも多いんだけど、ちゃんと着地点がデジ絵の話になってるのが最高すぎる。「こういう天気の時はこう見えます」で終わっちゃう本が多そうな中、この本は「それを表現するには、乗算で〇%でこういう色を乗せます」みたいなところまでしっかり道案内してくれています。読みながら投げ銭しそうになりました(そんなシステムはありません)。「乗算や焼き込みカラーは減算混色、覆い焼きは加法混色」みたいな話には思わず感心しちゃった。
お勉強パートも漫画や図解でこれ以上ないくらい分かりやすくて、子供向け科学まんが的な感覚で読めます。
21.厚塗り百人斬り(百人斬ってない)
パク・リノさんの本と合わせて、私が抱えていた塗りの課題にすごーく効いたのがこちらの動画。
本当はこの後、ディテール編の動画で細部を描いて完成させているのですが、まずはベースの肌の塗りが課題と考えて、この動画の工程をたくさん練習しました。
これが抜群に効いてくれて、あーでもないこーでもないって試行錯誤しながら塗ってたのが、だんだんパキッと決まるようになって、塗りの作業が楽しくなってきました。その辺の経緯は、こちらの記事にも書いています。
22.配色を研究する
2021年、最後まであーだこーだ悩んでいたのが配色。正直まだまだ納得いくレベルにはなってないんだけど、なんで自分の配色が垢抜けないのかいくつかヒントは発見できました。
・明暗の差をしっかりつける。
・白を白で表現しない。
色数絞るとか、流行の配色パターンを真似してみるとか。
あとコレ。さいとうなおき先生の動画でよく出てくる「ベースカラー」「アソートカラー」「アクセントカラー」のお話も意識したい…。
あとは、ラフの段階でモノクロで明暗のバランスを見たり、カラーラフといってラフの段階でざっくり色を置いてみるやり方!絵を描いてる人には当たり前かもしれないけど、2021年に初めて知りました。
しーらーなかーったー!!
カラーラフを活用した時短術。キャラ絵系ですが。
配色については、焼きまゆるさんのこちらの動画も、具体的ですごく勉強になりました。カラーサークルのこの辺の色は使うな!みたいな話とか。
動画の中でサラッと言ってるけど「売れてるイラストレーターの使っている色をスポイトしまくって研究」したんだって。うまい人って決して感覚で塗ってるわけじゃないんだな…。
スポイトまではしなかったけど、流行りの絵で使われている配色をいろいろ研究してみるの、一番勉強になったかも。
恥ずかしながらグラデーションマップも最近まで知らなかったです。
23.要素が多い絵も描けるようにする
得られた効果:実力も付くし、手っ取り早く絵のクォリティを高く見せるのにも◎。
自分の絵を見返すと、上手い人と比べて何だか情報量少ないなーと思うものが多いです。もちろん多ければいいってものでもないし、シンプルな構図で素晴らしい作品もたくさんあるけど、描けるけど描かないのと描けないのは大違い。
そこで今年は、モチーフが多い絵をどんどん描くことにしました。人物を複数人配置したり、小物や背景を入れたり、花や飾り枠みたいなあしらいを取り入れたり。前述の複数人クロッキーもすごく有効だったし、何か足りない時にアイデアスケッチから拾って描きたしたりとかして。
これは試行錯誤してるとこ。
上手くまとめるには配色や構成など総合的な力が必要で、それこそが絵の「うまさ」なのだと思います。それを鍛える意味でも、良い練習になったはず。
24.デバイスまわりを整える
得られた効果:日々の小さなストレスの解消
ハード面(?)もいろいろ工夫してみることに。
疲れずに長時間描けるようにAppleペンシルのグリップを探求したり、
ペーパーライクフィルムをDIYしたり、
左手デバイスを導入したりしました。
ちょっとしたことで作業効率ってうんと上がるので、いつものやり方を見直したり、ここが不便だなーって思ってる点をどんどん改善するのを習慣にしたい。ツールの機能を勉強することもそう。忙しい木こりにならない工夫ってだいじだな。
25.時短&効率について考える
得られた効果:時短
一枚の作品を完成させるのに、無駄な時間をかけずに効率よく作業したいなーと思っていろいろ研究しました。上で紹介したデバイス周りもその一環。
・お絵描きツールの時短テクニックを学ぶ
まずコレ。ショートカットとかそういうの。
ツールを活用した時短術はいっぱいあるけど、それ以外でも無駄な修正や戻りをなくして効率を上げる方法も。やっぱり事前にしっかりイメージと土台を作っておくのが大事なのかも。こういうのもっと知りたいなぁ。
・下書きを丁寧にやる
・カラーラフしっかり作る
・資料探しの時間を節約する
意外と資料探すためにかなりの時間を費やしている気がします。いざ描きたい時にすぐ作業できるように、例えば好きなモチーフは日頃からpinterestでボードにまとめたりしています。
あとは、ポーズ系のアプリもいろいろ。
ー資料探しのためにはKindle unlimitedもかなり重宝しています。ポーズ集や素材脩も増えてきたし、図鑑系の本も多いです。もちろんフリー素材系の本以外はトレスやまんまパクって発表するのはアウトです。
26.描かずにできる練習
効果:手を休めながら画力を上げられる。資料を見ないで描く力がつく
きっかけはクロッキーやりすぎで手が痛くなっちゃったことだったんだけど、お手本を見ないで描くための訓練にもなるのでおすすめ。
例えばイメージの中でシルエットを捉える練習。
アカチャンも。
こんな感じで。
もう少し細かいところまで頭の中でイメージを再生する練習もあって、その場合上手くできるまで対象を見たり目を瞑ったりを何度か繰り返します。詳しくはこちらの記事で紹介しました。
場所を選ばずできるので、行列に並んでる時とかバイトがすっごく暇な時とか、普段からやってみると良いかも。
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モチベーション&ライフハック編
さて、後半はテクニックとは関係ない、習慣術とかの精神論っぽい話が中心になっていきます。(でもパフパフした抽象的な話じゃなくて、なるべく今日から明日からすぐ実行できるような話を中心にまとめました。)
27.毎日絵の練習をする時間帯を決める
noteお絵描きクラスタの皆さんで読んでいない人、もはやいないんじゃないかと思うこの記事↓
その中で紹介されていたのが、毎日この時間に絵の練習をする、って決めること。
私は在宅ワークになったので、最初のうちは毎日始業前30分を絵の練習に充てることに決めました(今はもっとたくさん描いています)。
2~3週間もするとだんだん習慣が体に身について、目覚めるなりスケッチブックに手が伸びるようになりました。自分を追い込んだり、モチベーションを無理やり上げようとするよりもずっと簡単で確実だしおすすめです。
28.“フェイルソフト”も継続のコツかも
毎年、一年の最初に今年はいっぱい絵を描くぞー!って思ってもだいたい3月くらいで続かなくなっちゃうんだけど、今年はぶじ一年間完走できました。
何でだろーって考えたら理由はいろいろあるんだけど(このご時世で仕事が在宅になったり、遊びの予定が減ったり、そういう外的な要素も大きい)、
「いっぱい描かなくてもいいからゼロになる日は作らない。毎日ちょっとでも描く!」という方針でいたのも良かったです。いわゆるフェイルソフトというやつ。
正直練習時間ゼロの日もあったんだけど、完全に描かない日が続いてしまうと気付いたら何ヶ月も描かずに経過しちゃう…なんてことになったりするので、クロッキー1分1体とかほんの少しだけでも続けて、絵を描くことから離れないのが良いと思います。
29.曜日で練習するメニューを決める
もくもくとクロッキーとかだけやってた時期は良かったんだけど、後半になってくるとやりたい練習が色々増えて、何をやろうか迷ってるうちに結局クロッキーちょっとやっただけで一日終了、なんてことも起きてしまいました。
そこで、終盤には曜日ごとにやることを決めて1週間で回していくことに。メニューは随時変えていったけど、一例こんな感じ↓
月曜日:好きなイラストレーターの絵の写経
火曜日:建物や背景の練習
水曜日:塗りの研究
木曜日:写真模写(自分のタッチを模索しつつ)
金曜日:昔のイラストの研究(模写)
土曜日&日曜日:平日にやり残した練習を仕上げる、自分の作品を描く
毎日やる:クロッキー、土日に描く作品のアイデア出しやラフ、資料集めなどの準備、モルフォ&ソッカ
一つの練習に集中したほうが学習曲線的には効率がよさそうだけど、私には日替わりメニューの方があってたみたい。
あらかじめ練習に使いたい題材をストックしておいたので、何をやろうかなーーって考えるところに無駄なリソースを使わず、何も考えずにとりあえず作業に取り掛かれるのがすごく良かったです。
あと、毎日同じ練習だと「今日はいっかー」ってなっちゃうところを、「今日を逃したら次は来週になっちゃう…」ってなるのでサボりもわりと防げたし、イベント感もあってちょっと楽しい。
日替わり練習メニューについて、詳しくは9月の記録に。
30.これでいっか、を減らす
すごくバズったこの記事。要約すると、絵を描いていて覚えた違和感を無視せず、妥協しないで仕上げよう!っていうお話です。
ここまで徹底はできなかったけど、「ちょっと雑だけどこれでいっか…」って終わらせようとするのを我慢して、もう一歩二歩踏ん張って描くようにしました。
全部は無理でも、例えば顔だけは本当に納得いくのが描けるまで妥協しない!とか、こだわりポイントを作ってもいいかもしれません。私は、”手”だけは変なところが無いように納得いくまで描く!を心がけています。
31.人の練習方法に学ぶ
成長が鈍くなってきたなと思った時は特に、人の練習方法を参考にしてやり方を見直してみたりしました。
noteのお絵描き練習系の記事を収集してみたりとかして。
https://note.com/okanote/m/me1b0ab9240f2
動画系も。こちらの9:00くらいの話がめちゃくちゃ参考になったので、是非見てみてください(冒頭いきなり歌が始まるので音量注意)。
○日間練習して上手くなりました系の話って結局元からまあまあ描けてるじゃん!!ってパターンが多いけど、この人はほんとにすごい。もともと模型とかやってたのもあると思うけど。
「初期はとにかく時間内に全体を描き切ることを課題にして、1日30体。最終的に1日10体に数を減らして、代わりに納得いけるまで描けるように。」とか、今何が課題で、そのために何をやるのか明確に考えて練習している感じ。そりゃ上手くなるよね。
そして、「色が課題になって一年色を効果的に使う練習をしました」「好きなもの(エンジンがある乗り物)を取り入れて描く課題を一年やりました」みたいな話をサラッとしてるのが印象的。私含め多くの人が一年も頑張らずに「自分はもう色使いが下手だからダメ〜」って思っちゃってるんじゃないかな。上手い人は努力し続けている…!
それから、動画コンテンツはあまり買わないようにしてたんだけど(買ったのもあるけど、だいたいガッカリしちゃった。本の方が安くて情報量多いから好き)、これはタメになったかも。
特に独学でどうやって絵を身につけたか、っていう話が参考になりました。絵の教本はアンダーラインを引きながら、わからないところがなくなるくらい何度も読み返したんだって。次から次へと本買っちゃう私は身につまされる話…。
32.図書館や電子書籍で本ゲル係数を削減する
2021年、上手くなるためには投資も惜しまない!と思って絵の教本はどんどん買ったのですが、この手の本って3000〜4000円する本も多いので(定番の本はメリカリでもあんまり値段変わらない…。)学生さんとかなら、図書館を活用するのもおすすめです。意外とAmazonでレビューの評価が高い本も置いていたりします。
本を探すのにおすすめはこれ!chrome拡張機能なのでパソコン用です。いちいち別のサイトで本のタイトルをコピペして調べなくても、Amazonの画面上に検索した本が任意の図書館に置いてあるかどうか表示されるようになります。
図書館よく使う人なら感動するはずなので是非使ってみて欲しい…!!
近くに大きな図書館がなくても、住んでる自治体だけでなく、通勤・通学先の自治体の図書館もだいたい利用可能だと思うので、そちらも登録しておくといいです。
私の場合は隣町のすごく大きい図書館が利用可能で、欲しい本が高確率で置いてあります。Kindle unlimitedとかより遥かに品揃えがいいです。人気の本は予約待ちだけど、その間に他の教本で勉強して待ってればOK。
なにかと使い勝手が悪い図書館の検索システムの代わりとしても活用できちゃいます。書影もレビューも見れるし、図書館ライフに革命が起きるぞ!スマホとかに入れられないのが残念。
図書館にも置いていない本は、リクエストして取り寄せしてもらうこともできます。生徒さん学生さんなら、学校の図書館にリクエストするのもいいかも。司書さんを味方につけるべし!!!
あと、電子書籍買うならhontoもおすすめです。Amazonだと割引になってない電子書籍がhontoでは割引になってることもあるし(買ったの忘れて重複して買わないように気をつけないとだけど)、電子書籍20%オフクーポンがかなりの頻度で配布されています。たまーーに25%オフクーポンも。初回のお買い物なら50%オフクーポンとかもらえたりするので、高くてなかなか手が出ない本があるときに是非!
最近ではずっと欲しかったこのだらっとしたポーズカタログをですね、25%オフクーポン適用で2,860円→2,145円で購入しました。
また、使い方によってはかなり重宝するのが、“特割50”。対象の本限定ですが、紙の本で買ってから5年間であれば、電子書籍版を50%割引で買える制度です。対象外の書籍もあるけど、めぼしい本はかなり対応していて、visionとかも対象になってます。(ソッカ本とかパク・リノさんとか韓国系の本はそもそも電子自体ないことが多いので残念…。カラー&ライトも電子版は無し。)
例えば画集なんかは紙で手元に置きたいものが多いけど、模写するには電子版の方が拡大できて便利なので、あとから特割で買ったりとか。
それからhontoは、Amazonよりもポイントが貯まりやすいです。丸善・ジュンク堂・文教堂のリアル書店と提携してるので、そこで買ってもポイントがつくのが嬉しい。実店舗でもネットでも、楽天ポイントと二重取りが可能です。
また、紙の本を通販で買う場合はプラス200円でフィルムコート加工をしてくれます!ソッカとか、繰り返し読んで模写して使い倒したい本をフィルムコートしてもらっています。語学の本とかにもおすすめ。
検索アルゴリズムとか通販のサービス(早さ、送料もろもろ)とかサポートの質とか、どうしてもAmazon帝国の力にはかなわない点も多いけど、日本の書店を応援する意味も込めて良く利用しています。裏切られることもあるけれど。
おまけ。ルーミス先生の英語版の本は著作権切れてて無料で読めるみたい!英語な上文字が潰れてて読みづらいんだけど、とりあえず模写したい時とか、買う前に内容を吟味したいときに便利かも。
33.インスタでイラスト専用アカウントを作る
これはもうみんなとっくにやってると思うけど、インスタで粛々とイラストをアップする絵の専用アカウントを作りました。リアルの知り合いとは繋がらず、自分がフォローするのもほぼ絵描きアカウントだけに絞っています。
これでとにかく他の人のイラスト(ときどき自分のイラストも)だけがどんどん目に入る状態に。
すると、今までいい感じに描けていると思っていた作品も急に自分が世界で一番へたっぴなんじゃないかと思うほど陳腐に見えて、自分の絵に求めるクォリティが強制的に上がりました。
芸能界に入るとなんかみんな垢抜けてオシャレになるのと一緒で、上手い人たちに揉まれるのが大事なんじゃないかなーと思います。
副作用として、人と比べたり、フォロワーが減ったりいいねが伸びなくて落ち込む、ということもありますが、そんな時は「俺の才能を見抜けない奴らに見る目がないだけ」と思ってメンタルを保つのがコツです。冗談抜きで、ほんとにこれ。
投稿する時は、同じテイストや画材の絵が連続するように工夫すると、統一感が出て見栄えが良くなります。
インスタについてはこちらの方の記事もぜひー。
34.Twitterで絵の練習垢の人たちと繋がる
「絵の練習垢」「クロッキー 練習」などのキーワードで、Twitterの練習垢の人たちを見つけてフォローしました。
教本や練習方法、ポーズサイト、おすすめ動画やクリスタの機能など、Twitterをやっていなければ知ることができなかった有益な情報は数知れず。そもそもTwitterがなければクロッキーもやってなかったんじゃないかなと思います。
特に有益だったのはこれかな?クリスタのパーリンノイズ。ある時TLがパーリンノイズって言葉だらけになって、この動画を知りました。
小麦袋クロッキーとかも流行ったなぁ。
小麦袋たんかわいい。
絵の練習垢のみなさんをフォローしていることで、こういう有益なツイートもどんどんTLに流れてくるようになりました。
情報交換だけでなく、何より励まし合いながら練習絵をアップすることで、継続して頑張る気持ちを保てました。Twitterでみんなが日々練習しているのを見ると、あ!やらなきゃ!ってなるし、それがなかったら絶対一年も頑張れなかったと思います。逆に「岡崎さんが練習内容をUPしているのを見て頑張らなきゃってなりました」!って言われたりして。ホントは自分だけ誰よりも練習してぶっちぎりで上手くなりたかったけど、みんなで上手くなった方が嬉しい。
35.いい習慣で悪い習慣を駆逐する
この記事の「自分を賢くしないものを断つ」っていう話に感銘を受けたものの、全く実行できてなくてごめんなさいーっていう気持ちになっていました。
自分を賢くしないもの、私にとっては惰性でやってたオンラインゲーム、まとめサイトやゴシップ読み漁っちゃうし、惰性で続けてたサブスク、惰性で読んでる無料漫画サイトとか。
ところが、「悪いものを断つ、よくないことに時間を使わないようにする…」ということを意識するよりも、「良い習慣を行う、良質なものに触れる、綺麗なものを見る時間を増やす」ことを意識した方が、不思議とネガティブなことに使う時間も減るみたい。
今年は絵の練習も含めて、「毎日の小さいルーティンをたくさん続ける」チャレンジをしていたのですが、これがかなり効きました。
ルーティンは毎日1ページ以上本を読むとか、外国語アプリを1レッスン分やるとか、ちょっとでいいから運動するとか、とにかく軽めのもの。
慣れてくると、隙間時間ができたらゲームする代わりに「よし!単語覚えよう!」みたいにやるべきことに意識が向かうようになりました。ダイエットも、太るものを食べないようにするよりもヘルシーなものを食べることに意識を向けた方が効果があったりするんだよね。
絵以外のルーティンが多くて結局絵に使える時間減ってるじゃん?って思いきや、ダラダラ浪費する時間と違って、かえってメリハリがついてよかったです。
さらに、例えば英語を勉強すると情報源が爆発的に増えて海外のチュートリアルとかも理解できるようになるし、オンライン英会話で美術専攻してた先生に絵の相談したりできるし、運動すると手や肩の凝りの予防になるし、いろいろ相乗効果もあって良いです。ハッピー。
36.生活ぜんぶがインプット(自戒)
ほんとに時々見返したいこのツイート。
根っからの自堕落だからなかなか続かないことが多いけど、いい本を読んだり、料理したり、美術館に行ったり、ステキなお皿を買ったり、生活を豊かにしてくれることに”今までよりも”時間とお金を使うように心がけました。
もちろんその分絵の練習にかけられる時間は減るけど、確かにものすごくたくさんのインスピレーションを受けたなーという実感があります。「あ!ひらめいたー!」みたいなわかりやすいものだけじゃなく、無意識にも。
よくお絵描き界隈で「某通販カタログを練習に使う」、っていうのよく見るけど、そういう意味でもどうせなら洋服や写真のクォリティがもっと高いちゃんとしたファッション雑誌を使うのも個人的におすすめです。考え方は人それぞれだけど。
37.新しい行動パターンを取り入れて生活の新鮮さを保つ
4月くらいにいったんモチベーションが落ちかけていたのですが、あるきっかけでまた浮上しました。そのきっかけは絵と全然関係なくて、オンライン英会話を再開したこと。
朝イチで受講していたのですが、生活リズムも整ったし、朝誰かと会話して社会的スイッチが入ることでその後いろいろ捗るように。
人間、同じことだけ続けているとすぐ飽きてしまうので、直接絵と関係ないことでもいいから、時々今までの行動パターンになかったことを生活に取り入れて新鮮さを取り戻すのがいいみたい。特に、ADHD的な傾向がある人には声を大にしておすすめしたいかも!
大人になると(さらに子供もいないと)クラス替えとか進級とかもないので、意識的に生活に変化を起こしてあげるのが大事だと思います。引っ越しとか転職とか大きなことじゃなくて、小さいことでも。ワクワクすること、やってみたかったこと、今までの行動パターンになかったこと、自分がやらなさそうなことをあえてやってみる、とかもいいと思います。
今はオンラインで何でも習えるし、飽きて辞めたっていいし、お金がかからないことでもいいので。
私はカリグラフィーをやったり、朝イチウォーキングを始めたり、新しいソフト(Blenderはソフトも無料だしチュートリアルも無料でいいのがいっぱいあるよー)でなんか作ったり、新しい言語を勉強したりオンラインコミュニティに入ってみたりパン焼いてみたり魚捌いてみたりしました。
他にも、例えばカメラの勉強をしてみるのは絵を描くのにもすごく役立つし(構図とかホワイトバランスとか被写界深度とか)、行ったことのない店やスポットに行ってみたり(このご時世だと難しいけど)、ジムに通ったりyoutubeとか見てヨガやワークアウト始めたり、家族や友達が好きだけど自分は興味なかった分野に興味持ってみるとか、しばらく連絡とってなかった友達にLINEしてみるとか、何でもいいです。部屋の模様替えとか、ご飯が先かお風呂が先かの順番を変えるとかでもいいと思います。
38.良い食生活と運動と睡眠
週1~2回ほどオンライン料理教室を受講して、数日分を作りおきしています。これが健康面と時短面において非常~~~に画期的!週末に作り置きするライフハックはよく聞くけど、さらに進化した感じ。
レッスンはたかだか1〜2時間で、しかも先生たちは「これを茹でてる間にこの食材を切って…」みたいに効率の良さを考え尽くしているので、自分1人で作るよりも短時間でたくさんの品目を作ることができます。受講料も一回1000円〜とかだし、指示された食材を買っておけばいいし、献立考えたりレシピ調べたりみたいな地味に時間がかかってた作業も必要ない!毎日の「今日何作ろうかなースーパー行かないとなー」っていう時間から解放されて、作業に使える時間が増えました。もう、生活全般アゲアゲに底上げ。
それ以前(2021年前半)はご飯食べないかコンビニか冷凍うどんか、みたいなひどい食生活だったのですが、お陰で今年の人間ドックは問題なしでした。フリーランスや在宅でお仕事してて、食生活が乱れてるのが気になる人には本当におすすめです。zoomで人と話しながら料理するのも精神衛生的に良いし。
絵をいっぱい描きたいって思うとついつい生活がおろそかになりがちだったんだけど、やっぱりきちんとしていた方が長い目で見れば効率がいいし、絵を描けるのも健康な体があってこそ。
あとは朝運動する(30分くらい歩いてます。脳に酸素がいくので一日しゃっきり)、睡眠を整える、などもいろいろ頑張ったけど、まあ、こんなの人から言われなくたってみんなわかってるよね。
39.勉強の場に参加する
リモートワークも一年以上になった4月頃、とうとう孤独すぎて発狂しそうになったので、イラストを描く仲間を作ることにしました。あと、上手い人がいっぱいいる場に行って打ちのめされたかったので。スクールも考えたんだけど、とりあえずオンラインのコミュニティに入りました。
オンラインサロンの類にはかなり偏見を持ってたんだけど、イラストだけじゃなくてデザインもブラッシュアップできるし、入って大正解でした。「絵を描く…おともだちが…いっぱいいる…!」と泣きそうになったのを覚えています。同じ黒い魚の仲間たちと出会ったスイミーの気持ちこんな感じじゃないかと思います(スイミーにそういう話があったかは知りません。)
褒め称えるほど胡散臭くなっちゃうから詳しくは書かないけど、仲間もいっぱいできたし有益な情報もたくさん得ることができました。
他にも、イラスト大教室とかデザイン寄りだと前田デザイン室とかオンライン上司とか、無料だとhiroさんとこのゴキンジョ(私もメンバーなんだけどほぼ見る専門…)とかいろいろあるし、キャラ絵系描いてる人ならDiscordとかでグループがあると思います。
40.noteで発信する
密かにこれも効果がありました。自分にプレッシャーをかける意味で。毎月noteで練習内容を報告してるのに全然上手くなってなかったら説得力もないし、読んですらもらえないかも。記事のアクセスが伸びればちょっとした収入にもなるし、できれば一年の最後に「こんなに上手くなりました!」ってドヤ顔で締め括りたい。そんな不純な同機が、今日はこのくらいにしとこうかな…いや、もうちょっとだけ練習しよう!という気持ちにさせてくれました。
ドヤ顔…できるかな。オリジナルの作品がもっとたくさん描けてればな…。
一年の総括
以下はこぼれ話です。描き切れなかったこと、上達方法以外の話を。
絵を描くのが劇的に楽しくなった
去年までの私は、毎日のように「ああ、今日も何も描けなかった」って思いながら一日を終えていました。
一方で、上手い人ってびっくりするほどたくさん描いてて、描かないと死んじゃうタイプの人ってホントにいるんだなって思うほど。なんなら仕事絵の合間に趣味絵を描いていたりする人もたくさんいます。
そういう人たちと比較して、「絵を描くのが楽しい、描きたいっていう気持ちを持ち続けられることも才能の一つだとしたら、私はそういう意味でも才能がないのかもしれない…」って落ち込んでたんだけど、違いました。そういう源泉みたいなのは生まれつき湧出量が決まっているわけじゃなくて、育てていけるものだったみたい。
今では練習する→上手くなる→楽しくなる→ますます練習する という良いスパイラル(?)になっています。
あと、某中華ファンタジーに沼落ちしたら「萌えは別腹」ということが理解できました…。どれだけ絵の練習して疲れてても、二次創作はできる…!!!なるほどね!
教本やノウハウは刺さるタイミングがある
評判のいい教本なのに読んでみたらいまいちピンとこない…と思っていたけど、数ヶ月後に読み返したら有益な情報の宝庫だったということが何度かありました。例えば前述のソッカやカラー&ライトもそう。
それからアニメ私塾さんのこの本
は、クロッキーや模写をやる前に読んで「なんだ、精神論ばっかりじゃん…」って思ってガッカリしたんだけど、いざたくさん練習するようになってから読んだら、自分が悩んでいること、まさにその時に陥ってしまっていた悪い考えとそれに対する対策などが書かれていて、「なんだこれ!!予言の書か!」とびっくりしてしまいました。
この本とかもそう。昔図書館で借りて流し読みしただけだったんだけど、実際に色々練習してる今読み返すとすごく為になる…!ここ一年の練習を通して経験的に感じてたことが、理論的に体系だって説明されてる感じ。ただ、結構怖いことも書いてる。「本気になれば俺だってすごいんだと思いながら死ぬまで本気にならない人は、何にもなれません」とか書いてある。
ホラー小説かな。
ちょうどデザイナーの角田さんがこんなことをおっしゃっていて、まさにこういうことだったんだなーと納得。
練習のための練習はするなというけれど
練習ばかりやらずに作品をどんどん描くべし!みたいな意見も多いけど、個人的な経験では練習も作品作りも両輪のようなもので、どちらも回していく必要があるなーと感じています。
基礎力がないうちは作品を描いても形にするまでに時間がすごくかかるし、楽しくないし、そもそもいい絵と悪い絵もわかってなかったなと思います。
一時期、“インスタ1日1絵”を目指してたんだけど、結果としてゴミみたいな絵がタイムライン上に量産されただけでべつに上手くもなりませんでした。同じだけの時間かけてクロッキーとか基礎練習してた方がよっぽど上達していたはず(両方やるのが一番いいけど)。
もちろんこれは人それぞれで、有名どころのお絵描きYouTuberさんのあいだでもすごく意見が分かれるところみたい。結局自分に合うやり方が一番で、基礎練嫌いな人はガシガシ作品絵を描くのもアリだと思います。作品を描くことで得られるものはすごく多いです。
何をやったらいいかわからなくて何もしないくらいなら、一日クロッキー1体とかでもやったほうがいいんじゃないかな。
季節や体調のバイオリズムもある
例年、8月がダレ気味。暑いせいかなぁ。11月後半〜12月にかけても不調で思ったより成果が出せませんでした。これは日照時間が少ないこと、特に日の出時間が遅くなって朝練が鈍ったのが原因。それいうなら1月もなんだけど、1月は新年で急にモチベーション上がって相殺される感じ。
だいたい毎年この時期がダメっていうのがわかっているので、2022年はあえてこの時期を狙ってデッサンの教室に行ってみたり、有料の講座を受けてみたり、無理矢理頑張る環境を作ってみようかなって思っています。もしくは他の時期で頑張ることにして、あえてのんびり月間にしちゃうか。
それから女性だと1か月のバイオリズムも加わるので、何やっても眠いサイクルの時はクロッキーとか最低限の練習だけで、その分いわゆるキラキラ期に頑張る、とかもありかも。
どこ向けの情報なのかもある
キャラ絵系(コミックイラストみたいなの)か、装画系・デザイン系かって、境目も曖昧だしそんな連呼するのもナンセンスな気がするけど、情報の取捨選択するうえではちょっと気をつけた方がいいなーって思うことがあります。特にお仕事にしたい場合。
たとえば、プロのイラストレーターになりたいならTwitterのフォロワー○万人くらいいないとダメ!みたいなツイートが定期的に流れてくるけど、これはだいたいキャラ絵系、コミック系の話っぽいです。装画系のイラストレーターさんだと、めちゃくちゃ有名な人でもフォロワー10万人いないとか普通です(それだけコミック系のイラストが修羅の道ってことなんだと思います…)。
イラストのテイストはひとつに絞らないとダメ?みたいな質問もよく飛び交ってるけど、装画系やデザイン系のイラストレーターは、女性向け子供向け特定の業界向け〜みたいに、1人でいろんなスタイルがある人も多いです。
イラストレーターって一言でいってもこんなふうに分野によって事情が違うので、一つの情報を間に受けずに、自分が目指すところと照らし合わせて考える必要があるのかも。特にクロッキー界隈はアニメーターさんも多いので。もちろん、あえて違う分野で言われていることを練習に取り入れるとかは大いにアリだと思います。
結局は物量
羽海野チカさんが以前ある本で「物量(練習や作品の量と解釈します)は才能を凌駕する」と発言されていたけど、本当にそれでした。
手を描くのが苦手、建物を描くのが苦手、っていうのはただ単に練習量が足りていないだけで、物量でゴリ押せば描けるようになる。それに、自分が苦手な分野ってだいたい他の人も苦手なので、頑張ればそれが武器になると思います。
その物量も、クロッキーやデッサンで鍛えることで描くスピードが上がっていくで、どんどん描けるようになっていきます。
ずっと「どうせ美大も出てないからだめなんだ…」って思っていたけど、美大に進んだ人たちは受験のために毎日何時間も絵の練習に費やしてるし、入学してからも100枚クロッキーとかとんでもない課題をこなしていたりしてるわけで、これからはそんな愚痴を言う時間があれば練習しようと思います。
ちなみにこれは和田誠展で膨大な作品数に圧倒されたときのツイート。和田誠さんはもともとの類稀なるセンスと才能があるけど、そうじゃなかったとしてもこのくらいたくさん描けばそれなりにならない人なんていないはず…!
ほんこれ…。ほんこれ…。ほんこれ…。20代の頃の自分に伝えたい。
この話にも通じるところある。頼まれもしないのに作る。
頑張るほど悲しくなったりもする
というわけで、いろいろ練習して研究した一年ですが、正直、頑張れば頑張るほど「もっと若い時に頑張ってれば今頃どうなってたかな…」っていう気持ちが湧いて、ときどき悲しくなってしまいました。
昔は今ほど情報もなくて、どうすれば上手くなるのか迷走していました。20代の頃なんてお絵描きyoutuberもいなかったし、さいとうなおき先生もまだクリーチャーとか描いてただろうし、クロッキーカフェもなかったし、ポーマニは多分あったけど筋肉人間怖かったし、中学時代はネットすらなくて、ファンロードとか読んで研究するのが精一杯だったなあ…。
10代のうち、20代のうちに、いやせめて30代前半のうちにいろいろ気づいていればなーと思うけど、その後悔もあったからこそ今頑張れているのもあるし、そういう残念無念な気持ちも含めて自分の人生を愛そうと思っています。こういうnote描いてるのも、同じ思いをする人が減れば良いなーっていうのが一つの動機です。
というわけで、残りの人生かけて神絵師になれればいいかな。なので、絵をたくさん描きつつ、健康寿命をうんと長く!を目指していきたいです。体鍛えるにゃー。
2022年の目標:
・とにかく作品を描く
・Adobe使い倒す
・Blender使いこなせるようになる
・お金をいただくつもりのクォリティで絵を描く(カレンダー、LINEスタンプ、グッズなども)
・建物とインテリアを思い通りに描けるようになる
・よりイキイキしたポーズを描けるように
・繊細な仕草を描けるようになる
・動物も練習する
・光と影を極める
・配色
・カリグラフィーと相性が良さそうなイラスト(ペン画と水彩画)の練習
・一目見て私の絵ってわかるくらい画風を確立する。私の絵のファンを増やす。
以上です。ゴーゴー!